冒険録43 主人公達は王都の地図を手に入れた! (挿絵有)
発行手続きを終えて階下に降りると、すでに辺りは
その街側の門番が俺たちに気付いて敬礼したところで、ホリンが片手をあげて
「お
「はい! ホリン様のご自宅でもありますから、命に替えても門を死守いたします!」
「おいおい、そんなヤバイ
「それはもちろんでございます。ですが
途中でホリンが
そうして腹ペコヤッスの先導の元、四人で歩き出したところで、
「ふふっ、お優しいんですね。これは皆さんが敬意をもって
夕が
「おおお? そう言われると照れるぜ。――ま、あいつらも
ホリンの言う通り、三人とも
「そうなん? 全然強そうには見えんかったけど……めっちゃヘコヘコしてたし?」
ヤスには感じ取れなかったようだ。
「ばっかやろう! 五門を任される門番が弱い訳ないだろうが!」
「お、おお。そうなん?」
「ったく、ヤッスにも分かるような話をするとだな……以前に武装した
「ちょ、まじかぁ……門番は怒らせないように気をつけよっと……」
それでホリンはその精鋭三人分より
◇◇◇
そうして雑談しつつも、俺たち四人は南へ
「ほんと立派な道よねぇ~」
「ああ。王都前の街道といい、大したもんだよな」
目の前を真っ直ぐどこまでも続く道は、幅二十mはある石畳の大通りであり、きっとここが王都の
「ふふっ、
「ん? おお、たしかに」
道の
そこで夕が篝火に興味を
「ねねね、パ――お兄ちゃん! みてみてぇ、脇に水路があるよ!」
子供のようにはしゃぎながら俺へと
「……ほんとだ。小舟まで
「
夕と少し立ち止まっていたところ、二人が近寄ってきた。
「おう、ユウヅの予想通りだ。王都は五つの大門から中央の王宮に向かって大通りが伸びてて、今歩いてるのは『水の
ホリンはそう言って
「旅人よ、ようこそ王都ギャラックへ! ……ってな?」
右手を胸にお
「ありがとう」「とても助かります」
受け取った地図を篝火に照らし見れば、都市の外形に主な通りや水路が描かれていた。都市全体が
(挿絵:https://kakuyomu.jp/users/mochimochinomochiR/news/16817139557704366385)
「すっごぉ、
夕は目を真ん丸にして
「ちなみに今向かってる酒場はここな」
羽ペンを持ったホリンが、城壁から一本目の区画路と水の大路の交差点の南東角に「バコス」と書き込んでくれた。きっと酒場の名前がバコスなのだろう。あとどうでもいいが、結構字がキタナイ……やはり書き物は苦手らしい。
「それで、防衛上から王都外へは無理なんだが、王都内なら水路を伝っての移動もできる――観光用の小舟なんかもあるぞ?」
「「おお~!」」
船で街中を観光、まるでヴェニス気分だな。もちろん行ったことないけど。
「ああ、素敵だわっ! この水路も、お昼だともっと綺麗なんだろうなぁ~…………ね、お兄ちゃん?」
夕が
「夕、えーと………………い、一緒に乗ってみるか?」
求められているだろう答えを返してみる。もちろん、夕と一緒に乗りたいのは本心だ。
「やったぁっ! 明日は水上デートだねっ♪」
「ちょ! そういう意味じゃ……」
「え~? じゃぁどういう意味~? ねぇねぇ、教えて欲しいなぁ~? にしし」
「ぐぅ……」
夕は拳を口元に当ててニヤニヤしながら、
「……あー、そこのイチャついてるお二人さん? 浮かれ過ぎてうっかり落ちんなよ? ――ぶっちゃけ僕は一回落ちてるからねっ!」
「イチャついてねぇっての!」
「あら、そうなの?」
「ちょぉ、夕……」
「――ハイハイハイ、ぼかぁもうお腹いっぱいだっての! 物理的には腹ペコだけどさっ!?」
「ハハハ、ユウヅも兄の前ではすっかり甘えん坊になるんだな。仲のいい兄妹で結構なことだ、ウンウン」
ホリンは温かい目をしながら
「……ホリンよぉ」
「ん?」
「こういうのニブイよなぁ……こんな分かりやすいのに……」
「んんん?」
ヤレヤレと
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