冒険録19 妖精さんが弾丸になった!
こうして夕は、間接的な方法を取る形ではあるものの、無事に魔法を使えるようになった。いずれ秘密の願いを
『さて。では早速ルナ嬢を魔法で強化して、対骸骨を
「え、力はゼロになったんじゃ?」
力を使い果たしたからこそ、俺への魔法が切れたのだから。
『確認してみたまえよ』
言われて夕と時計の
「あれれ、五十分……満タンに近いですね?」
「しかもまた最大値も増えてるぞ。なんで?」
先ほどよりさらに五分増加して、一時十分を示していた。
『キミ達は
「自然回復はんやっ!?」
夕の
『ふふっ。お
「そりゃそうか……」
五分増加で五十分回復となると、最大値増加時にその十倍程度の回復だろうか。ただ、この力の源の正体が分からないと、最大値増加や回復の仕組みも分からない。カレンは教えてくれないようだし、
「それじゃぁ今度は、ルナちゃんに元気になる魔法をかけてあげるね?」
「まってたのー!」
「うふふ。お待たせしちゃったね」
お預けを食らっていたルナは、夕に頭を
『――いや、現状のゆーちゃんが魔法に向いていないことには変わりない。当面の間は、特別に効果が大きい大地君に対してはゆーちゃんが万能魔法を、ゆーちゃんとルナ嬢には大地君が特化魔法をかける方針が良いだろうね』
「あ、そうですよね……」
夕は少ししょんぼりしたかと思いきや、
「――つまりあたしはパパ専用だねっ! それはそれでイイかもぉ? にへへ~」
「ア、ウン」
すぐにいつもの調子になって、顔をでろんと
「……んじゃルナ、準備はいいか?」
「どーんとこいなのー!」
ルナは俺の一mほど前の空中に静止すると、
『あー、念のためだが、短めの効果をイメージしておく方が良いだろう。慣れないと調整は難しいだろうけれど、五分か十分ほど使うつもりで?』
「ん? 了解」
意図は分からないが、講師のアドバイスは聞いておくべきだろう。
それで呪文は何でも良いそうだが、先ほどの夕の
「よーしっ!」
俺は気合を入れて両手をかざすと、ルナが素早くなるイメージを浮かべて呪文を
「【
夕のように
「おおー!? るなぴかぴかなのー!」
目の前のルナの身体が青色に
『成功だ』
「おーしっ!」「ふふ、
人生初魔法が上手くいき、嬉しくなって思わずガッツポーズ。
『さて、効果が切れる前に確認しよう。ルナ嬢、適当にその辺の木にでも全力でぶつかってみたまえ』
「わかったのー!」
ルナは前方十m辺りに生えている直径三十㎝ほどの木を
「いくのー!」
その動きを視認した瞬間、青い弾丸は木に到達しており――
ズンッ!
「おおお……」「すっごぉ……」『ひゅ~』
ルナは頭から全身を幹にめり込ませており、そのルナサイズの
「いやぁ、こいつは大した
「あっ、それカッコイイ!」
『うむ。魔法は気分が大切なので、技名としてルナ嬢に叫んでもらうのも良いね」
「だな!」
エコかつ有効打となり得る戦術を編み出し、おまけに良い技名も決まったということで、俺達は満足げに
【75/75(+5)】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます