冒険録29 悪友はすぐに勘違いするぞ!
骸骨をお宝に変えたところで、俺たち四人は気を取り直して森の出口に向かって歩き始めた。他に魔物が
「……そっか、大地らはついさっき飛ばされてきたんだな」
「ああ、目覚めた時は
しかも夕のフカフカお腹の上だったしな! もちろんヤスには言わんけど!
「ルナちゃんにはびっくりよねぇ」
「あーそれそれ。そのすんげぇヤンチャなチビっこは一体?」
ヤスが俺の
「おしとやかな
「へぶっ!」
失礼な事を言う
「ルナちゃん!」
「あぅっ……」
お
「――もう少し手加減してあげてね?」
「はぁーい!」
「ちょちょ、夕さん!? そもそも僕に攻撃しないように言ってもらえませんかねぇ!? 暴力反対っ!」
「うふふ。これも幼いルナちゃんなりのスキンシップだと思いますから、大目に見てあげてくださいね? ――んとまぁ、あたしも最初に二回も
「む、むむぅ……しょうがないなぁ」
子供のやることと思って、ヤスは
「それでこのヤン――オシトヤカなおぜうさまは、妖精……でいいの?」
「ああ。本人もそう言ってるし? ……その様子だと
「んだね。ファンタジーな世界だし、どこかには居るかもしれんけど、少なくとも僕は初めて見た」
「へぇ」
カレンは世界の
「それとさ? 僕の聞き間違えかもしれないんだけど……夕ちゃんのこと、ママって呼んでなかった?」
「あ……それは、えとぉ……」
「むふー! ままとぱぱなのー!」
言い
「ちょ、おま、はああぁ!? パパママだとぉぉ!? 二人の愛の
「てめぇ何アホな
「そうですよ! まだそんなことにはなってません! もう少し大人になってからです!」
「ちょぉ――」
夕さん? お願いだから落ち着いてね? 自分が何言ってるか分かってるかなぁ?
「はぁ……夕がめっちゃ
「あ、そう。――ちぇっ、なんだよ。ぬか喜びじゃんか! 僕のワクワクを返せっ!」
「んなもん知るかっ!」
いつも通りではあるが、なんてアホで面倒くさいヤツだ。これなら記憶喪失のままの方が、まだマシだったかもしれないな。
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