第7話 開戦

第7話『開戦』

大魔道フェスティバル当日

《フェンガルド王国 闘技場控え室》

レスト「兵士長が許してくれたのはテンマ達のおかげだありがとう」

テンマ「いえ、レストさんの誠意が伝わったんですよ!」

時は遡ること2日前

《フェンガルド王国 ギルド》

ドタドタドタ

ガチャン

グレン「ここか!脱獄犯がいる所は」

クエスト嬢「はぁ…あっグレン様」

グレン「大丈夫か?」

クエスト嬢「私は大丈夫ですが先程テンマ様達が脱獄犯と共にクエストに向かわれました…」

グレン「なんだと!」

グレンの心の声「また巻き込まれたのか」

ガチャン

グレン「ん?テンマか」

テンマ「あ、グレンさん丁度よかった」

グレン「テンマ、後ろに居るのはまさか…」

テンマ「レストさんです!」

グレン「見つけたぞ脱獄犯!!包囲しろぉぉぉぉ!」

レストはあっという間に囲まれた

ヒョウカ「やっぱりこうなっちゃうのね」

レスト「うぉぉなんだお前ら」

グレン「レスト・ウォーガーだな?身柄を

拘束させてもらおうか」

テンマ「グレンさん!」

グレン「なんだ!!」

テンマ「一度レストさんの話を聞いてもらえませんか?」

グレン「牢獄でいつでも聞けるだろう」

テンマ「グレンさん!今しかないんです

お願いします。」

グレン「どういうことだ…仕方がない

説明してもらおうかレスト・ウォーガー」

テンマ「ありがとうございます!」

レスト「かたじけねぇグレン兵士長実は…」

レストは事の経緯を全て話した

グレン「なんだと!そんな事が…」

テンマ「そうなんです」

グレン「ゲジョウか…確かに昨年の大会は

不戦勝が多かったな」

テンマ「どうしてもレストさんに大会に出てほしいんです!」

グレン「しかしだ!脱獄したのは事実だからなぁそれに大会の枠はもう埋まってるんだぞ」

レスト「なんだと…」

テンマ「だったら僕の枠を使って下さい!」

レスト「お前…いいのか?」

グレン「ダメだ。ガルデン王もテンマの闘いには大いに期待してるんだ」

レスト「そうだよな…」

テンマ「僕から王様に掛け合います!」

グレン「そうまでしてなぜ脱獄犯をかばうんだ」

テンマ「レストさんは嘘をついてません!

正直者が馬鹿をみるなんて酷いと思うんです。」

グレン「…分かったそこまで言うなら

俺がガルデン王に直接話しといてやる」

テンマ「ほんとですか!」

グレン「あぁ!」

レスト「まじか…マジで話が通じたんだな」

テンマ「レストさん良かったですね!」

レスト「お前のおかげだありがとうテンマ」

ヒョウカ「はぁ、良かったぁ」

テンマ「やったぁぁぁ」

《フェンガルド王国 闘技場控え室》

そして今に至る

アナウンス「これより第1回戦を行います

出場者は大広間にお越しください」

ヒョウカ「いよいよね」

テンマ「レストさん!頑張って下さい!」

レスト「おうよ!」

レストの心の声「待ってろよゲジョウ…」

ノイズ「わたくし実況を努めさせていただく

ノイズと申します。では、1回戦開始します」

「いきなり登場するのはこの男百戦錬磨の強者。

モサ・ルンドォォォ!!」

モサ「ウォォォォォ!!」

ノイズ「対する相手はなんと去年国を騒がせた脱獄囚レスト・ウォーガー!!」

観客「脱獄囚なんて倒しちまえぇぇぇ」

モサ「随分と嫌われてるなぁ脱獄囚」

レスト「…必ず勝つ」

ノイズ「観客からはブーイングの嵐です!」

テンマ「レストさん頑張れ」

ノイズ「では、開戦ですっ!」

モサ「俺から行くぜぇぇ!!」

「岩魔法:ロックブロウゥゥ」

ノイズ「出ました!モサ選手の十八番

ロックブロウだぁぁぁ!!」

レスト「グハッ」

モサ「どうしたどうした脱獄囚よぉ」

レスト「ふぅ、なんて事ない。次はこっちから行かせてもらう」

「鉄魔法:スティールボム」

ノイズ「おおっと上から無数の爆弾が降り注ぐぅぅぅぅ」

モサ「グッ!」

レスト「まだまだ行くぞ!」

「鉄魔法:スティール…」

モサ「甘いわ!!」

レスト「!?」

モサ「岩魔法:ロックフェスタ!」

ノイズ「これは沢山の岩がモサ選手を覆って

いる。そして周りには無数の石が浮いているぅ!」

レスト「これは…」

モサ「そうだ!これはな俺を守りさらに攻撃も出来る最強の魔法だ!」

レスト「グサッ!グフゥ…」

ノイズ「ジワジワとレスト選手の生命力を奪っていく!」

レスト「こんな所で負けるわけには!」

「鉄魔法:アタックメタルバフ」

ノイズ「おおっとレスト選手、身体強化の魔法だァァこれは攻撃力を上げる魔法みたいですねぇ」

レスト「負けるわけにはいかん!!」

「鉄魔法:スティールブロウ!」

ノイズ「鉄の拳を作ったぞぉぉ」

レスト「ウォォォォォ!!」

モサ「まさかお前そのまま突っ込んで、だが俺の守りは最強の…」

レスト「残念だったな!相性が最悪だぜ」

モサ「グァァァァァ…」ドサッ…

ノイズ「なんと勝ったのはレスト選手だぁぁぁ」

モサ「岩と鉄じゃそりゃそうか…」

レスト「いい勝負だったまたやりたい」

モサ「ふっははは望むところだ」

ノイズ「さぁ、そしてほかの所も勝負がついたようです。今の結果はこのようになっております。」

レスト「やはり勝ち上がったかゲジョウ」

ノイズ「皆さん次の試合に備えて下さい」

テンマ「勝ちましたね!レストさん」

レスト「おぉ!テンマ!おかげさまでな」

ヒョウカ「でも次の試合もそうは行かないわ」

レスト「分かってる第2試合は魔樹姫だからな」

テンマ「まじゅひめ?」

ヒョウカ「そうよ、樹魔法の使い手で有名な貴族」

テンマ「そうなんだ」

レスト「まぁ、なんだ、まずは腹ごしらえだ

この近くの店で昼にしよう」

ヒョウカ「そうね」

テンマ「よし、行こう!」

《フェンガルド王国城下町 マンプク食堂》

周り「クスクス、あれ脱獄囚よ」

「ほんとだやぁねぇ」

テンマ「レストさんは悪くないのに」

ヒョウカ「気にする必要は無いわそれで次の

魔樹姫だけど」

レスト「おう」

ヒョウカ「策はあるの?」

レスト「全く!まぁ、なんとかなるだろ」

ヒョウカ「自信満々に言わないでよ」

???「失礼?ここいいかしら」

テンマ「えっと良いですけどどちら様ですか?」

???「あら?私を知らない?」

ヒョウカ「あんたは、魔樹姫!どうしてこんなとこに」

???「ふふふ、魔樹姫ことエルザ・ローズです。以後お見知り置きを」

エルザ・ローズはお淑やかで華奢な体つきをしておりとても優しそうな雰囲気の女性だった。

レスト「次の対戦相手の俺とつるんでていいのか?」

エルザ「えぇ構いません。むしろ貴方がどういう人物か測りに来ましたの」

レスト「測りに?」

エルザ「樹魔法:ツリークロスエネミー」

レスト「うぉっ何しやがる!」

レストの体を樹が包み込んだ

エルザ「ふむふむなるほどですわ。」

レストは樹から解放された

ドタッ…

レスト「痛ってぇ」

エルザ「すみません貴方のことを知りたくて少し測っていましたの。少なくとも貴方からは悪いマナは感じなかったですわ。」

レスト「そりゃそうだろ」

エルザ「ふふ…対戦楽しみにしておりますの

それでは失礼しますね。」

エルザは帰っていった。

レスト「なんだよったく」

ヒョウカ「まぁ、良かったんじゃないの?魔樹姫のあの魔法は悪いやつかそうじゃないかの区別をする魔法みたいだったし。」

レスト「まぁな…」

テンマ「レストさん次の戦いも頑張りましょう!」

レスト「おう!」

そして、一夜明けて

《フェンガルド王国 闘技場》

レスト「よぉ!昨日ぶりだな!」

エルザ「えぇそうですわね…たとえ良い人だとしてもこの勝負負ける訳には行かないのですわ!」

レスト「俺も同じだ!負けねぇぜ」

ノイズ「引き続き実況は私ノイズがお送りします!」

観客「頑張れ魔樹姫ぇぇ!!倒しちまえぇぇ!」

ノイズ「やはりブーイングが絶えません!」

エルザ「貴方も大変ですわね」

レスト「まぁな」

エルザ「では行きますわよ!」

レスト「おう!全力で来い!」

ノイズ「それでは第2回戦。始め!」

《フェンガルド王国 闘技場控え室》

???「ぐふふ…無属性の冒険者かぁ。ぐふふこれにこれを混ぜれば不思議な事に毒呪水の完成だぁ。ぐふふ」

謎の観測者「守備は上々かい?ゲジョウ」

ゲジョウ「ぐふふ大丈夫ですよぉ?この水を無属性の

冒険者に飲ませればいいんでしょう?簡単ですよぉ

ぐふふ」

謎の観測者「あと喋り方気持ち悪いよ」

ゲジョウ「ほっといてください。ぐふふ」

謎の観測者「では、よろしくねゲジョウ。我らが

カジャラクタに栄光あれ」

ゲジョウ「栄光あれ、はぁぁ…楽しみですぅ大金が手に入るのが。ぐふふ」

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