冒険録61 悪友はヒロインの強い味方だ!
こうしてヤスの乱入により、俺と夕はまさかの同じ
そうとなれば、こっそりヤスの樽の温度を上げておくか――ん~、【
「――しっかしよ、僕らもすんげぇ世界にきちゃったもんだねぇ」
「だなぁ。特にそっちは、色々大変だったんだよな?」
「それ! 聞いてくれよぉ大地~」
――そうして湯に
「――いやぁ~あんときの大地先生のお言葉には参ったよなぁ! 後ろで聞いてた僕まで恥ずかしくて死にそうになったっての!」
「だぁもう、
「へっへっへ。そいつは難しい相談だなぁ!」
以前に夕がひどく取り乱してしまい、俺が超絶クサイ
「(あうぅぅ~)」
「ちょ――」
後ろの夕が思い出し
「――っと熱くなってきたなぁ~」
「言われてみたら……」
ヤスが
「――んでさ、ぶっちゃけ夕ちゃんとはどうなんよ?」
「いや、どうと言われても」
「んー、さっきはママって聞いてビビったけどさ……その、そういうことはまだ……なんだよな?」
「あたりまえだ!!! テメェ、夕がいくつだと思ってんだよ!?」
「え、いやだって、夕ちゃんほんとは年上なんだろ? 大人のお姉さんなら、好きな人とは普通――どわぁスマンって!」
「まぁお前にしろ夕ちゃんにしろ
「……いや、まったく?」
初めて会った時の事故と……あとは夢で……くっ。
「は? マジ? それ全然進んでなくね!? お前ら何やってんの!!!」
「ほっとけや! ……そもそもだ、夕とは付き合ってる訳でもないんだぞ?」
もしやヤスの中では、すでに付き合っていることになっているのでは……そう思ったところで、ヤスは
「んや、もちろん分かってるって。あと細かい事情はあんまし分かってないけどさ、あの怖い子――ゆづちゃん? のことで今はそういう仲になれない……だったよな?」
「……うむ」
ヤスはヤスなりに、このややこしい状況を理解してくれてはいるようだ。アホそうに見えて――いや実際アホだが、ハズしてはいけない事は直感で
それでヤスの言う通り、夕から向けられる想いに現状は応えることができないのは、俺の気持ちが不確かなこともあるが、そもそもゆづの問題が解決しない限りは夕と共に生きられないからだ。確固たる決意を抱いて未来から来た夕は、全てを承知の上で俺を
「分かってんなら――」
「いや、そうなんだけど…………正直な話な? 彼氏彼女だとかそうじゃないとか、そんなごく普通の
「お、おう……?」
何とも大げさな物言いだとは思うが……こうして夕との
「例えばさぁ、夕ちゃんが他の人を好きになるとか、僕にゃぁどうやっても想像つかんし?」
「ん……むう」
実を言うと夕は、十二歳の夕を
「ってのもさぁ、大地を死ぬほど好きなのはもちろんなんだけど……前に
「ほぉぉ」
このヤスの直感も正しく……大切にしてくれた未来の俺に
この夕特有の心境を知らずして感じ取ったヤスは正直大したもので、後ろの夕も「
「……なるほどな、それで肩書や体裁なんて気にすんなと言いたい訳だ?」
「ああ、そういうことか!」
「だから何で当の本人が理解してないんだよ!?」
「たはは」
「(っぷくく)」
いつも通りの最後は
「――てなわけで! ぶっちゃけ二人が何しても、文句言えるようなヤツなんて誰もいやしないし、むしろ何もしてないことに僕が文句言ってやるぞっ!?」
「はぁ、またそれかよ……」
以前にもヤスは、こうして意味不明の
「……あっ、そうだ!」
そこでヤスが何か
「さっき助けてもらったこともあるし、お礼に夕ちゃんをお風呂
「ソウダナァ」
すでにその状況になってんだけどな? てかこいつ本当は全部見えてんじゃね?
「え……大地のことだし、『んなこっ恥ずかしいことできるかい!』って怒るかと思ったんだけど……」
「ソウダナァ」
事後じゃなければな?
「まぁいいや。そん時は声かけてくれたら、他の客とかから絶対
「ソウダナァ」
そのお前が
「…………はぁ、ふぅ……てかさぁ……お湯、熱くねぇ?」
「ソウダナァ」
そりゃ熱心に熱してるからな。
「そっちはもっと熱いのに、まだまだいけるって顔だな……いやぁ、やっぱあつ湯プロは違うなぁ~」
「ソウダナァ」
そのプロはどうやって稼いでるんだ……絶対押すなとか?
「んでも冷ます機能はないし……――っだぁもうムリ限界! 僕先あがるよ!」
「ドウゾドウゾ」
ヨシキタ! 俺も別の意味で限界だったし助かったぜ。
ヤスが手早く身体を
「ふわぁ、びっくりしたぁ……靖之さんの直感力、ヤバイわね!? 本当は魔法か何かで見えてたんじゃないのぉ!?」
「それな」
夕と背を向け合ったまま、ヤスの無茶苦茶っぷりに
「あと、あたしらの事こんなに理解してくれてて……嬉しいし心強いんだけど……うがぁぁ~、すんごくムズムズしちゃうよぉ!」
「ははは……」
最初の頃はアホで
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