冒険録14 お節介魔王のオンライン講座が始まった!
夕がわちゃわちゃしている間に、骸骨との
『――こほん。それでは、わたしの
「「お願いします」」「なのー」
画面のオンライン魔王様講師に向かって二人でお
『ではまず魔物の性質について確認から。それは自然発生する大気中の
「えーと、骸骨の中から黒い
『そうだね。
なるほどな……その条件を考えれば、カレンがこの森を比較的安全とみなしたのも無理はない。
『また、対象生物が生きている状態で魔素が取り付くと強い魔物になるが、多くの量が必要となるので自然にはまず発生しない。それと人間のような知性ある生物に取り付いた場合は、特別強力な魔物になってしまうため、骨ですらキミが戦ったような強さになる』
「つまり……生物の大小と生死で取り付く魔素の量が決まり、その量に比例して強くなるが、加えて知性の分だけ強化される。あと予想だが、魔素やそれが取り付いた魔物は光に弱い……でいいか?」
『よろしですし~♪』
最後の一オクターブ上の陽気で
『……では次の話に移ろうか。ゆーちゃん、今
「えっ? えーと――あら、止まってる?」
俺も画面下の文字盤を注視してみると……十二時四十分を指し、銀の秒針は青の
「とりあえずネジを巻き直し――」
『いや、正常に動作している』
「「え?」」
『今は時ではなく、とある力を計り取る計器となっているのだよ』
「またですかぁ!?」
夕は大切な時計のさらなる魔改造に文句を言うが、カレンが可愛らしくペロッと舌を出して「めんごめんご~♪」と陽気に謝ると、「困った人だわぁ」と
「……で、とある力とは?」
『ふふ、それは秘密にしておこうか。
「ふむ……」
夕はともかく俺は聡くなんてないが……まぁ
『それよりも、まずはその計器の見方と利用方法の説明だね。
そこでカレンはもったいぶって
『あらゆる願いを
「「「おおおー!」」」
夢のようなとんでもない事を言い放った。
『くくく、期待通りの反応で嬉しいね。ただまあ、キミはすでに使っているようだけれど?』
「え……そうなのか?」
当然ながら、そのような
『ほら、先ほどの骸骨との戦闘で棒が光ったと言っていただろう? それだよ』
「ああ!」
確かにあの時、「どうか一発は
『――さてそれで、
「そらをとぶのー!」
『ルナ嬢はすでに――ああ、二人と一緒に飛びたいのだね? もちろんできるとも』
「やったのー!」「すげぇ!」「素敵!」
『ま、それなりに溜まればだがね?』
現代では空を飛ぶ方法などいくらでもあるが、自分の身一つで飛ぶというのは実にロマン
「えーと、もしかして……漫画で出てくるような、魔法とかも使えたりするのか? 例えば、手から火や雷を出したり、とか?」
『もちろん』
「うおお! マジかっ!」
やべぇぞ、これは胸熱だ。少年は誰しもが一度は思い描くものだろうし、俺もその例に
『男の子だねえ』「ふふっ、パパったらかーわいい♪」
「あっ、いや……ゴホン」
これは
『ゆーちゃんはどうだい?』
「え、えーとその……――――――とか、できます?」
そこで夕は懐中時計を
『ふふっ、乙女心だねぇ。ゆーちゃんときたら、なんと可愛い子なのだろうね? わたしが
「もっ、も~! からかわないで下さいよぉ……」
『ふふっ。特に照れている顔が最高に可愛いね』
「んもぉ、カレンさん! 冗談はそのくらいにしてください!」
夕よ、実はカレンはその……どっちもいけるタイプだから、百%
「はぁ……それでどうですか?」
『ああ、もちろんできるよ。そこそこの量が必要だけれどね?』
「ほっ、ほんとですかっ!? よーしっ、すぐにその力を溜めにいきましょう! パパ、ルナちゃん、こんなところでのんびりしてる場合じゃないわ! 早く出発――」
『くくく。今のままでも
「は、はい……急に取り乱してごめんなさい」
夕はカレンに
【現在の願いの力:42/42分(+2)】
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