第16話
時刻は夕方過ぎ。
俺はジムで片付けをしている。
何故俺が色々な備品を片付けているかと言うとトレーニング終わりにジムでバイトさせて貰ってるからだ。
俺は小学生からジムに通っていて勿論その頃から月謝も払っている。当たり前だが。
高校生になってからは、少しでも会長に恩返しがしたくて自主的に片付けを手伝ったりなんかしていた。
そんな俺を見た会長は、
「働いた対価はしっかり貰え。俺も金払った方が気兼ね無く使えるからそっちの方がありがたい」
なんて言いながらバイトとして雇ってくれた。
バイト代も高校生には十分な額貰えているし
会長にはどんどん返しきれない恩が出来ていく。
「おーい、コウこっちの片付け手伝ってくれ」
「わかりましたーすぐ行きます」
会長に呼ばれてそちらに向かう。
「おぉすまんなコウ、歳には勝てん。
この辺片付けといてくれ。俺は向こうからやる」
「全然問題無いですよ。じゃあやりますか」
二人で片付け始めると会長が話し掛けてきた。
「そういやコウ最近学校はどうだ?新しく友達出来たんだろ?」
「そうですね、今度その友達と体育祭でリレーのアンカーやりますよ」
会長は少し驚いた顔で俺を見てくる。
「コウがそんな目立つ事するとはな!あんまし目立つの好きじゃないだろうに。友達に誘われたか?」
「誘われたって言うより友達が出るからみたいな感じですね」
会長が言う様に俺はあまり目立つのは好きじゃない。注目され過ぎて良いこと何てあんまり無いだろうし。
「そうかそうか、良い友達なんだな一緒に出たいって思う位の」
「そう…ですね、良い奴だと思いますよ」
会長にはいじめの事は伏せておこう。
小学生の時は本当に子供のいじめだったが
高校生にもなれば事情が複雑だ。
それに俺がいじめられてる訳じゃなくて
しかも俺とは違い女子だしな。
しかもこの頃やっぱり疑問に思う。
立花は春川を本当にいじめてるのか?
いや、端から見たらいじめてるんだが
何か事情でもあるのか、素の立花がいじめをするとは正直思えないし春川もなんだか様子がおかしいような…
「おいコウ、終わったんならあがって良いぞ」
「これ最後なんで終わったら、帰ります」
会長に返事をしながら最後の荷物を片付ける。
何時もより、かなり早いが会長が終わりと言えばこのジムは終わりなのだ。
それくらいのこのジムでの会長は絶対な所がある。みんな会長を慕って来てる人が大半だ。
さて、俺も終わったし帰ることに。
「それじゃあ会長!お疲れ様でした!」
「おう、気をつけて帰れよ」
帰りに会長へ挨拶して家に帰る。
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