第6話 祭りの始まり
第6話『祭りの始まり』
《フェンガルド王国 王宮 国王の間》
グレン「お連れしましたガルデン王」
ガルデン王「よく来たな無属性の使い手よ」
テンマ「初めましてテンマ・ウディレードと言います」
ガルデン王「うむ。」
ヒョウカ「初めまして…」
ガルデン王「お主がヒョウカ・ノーツだな?この度は誠にすまないことをしたな。
村の復旧に国も尽力させてもらおう
本当にすまなかった」
ヒョウカ「分かりました…」
ガルデン王「うむ!」
グレン「ガルデン王…実は先日のデルタキングの件ですが元は普通のデルタスパイダーだと思われます。」
ガルデン王「なるほど」
グレン「それと弱点をカバーする薬を使っていた所を見ると裏に誰かが居ると思われます。」
ガルデン王「なんと!そうであったか
大魔道フェスティバルも近いというのに。」
グレン「そうですね…」
ガルデン「こんなタイミングであれだが
テンマよ!そなたには大魔道フェスティバルの魔道大会に参加してもらおうと思う。」
テンマ「大魔道フェスティバル?」
ガルデン王「あと3日で大魔道フェスティバルが開催されるそこに出場してもらいたいのだ!簡単に説明しよう。
大魔道フェスティバルとは1年に1回開催される魔法の祭典!城下街には沢山の出店が立ち並び、この王宮では闘技場に国中の強者たちを集め今年のチャンピオンを決めるのだぁちなみに開催期間は1週間!というわけで私はおぬしの力が見たいのだ!やってくれるか?」
テンマ「いいですよ!」
ガルデン王「本当か!今年は楽しみだな!
ワハハ」
グレン「引き続き私達は先の件に関して調査を行います!」
ガルデン王「うむ頼んだ。では、また楽しみにしておるぞ」
テンマ「はい!」
《フェンガルド王国城下町》
グレン「まさかテンマが魔道大会に呼ばれるとは頑張るんだぞ!」
テンマ「はい!グレンさん」
グレン「私はこれから他の六闘志に用があるのでまたな!」
テンマ「はい!」
ヒョウカ「テンマこれからどうするの?」
テンマ「とりあえずお腹空いたからご飯食べに行こう。」
《フェンガルド王国王宮 風の間》
ラルダ「おや、どうしたんだい?グレン」
グレン「……ラルダ!!」
グレンがラルダを殴った
ラルダ「…痛っなにするんだ!」
グレン「シャルー村壊れてたぞ…貴様のせいで救助が遅れたんだぞ…一国の兵士長を務めている者が…こんな事あっていいはずがない!この責任はどう取るのだ!」
ラルダ「責任?そんな事知らないなぁ
兵士長なんてなりたくてなった訳じゃないし。」
グレン「じゃあ今すぐやめろ!」
ラルダ「そう熱くなるなよ決めるのは王様だろ?」
グレン「くそっ!」
グレンが部屋を出た。
ラルダ「はぁ…人を信じるねぇ」
《フェンガルド王国 王宮 国王の間》
グレン「ガルデン王!!」
ガルデン王「どうしたんだグレン」
グレン「ラルダをすぐに除隊してください!アイツのせいでシャルー村への救助が遅れたのです!」
ガルデン王「それはできない」
グレン「何故ですか!アイツは人を信じてないんですよ!」
ガルデン王「分かっておる。だがラルダの力はこの国に必要なのだ分かってくれ。」
グレン「くっ…すみません失礼しました」
扉を閉めた
ガルデン王「ラルダよおぬしは…」
その頃テンマ達は
《フェンガルド王国城下町 マンプク食堂》
テンマ「うまい!なんてうまいんだ!」
ヒョウカ「アオドリの唐揚げよ!テンマ食べたことないの?」
テンマ「ないよ!すごい美味しいよ!」
ヒョウカ「ふ〜ん」
店の客A「ねーねー知ってる?脱獄囚の話」
店の客B「あっそれ知ってる!去年の
魔道大会で勝負のついた相手を必要以上に殴って半殺しにまで追いやって投獄されたっていう恐ろしい男の話でしょ?」
店の客A「そうなのよ!でね、その男が刑務所から脱獄したらしいのよ。怖いよね〜」
店の客B「そうだよねー」
テンマ「ヒョウカ。外歩く時は気をつけないとな」
ヒョウカ「そうね」
テンマ「じゃあそろそろクエストでも行きますか!」
ヒョウカ「えぇ」
《フェンガルド王国 ギルド》
テンマ「このクエストなんかどう?」
ヒョウカ「シロナミ平原のドデカスライム一体の討伐ね。いいんじゃない?」
テンマ「よし!これで行こう!」
カランコロン
クエスト嬢「いらっしゃ…あ、あなたは」
テンマ「ん?」
とても大柄で筋肉質な男が入ってきた
ギルドの冒険者達「アイツって…ヤバいだろ確か去年の魔道大会の…脱獄囚だぁぁぁ逃げろぉぉ」
ヒョウカ「ちょっとやばくない?逃げましょうよ」
テンマ「いや、大丈夫!クエスト嬢でさえ頑張ってるんだ僕達も普通にしてよう」
ヒョウカ「テンマ強くなってる気がする」
テンマ「ん?そうかな」
クエスト嬢「いらっしゃいませどのクエストがいいでしょうか」
ドンッ!!
クエスト嬢「ひぃ…あっあの」
???「お前が選べよ…」
テンマ「僕達はいつも通りクエスト受けよう」
ヒョウカ「えぇ…あっでも待ってこれって
参加人数3人って書いてあるわよ」
テンマ「ほんとだ!どうしようかな…
誰か誘おうかな」
ヒョウカ「でも、脱獄囚の事で人が居なくなってるわよ。」
テンマ「んー辞めとくか」
ヒョウカ「そうね」
???「ちょっと待て!」
テンマ、ヒョウカ「はい…?」
???「俺も連れてけ。それで3人だろ」
ヒョウカ「ボソッどうすんのよ!」
テンマ「ボソッいやぁはは」
???「ボソボソうるせぇ!いいから連れてけ」
テンマ「は、はい」
ヒョウカ「ボソッ前言撤回よわっ…」
テンマ「ボソッすみません…」
クエスト嬢「このクエストでいいですね」
テンマ「お願いします」
クエスト嬢「分かりました!お気を付けて
行ってらっしゃい。」
《ハクトの森》
ヒョウカ「シロナミ平原はこの森を抜けると見えてくるのよ」
テンマ「へー」
???「…」
テンマ「さっきから喋らないけどどうされたんですか?ガタガタ」
???「お前震えてんなそんな怖がんなくていいんだぜ?あと敬語もいらねぇ」
テンマ「あのあなたの名前は」
???「俺はレスト・ウォーガー」
テンマ「レストさん」
レスト「おう!お前らは?」
ヒョウカ「ヒョウカ・ノーツよ」
テンマ「テンマ・ウディレードです」
レスト「よろしくな!」
ヒョウカ「ほら森を抜けるわよ」
テンマ「おぉ…なんて広い平原なんだ」
《シロナミ平原》
レスト「おい!お前ら居たぞ」
ヒョウカ「こいつがドデカスライムって…
デカすぎじゃない!?」
テンマ「でけぇ!」
ドデカスライムはとても大きいスライムだ
レスト「よっしゃ!倒すぜ」
レストはナックルを装備した
テンマ「レストさんナックルなんですね」
レスト「おうよ!うぉらぁぁ!!」
ヒョウカ「ちょっと全く効いてないじゃない!」
レスト「なんだこいつ!」
ドテカスライムは怒ってレストに体当たりした
レスト「おわっ」
ドッシャーン
テンマ「レストさん!」
レスト「お前ら気をつけろこいつ…強え」
テンマ「土魔法:サンドフィスト!」
土を拳に纏って殴ったしかしドテカスライムには効いてない
テンマ「柔らかくて全然ダメージが入ってる気がしない」
ヒョウカ「氷魔法:アイスパージ」
テンマ「細かい氷の粒が上から降り注ぐこれなら!」
ドドドドドン!
ヒョウカ「ウソ!弾かれた」
ドテカスライムが上からプレスしてくる
ズゥゥゥンドォォォン
テンマ「うぁぁぁぐはっ!」
ヒョウカ「はぁはぁだめ、強い!」
レスト「あぁ!コイツァ尋常じゃねぇな」
ヒョウカ「どうする?断念する?」
レスト「バカ言うんじゃねぇ!俺は逃げることが1番嫌いなんだ!」
ヒョウカ「ならどうすんのよ!」
レスト「考えがある。お前のさっきの魔法アイスパージをもう1回使ってくれ」
ヒョウカ「え、その後は」
レスト「その後はなんとかなる。お前は
注意を引き付けてくれ」
テンマ「はい!こっちだ!ドデカスライム」
ヒョウカ「行くわよ!
氷魔法:アイスパージ」
氷の粒が降り注ぐ!
レスト「鉄魔法:コーデスティール」
テンマ「氷が鉄にコーティングされていく、そういう事か!氷は!」
ヒョウカ「鉄の弾丸になり!」
レスト「降り注ぐ!」
テンマ「やった!貫通した!」
グォォォォォンシュゥゥゥ
ドテカスライムは倒れた
レスト「ふぅ倒したぜ!」
ヒョウカ「やったじゃない!」
《シロナミ平原 夜》
レスト「すっかり夜になっちまったなここらで野宿でもするか」
テンマ「そうですね」
ヒョウカ「はぁー疲れたぁー」
レスト「ところでお前らはなんで冒険者になったんだ?」
ヒョウカ「苦しんでいる人を少しでも多く助けるためよ」
レスト「それなら兵士でもよくねぇか?」
ヒョウカ「だめよ、兵士だと国のルールに従って動くから守れるものも守れなくなっちゃうわ」
レスト「自由じゃねぇってことか」
ヒョウカ「えぇ」
レスト「お前は?」
テンマ「僕は…あっ、それよりレストさんって罪を犯したんですよね…なんでそんな事したんですか?」
レスト「あぁ、その話かどこまで聞いた?」
テンマ「去年の魔道大会で勝負の決まった相手を必要以上に殴った所までです」
レスト「あぁ、その話は本当だ」
テンマ「どうしてなんですか?レストさん
さっき逃げることが嫌いだって言ってたじゃないですか!なんでそんな人が」
レスト「あれは去年の魔道大会準決勝の時
相手はゲジョウという男だった…
アイツは俺と戦うまで不戦勝で勝ち進んでた男だった。」
テンマ「はい」
レスト「何故不戦勝なのかはすぐに分かったアイツは金で相手を買ってたんだ」
テンマ「八百長ですか」
レスト「俺はもちろんアイツからの誘いを断り準決勝に望んだんだ。そしてアイツは勝負をわざと負けた」
テンマ「だから殴ったんですか?」
レスト「そんな事で俺は殴らん!だがアイツは勝負がついた後俺にこう言ったんだ
お前の家族がどうなっても知らないって」
テンマ「レストさんの家族って」
レスト「俺の家族はカジャラクタに居るんだ」
テンマ「カジャラクタ?」
ヒョウカ「今いる場所がフェンガルド王国
そして隣にあるのがカジャラクタ王国よ」
テンマ「どういう国なの?」
ヒョウカ「侵略国家よ…」
レスト「そうだ俺の家族はカジャラクタに捕まってる」
テンマ「ていう事はまさか!」
レスト「アイツが家族の事を知ってたって事は…」
ヒョウカ「そのゲジョウって男、敵国のスパイね」
レスト「あぁ!だから俺はキレて殴っちまったんだ」
テンマ「それって国に言わなくていいんですか?」
レスト「無理だったんだ罪を犯した俺の声は誰にも届かない」
ヒョウカ「そうね」
テンマ「だから脱獄したんですね」
レスト「そうだ今回の魔道大会に出場して
アイツを牢屋にぶち込んでやる!」
ヒョウカ「でも、そいつが出場するとは限らないじゃない」
レスト「いや、アイツがまだこの国に居るならきっと1番情報が集まる魔道大会には出て来るはずだ。」
ヒョウカ「あなたは脱獄犯よそんな事して
いいと思ってるの?」
レスト「まぁ、そうだよな」
テンマ「いや!出場しよう。だってこんなのおかしいよ!」
ヒョウカ「分かるけどでも!」
テンマ「明日グレンさんに頼んでみよう」
レスト「兵士長にか!?」
テンマ「大丈夫です!必ずレストさんの無実を晴らします!」
レスト「まだ出会ったばっかりなのに
お前いいやつだな…頼む!」
テンマ「はい!」
ヒョウカ「はぁ…どうなっても知らないわよ」
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