冒険録07 異世界の旅人さんこんにちは!
森の中へ足を
「……これがもっと明るい森なら、
「ぼーけんでーとなのー!」
「ははは……」
俺に続く夕が割と
少し歩けばだいぶと目が慣れて、周囲の様子がはっきりと見えてきた。頭上を見上げてみると、三~四m
そういう訳で、
「そういや、俺たちが寝ていた切り株は、ここの木々と比べて
「そうね。きっと元々はあの巨木のせいで他の木が生えてなくて、それが切られた結果、周りが円状の草地になってたんじゃないかしら?」
「なるほど。するとあそこは……漫画風に言うと神聖な場所とかだったのかもな」
あくまで自然現象ではあるものの、暗い森の中で
「とってもきもちがよかったのー!」
「ふふっ。妖精のルナちゃんもこう言ってるし、案外そうかもしれないわね?」
俺たち二人がスヤスヤと眠れていたのも、もしかするとそのお陰だったのかもしれないな。
◇◇◇
そうして雑談しながら道なき道を進んでいると、
「パパ?」
「ああ。たぶん野生動物なんかもいるだろうし、武器にでもなればと思って? とは言っても、無いよりマシってレベルだけどな」
「そ、そうよね……」
夕は野生動物と聞いて顔を
「まぁ、もし何か出てきたら俺が何とかするから」
「うん! パパは強いもんね?」
「いやいや……普通の人よりかは多少戦えるって程度だぞ?」
俺は幼少期に母を
「それはさておき、そん時は静かに下がって
「えっ、でも! …………うん、分かったわ」
夕は一瞬反論しようとしたが、横に居ても結局全員の危険が増すだけと考え直したのか、
「あっそうだ。夕は木に登れるし、それが一番安全そうだな? …………――くくっ」
「?」
「いや、出会った時のことを思い出してな? あん時はほんとびっくりしたぜ」
「うふふ。運命的な出会い方だったわねぇ~」
夕が庭の木に登って家での俺の様子を探っていたところを、
「んでその時――あ……」
「あっ、えとぉ、うん……」
そうして思い出話をしていたところ、余計なことまで思い出してしまい、互いに目を
実はその時……落ちてきた夕を受け止めようとしたが、失敗して倒れた
「どーしたのー? …………らぶらぶー?」
「いやいや違うぞ!」「ルナちゃんってば何言ってるのかしら~? おほほほ」
何かを察した様子のルナに、俺たちは大
「よーし、さっさと森を抜けよう!」「そうしましょ!」
「……んー? へんなのー!」
◇◇◇
それから少し歩いたところで、前方に薄っすらと人影が見えたので立ち止まった。薄暗いので分かりにくいが、その人物は十五mほど先でこちらに背を向けて立っており、背には
「この世界の旅人……?」
「かな?」
「これはもしや、ラッキー?」
「うんうん!」
カレンを除けば初めての異世界人との
「おーい、そこの人ー! ちょっといいですかー?」
俺はそう期待して、呼びかけながらゆっくりと近付いていく。
すると、声に気付いたその人物が振り返ってきたのだが……
「んなっ!?」「ひぃっ!」「ひゃぁー!」
俺たちは小さく
なんとその目は血のように真っ赤な光をギラギラと放っており、明らかに人間ではないことを物語っていた。そして
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