冒険録72 妖精さんは妖精さんではなかった!
「
『なるほど、そういう視点も――』
そうしてエリートリケジョの二人がマニア
「あっ……ごめんね、パパ、ルナちゃん?」
夕は置いてきぼりになっていた俺達に気付き、
「ははは。まぁ夕が楽しければいいさ」
「ままわくわくなのー?」
「う、うん。カレンさんのお話がとっても面白くて、つい?」
『くくっ。
こういう話で目を
『――さて。もう
スクリーン下の
「あの! さっきはちょっと聞きづらかったんですけど……」
『ふむ?』
そこで
「あたしたちが日本に帰ると……ルナちゃんとはもう、会えなくなっちゃう……ですよね?」
そう言ってお団子の上のルナを手元に運び、その小さな頭を愛おしげに指で
だが……もし俺の予想が当たっているなら、それは
「夕。多分だけど、ルナも
「そうなの!?」
『――ほほう』
夕は嬉しそうに目を輝かせ、魔王様は少し
「それはすっごく嬉しいけど……妖精さんが日本に行っちゃったらマズイんじゃ?」
「妖精ならな?」
「えっ、それってもしかして……」
俺は夕に向かって深く頷くと、ルナを指さしてこう告げた。
「ルナは俺達と同じく、日本から来た人間だ!」
「うっそぉっ!?」
俺の
「そうなの、ルナちゃん!?」
「るるる、るにゃは、ようせいなの! ににっ、にんげんじゃないのっ! ほんとだもん!」
「あはは……そっか。えーと、パパはなんで気付いたの?」
「名乗った時に別の名前を言いかけたことや、最初から俺らを知っていたこと、カレンをなーちゃん――なーこと認識していたこと、そのあたりがずっと引っかかってたんだ。夕もだろ?」
「ええ」
ルナには日本人としての本当の名前があり、
「んで俺がピンと来たのは……ルナ、好きな食べ物は?」
「あまあまたまごやき! はんばーぐ! かれー! おれんじじゅーす!」
「――ということだ」
「あぁ~そう言えば……」
この世界の人は魔法関連を除いて外来語を使わないが、ルナはごく
「あとね、あとね……おふとゆばのみそしる!」
――えっ、今この子、お
『くくっ。ルナ嬢、バレてしまったね?』
「ん~? そーなのー?」
イタズラがバレた子供のような顔をするカレンだが、ルナはこのやり取りの意味を理解できていないようで、不思議そうに首を
「あと残る疑問は、俺や夕を知っていたことだが……ルナ、どうしてなんだ?」
「あの、えとえと……ひっ、ひみちゅ……なの……いっちゃだめ、なの……」
「もしかしてお前も――いや、うーん」
この幼いルナ相手なら、いくらでも情報を引き出すことができそうだが……こんな今にも泣き出しそうな顔をされては、まるでいじめているようで
さらにルナがスクリーンへ飛んで行き裏に
「あいよ、
『よろしですし~♪』
【448/448(+7)】
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第8章も半ばまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
リア充力やルナちゃんの秘密、とっくに気付いてたぜ! という方も、ビックリされた方も、ぜひとも【★評価とフォロー】をお願いいたします。
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