マッド・サイエンス
織風 羊
第1話 講演
「そのご質問に対しての答えは簡単です。現在の科学力で病原性ウィルスを作る事は充分に可能であると言う事です。但し、その症状や、諸々の発現は、仮説では分からないこと、端的に言えば発病してからでないと仮説通りに行くかどうかは分からないと言うことです。そして最後に言える重大なこと、それは研究結果を立証するために人体実験をするようなお馬鹿な科学者は居ない、と言う事です、ね!」
水を打ったように静まり返っていた会場は、最後のその一言で笑いに包まれ、緊張が解けたようだった。
ボランティアで引き受けた市民講演の最後の質問にPh.D.オオサワは答え、無事講演を終えた。国立病原性微生物研究所の研究主幹を務める彼は、できうる限り一般市民でも分かるように噛み砕いて伝えたつもりだ。
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