第9話 逆襲の鉄拳

第9話『逆襲の鉄拳』

レスト「ゲジョウ!お前を全力で叩き潰す!」

「鉄魔法:スティールスクリュー!!」

ゲジョウ「おぉっとその鉄で私を抉ろうというんですかぁ?怖い怖い」

ゲジョウはひょいっと躱した

レスト「くっそ!これはどうだ!」

「鉄魔法:スティールブロウ!!」

ノイズ「おおっとレスト選手が殴る殴る殴る!

しかしその攻撃を軽々とかわしていく!」

ゲジョウ「当たりませんよぉ?ぐふふ」

レスト「ちょこまかと!!」

「鉄魔法:スティール…ごふっ」ドサッ

ノイズ「おっと!?どういうことでしょうレスト選手が血を吐いて倒れましたこれは一体」

ゲジョウ「ぐふふ…ようやく効いてきたようですねぇ」

「毒魔法:スィンポイズン」

ゲジョウ「うす〜くうす〜く広げた毒は少しずつ相手の身体を蝕んでいくんですよぉぐふふ。まぁ私はこの魔法しか使えないんですけどねぇ…」

レスト「ごばっごぼぁ、はぁ…はぁ」

ゲジョウ「あなたの家族も気の毒でしょうなぁ

息子がこんなに苦しんでいるのに何も出来ないことがぐふふっ」

レスト「はぁ…なぜごんなごどをじだんだ…ゲジョウ!!」

ゲジョウ「ぐふふぅ金ですよぉ無属性の冒険者という貴重な研究材料を我らがカジャラクタに献上する事で報酬として大金が手に入るぅぅぐふふ」

《フェンガルド王国 王宮 国王の間》

グレン「カジャラクタ…テンマが言ってたことは

本当だったのか!すぐに捕まえなければ!」

ガルデン王「まてグレン!」

グレン「王よ待ってられません!」

ガルデン王「このまま行ったとしても会場の人が人質にされてしまうかもしれん」

ラルダ「そうだよ落ち着きなよグレン」

グレン「ラルダ!貴様いつから!」

ラルダ「よく考えてみてよ相手は毒を使って会場にいる人を人質に取ってる可能性が高い。死者を出すのは国にとっても良くないことだよね?」

グレン「くっ!ならどうしたらいいんだ…」

ラルダ「まぁ、他人なんてどうなってもいいんだけど」

ガルデン王「うむ…この試合が終わるまで待機せよグレンよ」

グレン「分かりました…王よ」

《フェンガルド王国 闘技場》

レスト「エルザはなんで…?」

ゲジョウ「あぁ…あなたを勝たせるためですよぉだってあなたは去年私を殴りに殴ったじゃないですかぁ!!許せないんですよぉ!?私のキャリアに計画に!!傷が付いたじゃありませんかぁ!」

ノイズ「ゲジョウ選手が行動できないレスト選手を一方的に蹴り飛ばしていく。流石にこれ以上は見てられません!」

ヒョウカ「レスト!しっかりしなさいよ!テンマの仇を討つんでしょうが!」

レスト「ぞんなごどのだめに人をあいつをエルザをごろじだのが!許さん!!ぐおぉぉぉぉ」

ノイズ「なんということだ!レスト選手が底力を振り絞って起き上がったぞ!」

ゲジョウ「しぶとい人ですねぇぐふふ」

レスト「鉄魔法:リベリオンラッシュ」

「これで殺してやる…」

ノイズ「おっとこれは両手を鉄に変えてさらに巨大化させた魔法だぁぁ」

ゲジョウ「や、やめてくれよぉ。」

レスト「やめない」

ゲジョウ「あ、お、お前にた、大金を積んでやろう」

レスト「いらない」

ゲジョウ「いいのかぁ?お前の家族がどうなっても」

レスト「しらない」

ゲジョウ「私はまだ死ぬ訳にはいかないんだ審判

この試合棄権する!…」

ノイズ「ゲジョウ選手の棄権により勝者レスト選手です!」

レスト「ゲジョウ殺す!!」

ノイズ「レスト選手止まってください!もう試合は終わりました!」

レスト「ゲジョウ!ゲジョウ!!」

レストがゲジョウに拳を当てようとした時

ガキン!!グレンとラルダが巨大化した拳を止めた。

グレン「レストそれ以上はお前がやる事じゃないお前の拳は守るための物だろう?」

レスト「ふぅ…ふぅ」

レストの拳が収まっていく

ゲジョウ「ぐふふ!やっぱりお前はバカなんだよぉ。誰も救えない。この毒だってもうじき会場中に回る!」

グレン「ラルダ!!頼む!」

ラルダ「僕は人が嫌いなんだ信じるに値しない…だけど自分の国を好き勝手に使われるのは許せない」

「風魔法:アマツカゼ」

風に乗って毒が空高く上がり分散して消えていった。

グレン「ラルダありがとな」

ラルダ「別に」

ゲジョウ「そんなぁ…私の計画がぁ」

グレン「ゲジョウ・ロッカお前を国家侵略罪として逮捕する」

レスト「ゲジョウ、罪を償え」

ゲジョウ「いやだ捕まりたくないぃ」

ドォォォン

会場の上に巨大な戦艦が現れ人が降りてきた

ノイズ「なんだあの巨大な物体は!」

謎の観測者「これはウチの者が失礼したね」

ゲジョウ「おぉ!クロウリー助けてください」

クロウリー「ゲジョウ早くカジャラクタに帰りたいかい?」

ゲジョウ「も、もちろんだとも!」

クロウリー「でも、あのお方は任務を必ず遂行する方なんだよ分かるよね?」

ゲジョウ「あ…」

クロウリー「と、言うわけでフェンガルドの皆さん取引をしよう!」

グレン「取引だと?」

クロウリー「そうそう、君たちの国にいる無属性の冒険者わかる?」

グレン「テンマか」

クロウリー「その人とても貴重な研究材料なんだよね。だからさ、くれない?」

グレン「渡すものか!」

クロウリー「いいのかなぁこのままだと彼死んじゃうよ?」

グレン「死なせない!きっと他にも方法が…」

クロウリー「無理だよカジャラクタにしか生えないヒスイ草じゃないと治せないよ」

グレン「くっ」

テンマ「グレンさん…ごぼっ」

グレン「テンマ何故ここに」

ゲン爺「止めたんじゃが聞かなくての」

テンマ「僕がカジャラクタに行くのにもう1つ条件を付けてください」

クロウリー「んー?なにかな」

テンマ「はぁ…ぐっ…レストさんの家族をフェンガルドに帰してあげて下さい…」

クロウリー「お安い御用だよぉ」

ヒョウカが駆け寄って来た

ヒョウカ「テンマ!何言ってんのよ!あんたが一緒だから冒険者になったのに。なのに」

レスト「そうだ…テンマお前が俺のためなんかに向こうに行くことはないんだ」

テンマ「レストさんヒョウカ僕はこの国が大好きです。必ず戻ります。信じて待っててください」

ヒョウカ「テンマ!行っちゃだめ!」

テンマ「ヒョウカまた一緒に冒険しよう」

ヒョウカ「いや…いやぁぁ」

グレン「テンマ…」

クロウリー「さぁてお別れは出来たかな」

テンマ「はい」

クロウリー「じゃ行こうか!あ、そうだゲジョウ君はもう用済みだってさ。生きてたらまた会おうね」

ゲジョウ「ふぇ…そ、そんな…」

テンマ「はぁ…はぁ…皆さんお元気で!」

カジャラクタの戦艦はテンマを乗せて国に戻って行った。

ラルダ「ほら、立つんだゲジョウ、爺さんも来てくれるかな記憶を読んで欲しいんだ」

ゲン爺「うむ…」

ヒョウカ「そんな…うぅ」

レスト「絶対助けるからな…テンマ」

グレン「己の弱さがここまで身に染みるのはいつぶりだろうか…クソっ!」

ノイズ「たった今事件が起こった模様です。

一旦魔道大会は中止となります。会場の皆さんはお気を付けてお帰りください」

そして一夜が明けた頃ヒョウカ達は王宮に呼ばれた

この国に起きた事件の真相を明かす為である。

《フェンガルド王国 王宮 国王の間》

ガルデン王「皆の者この事態によく集まってくれたグレンよ報告を頼む」

グレン「かしこまりました王よ。皆の者ゲン爺の記憶交渉の魔法でカジャラクタの陰謀が明らかになった。まずシャルー村を襲ったデルタスパイダーの親玉デルタキングに薬を与え生み出したのはクロウリーという男だ」

ヒョウカ「……」

グレン「そしてゲジョウに命令をしてレストの家族を連れ去ったのも同一の男だ」

レスト「くっ…」

グレン「そして、エルザ・ローズを死に至らしめたのもクロウリーだ」

レスト「あぁ…」

グレン「そして最後にテンマに毒を盛り交渉を持ち掛け連れて行ったのも全て敵国カジャラクタの陰謀だった」

ガルデン王「うむ…今回の件は由々しき事態である。よって我が国は侵略国家カジャラクタに対し武力行使を行うこともやむを得ないと思っている」

レスト「戦争か…」

ヒョウカ「私達も戦いたい」

グレン「ダメだ命を賭けるのは俺たちだけでいいお前たちは冒険者。立派に守られる側なんだぞ」

ヒョウカ「このまま黙ってみてられないわよ!」

レスト「そうだ!俺達はテンマを助けるんだ!

頼むグレン兵士長」

グレン「しかし…」

ラルダ「いいんじゃないかい?」

グレン「ラルダまたそんな勝手な事を!」

ラルダ「わざわざ死にに行こうとしてる人を止める義務僕らにある?それって国の仕事かな?」

ガルデン王「おぬしらの気持ちはよく分かるそうだな。よし!決めたぞ戦争には参加してもらおう」

グレン「王よ!」

ガルデン王「必ずテンマを救い出すのだ!」

ヒョウカ、レスト「はいっ!」

ガルデン王「これより我が国は戦争の準備に入る。皆の者覚悟を決めよ!」

全員が敬礼をした。

そして皆が戦争の準備に入りこれから大きな戦争が起きようとしていた。この先の戦いの行方は

一体どうなるのだろう。 第2章へ続く

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