第4話 迫る危機
あの衝撃の再会から2週間がたったある日。一通のメールが届いた。
悉知 竜哉
宛先:藍田 すみれ
日曜日空いてるか?
用件だけを伝えるメールにどうしたのだろうかと不思議そうな顔をしながら返信を送るすみれ。
藍田 すみれ
宛先:悉知 竜哉
空いてるけど...どうして?なにかあった?
すみれがメールを送るとすぐに返信が返ってきた。内容は、”その日空けとけ”だけカレンダーを見ても何の変哲もない日曜日何かがあると予想の立てようがなかった。とりあえず、言われた通りカレンダーに予定を書き込みその日に仕事を取らない様にした。
気になるまま数日過ごし土曜の夜に待ち合わせの場所と時間を知らされ当日その場所に向かった。何をするのか知らされていない為か前回同様ラフな格好で待ち合わせ場所に向かう。
余裕をもって出たはずのすみれだったが、もう既に悉知は待ち合わせ場所にいた。すみれと同じようなパーカーとチノパンというラフな姿。2人の姿は流行りの双子コーデの様ですみれは頬を赤らめ悉知は平然を装いながらも口元がややぴくぴくしていた。
「ねぇ、今日って何するの?」
「あー、あるイベントに参加したいんだ」
「イベント?私じゃなきゃダメだったの?」
その質問に歯切れが悪く”いや”、”あの”などと繰り返しはぐらかす悉知にすみれは変な奴とばかりに目を細めて不信がった。
「とりあえず、別にいいだろ。いくぞ」
そういって歩き出す悉知を置いて行かれない様について行くすみれ。
「今日のイベントはパートナーを連れて出ろって上司に言われたんだ」
「じゃあ、警察の集まりなの?もっとちゃんとした格好じゃないとまずかった?」
「いや、問題ない。みんな似たようなもんだろ。それにそっちのがお前らしいよ」
言われてついて行くとファンタジーランドという遊園地に着いた。
「もしかして行きたかった場所ってここ?」
「上司に行けって言われたんだよ。.....本当は、連れて来たくなかったんだけどな(ボソッ」
「え?なに?」
「なんでもねぇよ。それより行くぞ」
手を引かれ入口までエスコートされた。チケットを買わないととチケット売り場に向かおうとしたが手を引かれている為入場ゲートまで連れて行かれてしまった。
「ねぇ、チケット買わないと」
「もう持ってるから心配すんな」
得意気に2枚のチケットを出しすみれに見せる。そんな事をしていると入場ゲートにたどり着いた
「おめでとうございます!!!お二人がペア入場の本日の1000組目です!!」
「??」
「...嘘だろ...。」
すみれは何のことだか分からず首を傾げたが悉知は絶望に満ちたような表情をしていた。
「1000組目のお二人にはこちらの特性バンドをして園内をお楽しみいただけます。記念ですので、園内のものすべて無料となります。」
ここの園はリストバンドで会計を全てする為今回貰ったリストバンドは全て園持ちになるように設定されていると説明された
「悉知すごいね。すべて無料だって!」
「だろうな....。ぜったい着けるなよ「ちなみに着用いただけない場合はこの場で爆破します。」...マジかよ」
「...え?爆破って...なに?」
悉知はあらかじめ聞いていたせいかあまり動揺が見られなかったが、何も知らないすみれは”爆破”という言葉にひどく動揺した。
「つけないと爆破...?え?」
「とりあえず付けるぞ。大丈夫任せろ」
悉知はリストバンドを自身の手首に巻き付け、事態を抑えるためにすみれの手を取り動揺するすみれの代わりにリストバンドを巻いた。泣きそうな顔で悉知を見るすみれに悉知は頭を撫で安心させる様に笑った
「いいですね~。愛ですね~。見てて腹が立ちます。せいぜい残りの時間楽しんでくださーい、爆破リミットは閉園時間さースタート」
愉快な着ぐるみを来たスタッフが説明し二人は園中に入った。すると何人かの男性がこちらによって来た
「遅かったですね。何かありましたか?」
「あぁ、爆弾を付けられた」
寄って来た男性たちは悉知の同僚の様で今まで起きた事を事細かに説明する。するとどこからか工具を取り出した男性が
「解体しますのでこちらへ。僕の所属は爆発物処理班です。安心して下さい」
「あ、はい。」
爆発物処理班を名乗る男は、悉知を置いて離れようとした
それはお前の手柄じゃない 乾禄佳 @inuirokuka
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