冒険録30 悪友はとてもツイてるぞ!
俺総ツッコミのカオスな
「……ところで、
「んー、一ヶ月くらい? 来た時の事は良く覚えちゃいないんだけど、なんか
裸一貫……ただ単に裸で倒れていただけな。
「……お前よく生きてたな?」
「マジそれよ」
もし俺達も裸で飛ばされてたとしたら、色々な意味で大変なことになっていたところで、このヤスの強運があってこそ
「おまけにさ、記憶どころかお金や服すらもない僕を、住み
日本では
「で、その酒場スタッフがなんで剣士に?
ヤスは刃渡り五十㎝程の剣を収めた
「あーそれがなぁ……酒場の仕事もフルタイムって訳じゃないんで、空き時間にぐーたらしてたんだけどさ……『おい坊主!
「あはは……なかなか
「ほんとそれよ? 街に帰ったら
「そっ、そんな失礼なことしませんよ!」
夕は心外ですとばかりに
魔物と間違えかねないって、どんだけだよ……聞いた感じでは、ヤスの苦手補正もありそうだ。
「――んでこの装備一式は、マスターの若い頃のを借りてる。さすがに装備も無しに外へ放り出すほど鬼じゃなかった」
「ほえぇ、すっごぉ……実物の武具なんて博物館くらいでしか見る機会ないし、何だかワクワクしちゃうね?」
「ああ。古いけど、どれも造りがしっかりしてるな」
「うん、物はいいらしいんだけど……結構臭い!」
盾には欠けや
「となると、今日はその冒険がてらで森に来てたって訳な」
「いんや別件――というのも、今朝
「「……」」
俺は夕と顔を見合わせると、
「えっとぉ、靖之さんはよくそれで言うこと聞きましたね? その方に
「え、そりゃぁ女の子のお願いだし? 聞くでしょ、常識的に考えて」
「世間の常識に謝れ! お前の常識は非常識だ!」
「っだろぉ? 僕ってトガッてるよなぁ~」
「
「ふぐぁ!」
ツッコミのチョップを入れようとしたが、すでにルナが「なのー!」と叫んで眉間に体当たりし、手際良くヤスを悶絶させていた。ああ、なんて優秀な娘なんだ。
「アツツツ……んでそのかわい子ちゃんはすぐどっか行っちゃったけど、こうしてちゃんとお願いは聞いたし、きっとまた会えるはず! うーん、小悪魔的な笑みが何とも素敵な子だったなぁ……ああそういや、その子の顔とかSっぽい
ヤスは日本での記憶が戻ったことで、その正体に思い至ったようだ。
「やっと気付いたか。ちなみにここでの名前はカレンだ」
「マジか!」
「しかも魔王」
「ちょまっ!? やっべぇ……ホイホイ言うこと聞いたらまずかったパターン?」
美少女の正体を知ってヤスの顔が一瞬で青ざめる。ちなみにヤスも、俺と一緒に
「そもそもカレンじゃなくてもマズイとは思うが……ただ今回については、単純に俺らを会わせたかっただけで、何か
とは言え、カレンの考えている事なんて俺程度に読めるものではないが。
「んー……大地がそう言うなら大丈夫だな」
「うふふっ、
「ははっ、そうかも?」
なぜかヤスは、俺の判断に
そう
「――お? そろそろ出口っぽいよ?」
ヤスから
「ふぅ、やっとか」「もりはあきたのー!」「早く街で休みたいわねぇ」「ああ、僕生きて
色々と盛り
「やははー! るながいっちばーん!」
「んもぉルナちゃん! 危ないからあんまり先行っちゃだめよ~?」
「わかってるのー! だからままもはやくはやくー!」
「はいはい、そう急かさないのー」
一人飛び出して両手を振るルナを、夕が小走りに追いかけて行く。
「へぇ、夕ちゃんはすっかりママさんだなぁ――っとなると、大地もパパらしくしないとじゃね? 予行練習も
「ほっとけや!」
こうしてヤスを加えて四人になった俺達は、期待と少しの不安を胸に抱きつつ、まだ見ぬ新世界へと一歩
~ 第四章 月と金星と悪友参上 完 ~
【155/155(本章での増加量+55)】
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第4章までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
このヤスってヤツ面白いぞ? やっぱハピスパにはヤスが居ないとな! などと思われましたら、ぜひとも【★評価とフォロー】をお願いいたします。
第5章は、悪徳商人との商談バトルが見どころでございます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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