冒険録27 記憶喪失にはショック療法だ!
別に大して
「あー、俺は
「いやぁ……なんかすまんなぁ。コスモダイチ、すごく聞き覚えはあるんだけど……ん? そうだよ、コスモだよ!」
「は?」
「コスモ神と同じ名前を名乗るとか、なかなか大それた事するよな?」
「俺が付けたんじゃねぇし、名乗りたくて名乗ってんじゃねぇよ!」
「え、本名なの? マジ?」
「
「すまん!」
「ったくよ……」
またヤスと名前ネタのやり取りをする日が来るとはな……
あとまさかの異世界の神様の名前がコスモと……つまり俺は、神様とは違うがキリストやらブッダやらと名乗ってるような
「――んじゃまぁ大地で。お前はそう呼んでたし。ちなみに、お前が高校生だったこととかは覚えてるか?」
「え、そりゃ
ヤスはしきりに首を
「うーん……」
これは実に面倒くさいなぁ……もう放っといたらダメかなぁ……んまぁそれは
そこで骸骨の
「おーい夕! ちょっと来てくれるか?」
「はぁーい」
夕が隠れている近くの木に呼びかけると、
「え、
「ああ。でもなんか記憶喪失っぽい」
「うそっ、一大事じゃないの!」
そうして夕が心配そうに近寄るなり、
「うおおおぉ! なんって美しくも可愛いらしいお嬢さんだあぁぁ!」
「んえぇ!?」
ヤスは
「ああ、
「ちょ、またそれですかぁぁ!?」
俺とヤスが夕の名前を知らなかった頃に、電柱の
「あのぉ、靖之さん?
この営業スマイルから
「ああっ! こんな僕を心配してくれるなんて……マイエンジェル!」
「ひぃっ!?」
皮肉も全く通じず、ガバッと両手を広げて天を
さらにこのアホは、夕に向かってボーリング投球ポーズをすると、
「結婚してください!!!」
なんとプロポーズしやがった。
「絶対無理です」「てめぇ調子に乗んなよ!?」「ままはあげないのー!」
「へぶれあっ!!!」
その瞬間、夕からの冷たい一言、俺からの
「……はぁぁ~。記憶がなくても相変わらずだわ……」
「それな」
二人で
「――はっ! この
身体をガクガク震わせて何事かを叫び始めた。……しまった、
「………………あれ? 大地に夕ちゃん、こんなとこで何してんの?」
「えっ! ……あの、あたしの名前は分かりますか?」
「んんん?
「ええ。思い出してくれましたか」
「おお、治ったか。良かったな」
悪化したかと思いきや、むしろショックが効いて治ったらしい。たしかに、頭への衝撃で記憶喪失になったり、逆に治ったりというのは良く聞く話だ。そうなると、またしてもルナのお
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