冒険録03 ヒロインは凄く賢いぞ!
聞き取りによる少ない
「なぁ夕。この子は、本当に妖精なのか? 例えば、
「うーん……
フェアリーアタックにより
ところで、この夕の幼女らしからぬハイスペックさには理由があり……実は中身は
そういう訳で、普段は見た目通りの
「すると……妖精なんて幻想上の生き物が、なんでこんなところに?」
「うーん…………――あっ!」
夕は頭を
「もしかすると……ここはあたしたちの世界とは別の世界――異世界かもしれないわ!」
「え!? 漫画とかに出てくるあれだよな……ってのは、何か気付いた?」
夕は学者さんらしく、
「えっとね、ルナちゃんはこうして空に浮いてる訳だけど、それを成し得る動力源があたし達の世界には存在しないのよ」
「んー…………鳥みたいなもんじゃ、ないのか?」
「んにゃ、よく見て。ルナちゃんは飛んでるんじゃなくて、浮いてるの」
「おおお……ほんとだ」
ルナは羽を動かしてもいないのに、宙にピタリと静止していた。
「重力という力に対して、羽が空気を押す反力でそれを
「たしかに」
空中に静止できるヘリコプターやドローンなども、結局は同じ原理になる。
「それでね、重力の他には、
「――魔法?」
「そうなっちゃうわねぇ………………あ~もぉ~、くやしいったらないわっ!」
「はは……」
夕は両足でジタバタと
「――こほん。そういう訳で、ここは魔法が存在する異世界だと思う。なんで異世界に飛ばされたのかは分かんないけど……」
「なんてこった……」
目が覚めたら異世界に居たなんて、どこの漫画だよって話だ。
「なぁルナ、お前は本当に魔法で飛んでるのか?」
その信じがたい現実を否定したくて、一応本人に確認してみる。
「んー? えいっ! てするのー! はねははやいのー!」
「だぁぁ、分っかんねぇ……」
幼女妖精と意思
「あはは……飛びたいと思うだけで飛べるけど、羽も使うともっと速く飛べるって、言いたいんじゃないかしら? たぶんだけどね?」
「そうなのー!」
「すげぇな夕、よく分かったな」
「んー、何となく気持ちが分かる?」
「ふーん。俺にはさっぱりだがな……」
幼女を
「ふふっ、子供が出来たら苦労しそうねぇ」
「……え?」
「なっ、なんでもないよぉっ!?」
夕は顔を赤くしながらワタワタと手を
「――くっくっく」
「「!?」」
そこで
「相変わらずお熱いことだね?」
するとそこには、クラスメイトの女子高生――
この見知らぬ異世界で
「……え?」
その頭には二本の
そう、それは一般的に悪魔と呼ばれる姿なのであった。
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