冒険録23 主人公達が干からびそうだぞ!
そうして三十分ほど歩いたところで……
「ねぇぱぱー、のどかわいたのー!」
「そのぉ、実はあたしも……」
「そうだよなぁ」
三人とも目覚めてから
「さっき逃げた先――東へ二、三㎞くらいのとこに川があったが、どうする?」
「むむむ、川の水かぁ……ひ弱な現代日本人のあたしたちが飲んで平気かは
「ああ。カレンは広くない森と言っていたし、下手に動き回るよりこのまま最短ルートで突っ切りたいよな……森を抜けてもゴールじゃないしさ?」
この薄暗い森を子供の足で歩くとなると、急いでも三十分以上はかかるだろうし、飲めるか分からない水のためだけに割くには少々リスキーだ。
「それと川原は骸骨をバラバラにした場所だから、まだその近くに居る可能性も高い」
先ほどはリベンジマッチと意気込んではいたが、危険
「うん、このまま進みましょ」
「んだな。そうなると水はしばらく
二人でそう結論付けたところで……
「やだー! るなのどかわいたのーーー!」
目の前に飛び出した幼女妖精さんが、両手を
「おいおいルナ、そう
「むー! やーだー! おーみーずーのーみーたーいーのー!」
「んなこと言われてもなぁ……」
ルナは宙に浮かびながら
「んもぉルナちゃん、あんまりパパを困らせちゃダメだよ。ママとパパもすっごく喉が乾いて辛いけど我慢するから、ルナちゃんも頑張って欲しいな? 水が見つかったら、最初にルナちゃんにあげるからね?」
「……わかったの。るなもがんばるのー!」
「ふふ、えらいわね」
◇◇◇
そうして進路を変えずに南へ再び歩き出したは良いものの……下手に水の話をしたこともあって、精神的にも辛くなってきた。
それでどうにか別の手段で水を入手できないものかと考えていたところ、
「いっそ雨でも降ってこないかしらねぇ」
夕の
「ははは、神様に――いや、魔王様に
それを聞いた俺は、あるカレンとのやり取りを思い出すのであった。
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