第49話 ヒュージスライム狩(1)
ヒュージスライムを狩るにはヒュージスライムを見つけなければなりません。
移動の痕跡から見れば、既に小山以上に大きくなっているのは間違いないでしょう。
見つけるのは山の様に大きなスライムを探せば良いだけなので簡単に見つける事が出来るでしょう。
尾根伝いに探索していきます。
ところがたくさん見つけてしまいました、魔木を。
5本の魔木が1ワーク(1.5㎞)四方に居ます、見つけた以上採取するしかないので、片っ端から魔石を撃ちぬいたり、刃波で切り裂いて倒しました。
処理と後かたずけで夕方になってしまい、今日の探索はお終いにします。
この魔木達はヒュージスライムが通った道筋から離れた谷間に居たのでひょっとしたらヒュージスライムから逃げて谷間に群れていたのかもしれません。
今日の夕食はリブステーキだそうです。
ナミが魔木を倒した後、家(神域の部屋)へ帰ったのはこの肉をオーブンで焼く為だったそうです。
ナミとアイが運んで来たローストしたリブ肉の塊は20グラン(14㎏)は確実にある大きな塊です。
ナミが切ってくれたステーキは半グラン(約350g)はある大きさです、食べきれるでしょうか?
ソースは肉汁にバターやマヨネーズ、辛子とニラ葱に生クリームが入っているそうです。
辛みの在るソースでステーキを食べると食べきれるか心配していたのが噓のように全部食べてしまいました。
ただし他の食べ物はお腹に入りません、食後のお茶にしてもらいました。
私と妹以外はみんな結構食べているようで、姉ねはお肉のお替りをしています。
食後の今日の報告会は、ヒュージスライムと魔木の件で皆も魔木が谷間に大く群れていたのはヒュージスライムから逃げていたと考えるのはあり得るかもと賛成してくれました。
問題のヒュージスライムを見つける為、明日は山狩りになると思いますと言うと。
「飛空で空から探索して見れば」と姉ねが提案してくれます。
「魔木の採取は今日で終わりにしてヒュージスライムに専念する積りなので、飛空での探索は早く見つけるのに有効ですね」
「では見つけたとして、討伐はどのように行いますか」
レタが具体的な討伐方法を聞いてきます。
「私は核を見つけて、私のイオン粒子線で射貫くのが一番確実だと思います」
一番討伐として確実な方法を提示します。
「いや、それは最悪の事態を招きかねない」と姉ねが反対します。
「姉ねどうして最悪の事態になるのですか?」なんででしょう?分かりません。
「簡単な事だよ、核を破壊した魔物はどうなる?」と姉ねが聞いてきます。
「それは当然魔物の体が残る・・・」そうです、山のようなスライムの体が残されてしまいます。
「分かりました、腐ったスライムの肉が数年間ここに放置されると一帯が瘴気に犯されてしまいます」
腐った魔物の肉はアンデット化したり、瘴気の発生源に成りかねません。
少量でしたら、森ダンジョンに住む掃除屋の魔物(ゴブリン等)や虫達が食べてくれますが、小山のようなスライムの肉は処理できないでしょう。
ドロップ品ならたとえ肉でも放置して大丈夫なのですが、森ダンジョン外での討伐等で魔物の体が残る場合は処理をしないと、アンデットが発生したり、瘴気が発生して病気に成ったり、最悪新たなスタンビートの発生の引き金に成りかねません。
「そうするとヒュージスライムを普通に倒す必要が在りますね」アイも意見を出します。
「火球砲改2での集中砲火でずたずたに引き裂いて燃やせば倒せるかもしれません」
「三方から火球砲改2での集中砲火と私の空からの火球改2で倒しましょう」
私も考えた方法を言います。
明日の討伐はヒュージスライムを見つけた後、レタ、アイ、ナミの3人でヒュージスライムを囲む様に火球砲改2を設置します。
飛空で飛んだ私の火球改2魔術での攻撃を合図にヒュージスライムの体を削って行く作戦で決まりました。
食後の打ち合わせも終わって、寝る前にお風呂に入ります。
お風呂に入って姉ねの体を洗ってあげます、いつ見ても綺麗な体をしています。
「ねえ、姉ね私も姉ね見たいな綺麗な体付きになれるかなぁ?」
姉ねの背中から細い腰に掛けて泡立てたスポンジで擦りながら聞きます。
「ありがとう、でも此の体は鍛えているから筋肉質で細身だと思うよ」
「アイの様な女性的で胸も腰も出ている方が良くないかい?」
姉ねは自分の体が細いとお嘆きの様です。
「絶対、姉ね見たいなプロポーションが良いわ」と妹も私と同じ意見のようです。
「まぁ!ありがとうね、妹(いも)ちゃん、あなた達も少しづつ成長する・・・のかしら?」
姉ねは妖精族の成長の先を、シルアルビェッカ村で見ていますから、疑問を感じたようです。
妖精族は成長する人はある程度(数千年)年月がかかりますが、人並みにまで成長できます。
あくまでも成長する人はですが、大抵の妖精族は大人に成っても幼児体形に近い体つきをしています。
中には子供を産んで初めて妊娠していた事が分かった、などと言う話が在ったりします。
生まれる赤ん坊も小さいので、幼児体形っぽくお腹が出ている妖精族は見た目では妊娠が分からなかったと言うのです。
さすがに出産すると乳房は少し大きくなるそうです。
「私は人族だから、直ぐに姉ね見たいな体つきになるよ」と妹が言い張りますが、私と同じ体形でこの1年半の間少しも変化して無いので無理だと思います。
「い、いやよ、絶対姉ね見たいな体になるの!」と妹は涙ながらに訴えます。
私も姉ね見たいな綺麗な体付きに成りたいなぁ、見果てぬ夢でしょうけど。
妹(いも)ちゃんは今日は泣き寝入りしてしまいました。
うすうす感じていたようですが、今日はっきりと自分が妖精族と同じで成長がこのまま殆ど変化しない事を理解してしまったようです。
泣き寝入りした妹(いも)ちゃんもかわいいですね、そうと涙を拭いてあげます。
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