第46話 氷雪の森ダンジョン(5)

 昼からも魔木の採取は続き、2本を昼11時(午後4時)までに発見し採取出来ました。

 結局インベントリのカバンを妹が後2つ作ってくれたので、合計4つのカバンで魔木とウルの汁を入れたタンクをカバン2つづつ交互に使って採取しました。


 残るは後2日、これまでに4本、ウルの汁が450グッシュ(3150㎏)採取出来ています。


 一気に明日は6本倒して年間計画分ゲットしましょう。

 そう夕食の時に話すと、レタも賛成してくれた。

 「お嬢さま、今日最後に倒した魔木ですがその前の魔木と生息場所が近く感じました、明日は最後に採取した魔木が居た方向へ進めば多く居るかもしれませんです」


 レタが今日昼8時(午後1時)から採取した魔木2本が近かったのは群生地が近いのかもしれないと言っています。

 「そうですね、私も同じです、明日は北東へ進んでみましょうね」

 そうと決まればご飯を食べてお風呂に入って寝ろう。


 今日の夕食は私の好きな岩石パンの薄切りが出ていますね、薄切りにすると食べやすくて岩石パン独特の風味として酸味や苦みや良く噛む程に増す甘味などがバランス良く味わえて飽きないのです。

 定番と言って良いと思うゴロゴロ野菜の黒いソーセージ入りシチューです。

 あら黒いソーセージ?

 新しく黒いソーセージが出てきました、懐かしいクマの寝床亭を思い出します。

 「姉ね、ブラッドソーセージが完成したの?」


 「ああ、ソーセージに入れる香辛料に苦労したがこの頃やっと満足できる物が揃ってきたんだ」

 「此の血のソーセージだって脂身とニンニクやニラネギ、木の実に胡椒も入れてある、作ったら直ぐに湯がく事が味の決め手に成ったよ」

 昨日のベーコンに続いて今日はブラッドソーセージです。

 でも姉ねっていつ作っているのでしょう?

 今日はウルの汁を精製していましたよね?


 「簡単な事だよカスミ君、私には強い味方がいるからね」とふんぞり返る姉ねです。

 「妹ちゃんの世迷言を聞き過ぎたのでしょう、お手伝いロボットでも作りましたか?」

 そう言えば偵察バードを作るとき、妹ちゃんが土人形が如何の斯うの言っていたよね。


 「おや、知っていたのかい、そいつは残念だ」と姉ねががっかりした感じに項垂れます。

 今日はいやに芝居がかっていますね、疲れているのでしょうか、後で全身をもみほぐしてあげましょう。


 「ほんとにお手伝いしかできないけどね、一度教えればある程度応用が効いて力が強いんだよ」

 と姉ねが自慢します、結構自信があるようですね。


 「そうなのよ、AIの代わりに魔石の回路を使ってるけどね」と妹ちゃんが暴露します。

 どうやら2人がかりで作ったようです、私が作った魔石CPUチップを使っているようです。


 「私に黙って二人っきりでいいことして怒りますよ」と怒った振りをします。

 この頃泣き真似とか怒った振りとか騙す事ばかりしていますね、疲れているのかしら。


 あの泣き真似をして見せたのは、養母様と妖怪砂掛け婆達との暗闘によるとばっちりがあの無茶苦茶な仕事の押し付けになった事を理解したからです。

 養母様は騙されなかったでしょうけど妖怪砂掛け婆の手先は騙せたと思います。

 これで仕事の多さに耐えられ無くなった私がレタ達か情報部の誰かをオウレの町へ手助けに出す、と思ってくれれば狙い通りなのですが。

 そろそろレタ達オーナ姉妹を家(神域の部屋)から外へ出す頃合いですね。


 などと妖怪砂掛け婆達からの真綿で首を絞めつけるような圧力に気が滅入って居ると。


 「まぁ機嫌を直せよ、お風呂で髪を洗ってあげるからさ」

 と姉ねがうれしい事を約束してくれます、姉ねに抱っこされて髪を洗われるのは大好きです。

 「約束ですよ、後でダメとか認めませんよ」

 一応念を押して置きます、姉ねが約束を破ったことはありませんけど。


 「いいな、わたしも、わたしもいいでしょう」妹(いも)ちゃんが自分も洗ってと強請ります。

 「はいはい、娘二人だと大変だよ」

 とか言っています、なんだか幼児に成った気分です。


 そんな私と妹ちゃんを見て「夕ご飯を食べて、寝る前にお風呂でね」

 と姉ねが言います、なんだか姉ねと言うよりお母さんと言う感じです。

 それならそれで姉ねにとことん甘えましょう。

 ふふふ、覚悟してください姉ね母さん。


 食事の後、何時もの様に飲み物を飲みながら今日の反省会をします。

 「今日は3体の魔木を採取出来ました、氷雪の森ダンジョンの成果としては良かったと思います」

 私が今日の成果を報告します。

 「でもお嬢さま聖域の結界が強すぎて他の魔物が逃げてしまっています、明日は大丈夫ですか?」

 とアイが珍しく意見を言ってきます。

 「そうですね、テントに張った聖域の結界は、レベルアップを考えて極弱めの物にしていますから大丈夫です」

 大丈夫だと良いのですが、極々弱く聖域の結界を掛けたので逆に効き目が少ないかもしれません。

 私の掛けた時の感触では、テントにまで入ってこれるのは3級か4級クラスですが、5級でも入って来れるかもしれません。

 でも今朝の魔物の反応を見ると魔物は聖域の結界を嫌がっているようですから、上級の魔物も近寄ろうとはしないでしょう。


 後の会話はただの雑談に成って、後片付けを皆でした後解散しました。


 お風呂で髪を洗ってもらった後は、ベットで姉ねの体を丹念に揉み解して上げました。

 うつ伏せから初めて両足を片方づつ揉んで行きます。

 足の指から踵(かかと)へ脹脛(ふくらはぎ)から膝裏を押しながら太ももの裏側を丹念に押して揉み解していきます。

 姉ねがくすぐったいとバタバタしますが、無視して太ももの付け根まで揉んでいきます。

 「ああ、そこが気持ちいいわ、痛いけど気持ちいいの」

 と姉ねの喘ぎ声をいただきました。


 形の良いお尻も揉み上げて行きます、触ると弾力があって、押すとゆるんとお尻を押している周りが持ち上がります。

 お尻が終われば腰です。

 腰は体幹の中心になるので、筋肉だけでなく仙骨や腰椎の動きも調整しながら一つ一つ圧を掛けて仕事で溜まった歪みを丹念に取り除いて行きます。

 姉ねの腰は引き締まっていて、姉ねのお尻の上に私が乗って腰の骨の周りを押している間、細いなぁと思っていました。


 腰椎が終われば胸椎に移ります。

 胸椎へも左右の骨の出っ張りに圧を掛けながら溜まった歪みを矯正していきます。

 首と頭は軽く揉んで行くだけにします。


 足から頭まで体の裏側を終わらせれば、次は表側に成ります。


 寝始めた姉ねに体を回転して仰向けに寝てもらいます。


 又両足から始めます。


 足の指から今度は軽く引っ張ります。

 次に足首を回転させ動きを見ます。

 脛の外側を指で押していき、膝のお皿を動かして様子を見ます。


 太ももからおへその間は触るとくすぐったく感じるので寝始めた姉ねを起さない様に、ツボだけ押しながら両腕へと移ります。

 腕は肩の部分を念入りに揉みます、姉ねはおっぱいが大きいので胸の周りの筋肉を解して行きます。


 最後に首を後ろから持ち上げるように揉んで行きます。

 頭までゆっくり左右に回転させ頭のツボを押して終わりです。


 終わった時は姉ねはグッスリ熟睡していました。

 妹ちゃんも最初は見ていましたが、途中で寝てしまいました。

 私も疲れました、おやすみなさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る