第42話
「あーやっぱりおかしいと思ったんだよ!」
タクが納得がいった!って感じで話しだす。
「なんか、立花と春川を見る目が違うなって思ってたんだよなぁ。最初は兄妹みたいに思ってるのかと思ったけどそう言う事か!」
そう言えば、前話した時そんな事言ってたなこいつ。
「そっか。出来るだけ隠してたつもりだったけど、分かる人には分かるのかな?それで、どう?って聞くのも変だけど…」
王子は不安そうにこちらを見てくる。
確かに驚きはしたが。
そう考えてると、タクがニヤニヤしながらこっちを見てくる。なんだ?
「えーごほん!いやー!コウが前言ってたけどその通りだな!いくら男女の仲に『鈍感』でも俺は気にしないからな!『鈍感』でも!」
グッ……!
あの時の言葉がブーメランになって帰ってくる!
「ん?何が鈍感なの?コウ」
いや!突っ込まないで王子!
「あ、あのさ、王子が立花の事す、好きなんじゃ無いかってタクに話したんだよ」
くぅ!恥ずかしいがここまで王子が言ってくれたんだ俺も素直に話そう。
「そんでさ!コウの奴俺が立花達と王子は兄と妹みたいな関係じゃないか?って言ったら鈍感なお前には、わかんねーだろうとか馬鹿にしてきやがったんだぜ!鈍感はどっちだよな!がはは!」
くそ、自分が言ったことだから甘んじて受け入れるしか無い。
「美咲かぁ。でも、僕がゲイじゃ無かったら多分美咲を好きになってたと思うよ?あながちコウが思ってた事も間違いじゃ無いかもね?」
うぅ…王子のフォローが効くぜ…。
「その事は俺の勘違いだったみたいだな」
「んで、王子!俺達の友情が揺らぐ程の告白って何だよ!」
いきなりタクが意味わからん事を言い出した。
「え?あの、今の話が…」
王子が話してると被せるようにタクは
「金か!?俺はあんま持ってないからなぁ、コウは結構持ってるだろ!?それとも何か買ってくれってやつか!?どんな効果が!?」
なるほど……タクの奴、こう言う所上手いな。
「いや…あの……」
王子が困ってるなぁ
俺も乗るか。
「王子独り暮らしだもんな!金かぁ…いくらだ!?貸すなんてケチなこと言わないぜ!持ってけ王子!」
困惑した顔だった王子も俺達がわざと言ってることに気が付いたのか泣き笑いの様な顔で
「あはは、二人には敵わないなぁ…実は……買って欲しいツボが有るんだよ!」
「「そのツボモテるようになるんだろ!買った!!」
「「「あはははは!」」」
その後三人でこれまでの事を色々話した。
俺とタクの小学生時代の話や、中学生時代の話。
王子と立花達の話なんかもあの出来事はぼかしながら話した。
そう遠くないうちにタクにも話すことになるだろうが、勝手には話せないしな。
「はっー僕これでも結構覚悟決めて話したんだけどなぁ」
王子がさっきの事を思い出しながら話し出す。
「話を聞いて嫌いになっても気にしないから(キリッ!だもんな!」
タクが王子を茶化す。
「王子は色々悩んでたんだろうし覚悟も必要だっただろうな。言ってくれて俺は嬉しいよ。ありがとう王子」
「えへへ、こちらこそありがとうコウ」
これで二人の友情は揺るがないな!
「ちょ!俺だっているだろ!二人でエモくなんなよー!俺も嬉しかったぜ!王子!」
慌ててタクも入ってくる。
「いやいや、タクはツボを買ってからじゃないと仲間には入れられないなぁ。そうだろ?王子!」
さっきの仕返しじゃ!
チラッっと王子を見ると王子も分かったのか
「うーんそうだね、あのツボは結構高いからなぁタク、買える?」
王子も分かってらっしゃる!
「くそ!いくらだ!言い値で買ってやらあ!」
「あはは!タクもありがとうね。僕嬉しいよ」
「うんうん、仲良き事は良いことかな!」
二人も固い友情で結ばれたな!
「お前が初めたんだろ!コウ!ツボ持ってこいよ!!」
まだ言ってるよタクの奴…
「だから言っただろ?お前はツボがあってもモテないって!」
「んだとぉ!待てコラ!コウ!ツボ寄越せ!」
「お前目的変わってんじゃねーか!ツボなんて持ってねーよ!」
「あはははは!!」
王子も大爆笑だ。
三人でグダグダになりながら時間は過ぎていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます