第6話

 キーンコーンカーンコーン


「それじゃあ、明日までに提出しろよ」


「起立、礼」


 よし、いよいよ放課後だ。

 勝負の時。


「おーい田中~どうすんの?自習室行く?」


 なんだなんだ、女王も乗り気だな。

 これは友達作戦成功が見えてきたな。


「そうだね、自習室でお願い。」


「おっけー。じゃあいこっか。」


 ちょっと周りがざわざわしてる。

 注目を浴びるってのはこんな感じか

 あんまなれないな。

 俺は立花の後を自習室まで歩いて着いていく


「てかさー普通にビビったんですけど。

 いきなり田中に話しかけられて。あたし達

 別に繋がりないっしょ?」


「あーうん、そうだね立花さんは目立ってるけど、俺は地味で目立たないしね」


「わかるー!田中って陰キャだもんね!」


 やべえぞこの女、手を叩きながら大爆笑で

 俺の事を陰キャ呼びだ。

 陽キャこええ。


「さて、ついたよ田中、中はいろっか」


「…そうだね」


 さっきの陰キャボ呼びで結構なダメージ受けたな俺…


「で、何よ話って」


 よし、本題だ。行くぞ俺。


「うん、実はね立花さんに言いたい事があって」


「あー付き合ってとかなら、あたし無理だから。まずまず田中タイプじゃないし」


 誰もそんな事思ってねーよ。


「いやいや、全然違くて実はさ…」







 いくぞ俺!










「俺と友達になってください!」


 よし!言ったぞ!


「へ?あたしと田中が?友達に?」


「そう、俺と立花さんが」


「普通に無理だけど。」


 普通に無理ってなんだよおおおおお


「え、なんで?」


「いやまずさ、田中の事一個も知らないし

 あ、陰キャなのは知ってるけど」


「それにあたし男友達とか要らないんだよね

 面倒臭い事になんじゃん絶対」


「面倒臭いって?」


「いやいや童貞かよ。男女の間に友情なんて

 出来ないでしょ。ってか絶対田中があたしの事好きになんじゃん」


 ならねーよ


「ならねーよ」


「はぁ?失礼くない?」


「あ、いやごめんそう言う意味じゃなくて」


「どう言う意味だよじゃあ」


 立花さん目が怖いです。


「人気者の立花さんと俺なんかが釣り合うわけないでしょう…」


「まあそれはそうだけどさー」


 さっきとは、うってかわってニヤニヤしながらこっちを見てる立花。

 こいつまじでちょろいな、大丈夫か?


「だから人望厚い立花さんに友達になってほしくてさ」


「うーんでもマジ要らないんだよね悪いけど」


「そこを何とかお願いしたい。」


「無理だって。あんましつこい男は嫌われるよ?」


 あぁ、だめか…作戦失敗か。

 その時立花がニヤニヤしながら話し始めた。


「てかそんなにあたしと友達になりたいのかよ、田中」


「そうだね、なりたいよ」


「まあ無理だけどそんなになりたいかー

 そーだなー友達料金でも貰えば考えてもいいけど」


 友達料金?なんだそれは陽キャの新用語か?


「と、友達料金?」


「そそ、友達やってあげる代わりにお金ちょーだいって事。まあ冗」


「いくら払えば?」


「え?いや冗談」


「い・く・ら!」


「い、一万?」


「月に?一万?」


「う、うん」


「わかった。払おう」


「え、マジで言ってんの?」


「俺に二言はない。はい一万」


 財布から一万を立花に渡す。


「これで俺たちは友達だ!よろしくな立花」


「う、うんよろしく田中」


 よし成功だ。


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