第3話
『は?』
「クロウ、準備は?」
『はっ!!あちらにルルが用意しております』
クロウが指した練習場にある日陰部分にはルルが立っており、彼女のそばにはリクライニングチェアとテーブルがあった、テーブルにはお茶とお菓子が準備されてあるのが見て取れる。
ルシルは一度頷きそのままルルの元へと行きリクライニングチェアで寛ぎ始めた。
そんなルシルを見たシャカは慌ててルシルの元へ向かい
『いやいやいや!!おかしいだろ!?』
「なにが?」
『いや、ここは助けに行く場面だよな!?え?俺がおかしいのか?』
「行くわけ無いだろう?めんどくさい」
『いやいや!!もしかしたらとびっきりのかわい子ちゃんかもしれないだろ?クロウ、その辺りどうよ?』
『たしかに、かわいい娘さんではあったが』
『ほらー!!もったいないぜ?な、な、助けにいこーぜ?助けてその子とイチャイチャしよーぜ!!主は友達がいないからな!!もしかしたらこれをきっかけに友人ができるかもしれないぜ!!』
捲し立てるシャカ
そんなシャカを見ながらルルか淹れてくれたコーヒーを口にしながらルシルが諭すように答えた。
「いいかシャカ?俺は友人がいないわけではない。必要ないのだ。それにこの貴族子女が通うミルバーナ魔法学園でのいじめ、虐められている女生徒、どう転んでも面倒事の予感しかしない」
『そうですね、考えられるのは下級貴族令嬢又は特待生をを高位貴族子女が虐めているケース。これを主様が助けた場合高位貴族子女達の矛先が主様に向く可能性があります。』
『他には高位貴族子女でありながらなんらかの理由で虐げられているケースですかね?その場合、理由によりますが前の問題より厄介な事が主様にふりかかる可能性がありますな』
ルシルの言葉にルルとクロウが続ける。
シャカは3人(?)を見ながら何か言い返そうと口を開こうとしたがルシルが先に口をだした
「それに仮にかわい子ちゃんだとしてもだ」
『しても?』
「ルルよりかわい子ちゃんはいないよ」
『主様っ!!』
ルシルの言葉にルルは両手で頬を抑えながら体をくねくね悶えていた。
そんなルルを見ないようにシャカはルシルに訪ねた
『じゃ、虐められている女の子はそのままにするのか?』
気に入らないと腕を組みむくれるシャカ
男がやっても可愛くないがシャカは中性的な顔しているせいか似合っていた。
それを指摘すると怒るのでルシルは笑うのを我慢しながら
「いや?別の奴に対応させればいい」
『別の奴?』
「ああ、いるだろ?こう言う事に専門的な奴が」
ルシルの言葉シャカはなにか気づいたらしく苦虫を噛み潰した顔をした
『またあいつに譲るのか?』
「譲るも何も彼は俺の理想のパートナーだよ。本人は知らないけどね」
『はぁ、しかし奴は今多忙だろ?この学園にもいないはずだよな』
「いや、それがタイミングよく生徒会室に忘れ物をしたらしくね。それを取りに戻ってくるらしいよ。クロウ、首尾は?」
『はっ、すでに、あと数秒で現れます』
『タイミングよくねぇ~』
「さすがクロウ。しかし、シャカの言うとおり少し持ち上げ過ぎたかな?学園にいる時間があまりに無く仕方なく俺が対応しないといけない時があったからね」
『ああ、たしかに、そのせいで学園ではちょっとだけ噂になっております。曰く、この学園には困った人を助けてくれる妖精がいるとか』
「クロウ、それは本当に?」
『ええ、間違いありません』
「そうか、それは困ったな」
『何をだい大将?』
「小さな噂から真実にたどり着くやつもいるかもしれないだろ?やっぱり違う奴を準備しとくか・・・クロウ、それっぽいのを準備しといてくれる?」
『畏まりました』
「うんよろしく。それじゃせっかくルルが準備してくれたんだ。シャカとクロウも一緒にお茶をしよう」
『はぁ、わかったよ大将』
『御意』
「ルル、人数分のお茶を頼むよ」
『畏まりました』
そしてルシル達は楽しいひと時を過ごすのであった。
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