第7話 P'デコの計画

ミルキーはその美貌びぼう知名度ちめいどから、誘い出せない男子はいなかった。


高木君はきっと確実にチョロい。


問題は彼女のいる本橋先輩だ。


「彼女がいる場合、

まずは彼女の安藤先輩と仲良くなって、

自然な状況じょうきょうを作ると良いんじゃないかな?」


P'デコがそういったので、

ミルキーは廊下でわざと安藤先輩にぶつかり、

猫をかぶって安藤先輩に近づいた。


「あ、ミルキーちゃんだぁ!

私、ガールズ・エナジー毎月買ってるよ!」


安藤先輩はミルキーの出てる雑誌の愛読者だったらしく、

案外あんがいあっさりミルキーと仲良くなって、LINE交換に成功し、

影でその様子を見ていた腐の者どもはガッツポーズをした。


「しばらく当たり障りないチャットしてさ、

仲良くなったらさ、逆相談女するんだよ。」


P’デコが真面目そうな顔をさらに真面目そうにしながら言った。


逆相談女ぎゃくそうだんおんな?」


相談女そうだんおんなっているじゃん?

狙った男に相談持ちかけて、

保護欲求あおってうばっちゃう女。

その逆で、彼女の安藤先輩に相談すんの。

高木君の事が好きだけど、

言えない~みたいなやつ。

でもまずは、

高木君に彼女いるかとか聞いてもらうの。

高木君の情報欲しい~みたいにね。

安藤先輩、きっと本橋先輩に話すと思うし、

運が良ければ、

本橋先輩が仲介役ちゅうかいやくに出て来てくれるはず。」


ミルキーがP'デコの言う通りにしてみると、

本当に本橋先輩が仲介役ちゅうかいやくに出て来てくれることになった。


「ほらね。

彼女いるとさ、

他の男に自分の彼女近づけさせたくないじゃん?

高木君みたいなイケメンならなおさらじゃん?

だから、こういう場合、

絶対彼氏の本橋先輩のが出てくると思った!」


「P'デコ、頭いいなぁ!」


この腐女子たちの情熱は、

ただただ2人の2ショットが見たいだけと言う、

単純で不純な意図いとに全集中状態だった。

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