冒険録55 ヒロインはフワフリスケを手に入れた!
本日の
「――あとは風呂かな? 今日は
「ええっ、湯船があるってことですかっ!?」「おっふろー!」
「うおとと」
お風呂と聞いて、夕がその
「ははは、そりゃ女の子だしメッチャ気になるよね。ここの人らは大衆浴場に行くんだけど、こっからだと地味に遠いし
「樽風呂! すごいです! ヤッスさん最高ですっ! サッスです!」
夕はハイテンションになって
「ンまぁ、
「ぼーずもやるのー!」
「へっへ。偉大な僕をもっと
「調子こいてんじゃネェ!」
「ふぐぁ」
ドヤ顔で両手を広げるヤスの頭へ、バコスナックルが振り下ろされる。ここではバコスさんが代わりにツッコミ入れてくれるから楽だなぁ。
「――そうだヤッス。風呂ついでに
「イツツ……ああ、そんくらいお安い御用――ってかもう、タンスにあるの好きなん着てくれ」
「サンクス」
ヤスとは体格も結構近いので、こういう時は助かる。
「んと、あたしが着られるのは……
すまなそうな顔をするヤスに、夕は自分の服をチョンと
「――
「「「えっ!?」」」
そこで夕の体格から一番遠い人の声がかかり、
「……おい、儂の服じゃねぇゾ? んまぁ来ナ」
本人の服ではないと分かり、一同ホッと息をつく。デスヨネー。
バコスさんは隣の部屋へドスドスと入って行き、連結した奥の部屋でガサゴソした後に戻ってくると、
「嬢ちゃんにはチィと大きいかもだが……男
そう言って
「ふわぁぁ、すんごく可愛いナイトローブ!」「ふわふわふりふりー! おそろいなのー!」
広げられた服を見て、女の子二人が目を輝かせる。
「……でも、こんな上等な物をお借りしていいんです?」
「ウム。嬢ちゃんにはちょうどいい……ダロウ?」
ニヤリと笑うバコスさんを見て、夕は一瞬驚いた後にお礼を言うと、
「いやぁ、まさかマスターにこんな
「こんのボケ坊主がっ!」
「ぐふっ」
いらぬ想像をしたヤスが、いつも通りゲンコツを
「こいつぁ昔に、宿泊客の
「え、食い逃げしようとして捕まったとか?」
「いやいや、ねぇだろ……」
いくら何でも、この
「それがナァ……今日はアタシのおごりよ! とかさんざ
「おうふ……」「こわぁ……」「ほへぇ」
それは何とも恐ろしい話――というか他人事ではなく、大金を持ち歩いている俺も十分に注意しないといけないな。日本のように治安の良い国など、そうそうないのだから。
【261/261(+2)】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます