第28話 シルアルビェッカ村(1)
私がアクアラの町までの旅からセルボネ市での騒動まで話すと、集まった人たちが知って居る事や私の判断について批評をしたり考えられる背景の歴史などを語ってくれます。
ここで、アクアラの町がセルボネの皮の流通の為に作られたとかセルボネを治めていたルボネ侯爵がヴァン国の妖精族の妻を何人も迎えて疑惑が発覚した事や穀物の輸入の対価に輸出される魔道具でセルボネ市が一番輸入量が大きいとかの知らなかった話が聞けました。
次のベルベンボネ市への空の旅では、ドワーフの長達から飛空服の翼の構造について時間が出来たら講義を頼まれてしまいました。
養母様から養母様のお母さまが洞窟で養母様を生んだ話は前に聞きましたが、その後洞窟から出て追ってから執拗に追われて山の上に追いつめられてしまい、絶体絶命のピンチから同じ様な構造のハンググライダーで逃げた話をしてくれました。
ベルン市から帝都までの話は養母様やドワーフの長様達全員が帝国貴族の腐敗の酷さや考え方の血統主義の他を踏みつけにして顧みない傲慢さを嫌と言うほど聞かされました。
だからかもしれませんが、帝都での暗闘でボネ派の3人を空爆でやっつけた話は『よくやった』と大いに肯定してくれて意外でした。
それだけボネ派がヴァン国の樹人達に嫌われているのでしょう。
東邦への旅については竜騎士について皆の考察が参考になりました、それによると、竜騎士の乗るワイバーンは獰猛で人のコントロールなど聞かない獰猛な魔物だそうで、恐らく卵を盗んで育てたのだろうとの事でした。
ワイバーンの群れは親や群れの長の指示に従順に従う仲間内での習性があるそうです。
卵から育てると人間を群れの仲間と刷り込みされるようで育ての親の指示に従順に従うようになるそうです。
東邦からの帰りに襲われた話からその場の雰囲気が剣呑になっていき、帝都でのバルドの対決はバルドが聖騎士だったと言う事が分かると良く倒せたと心配されてしまった。
ドワーフのホルト様によると聖騎士のレベルが最大だと3か4級の魔物を一人で倒せるほどの強さを持っているそうで、仲間と戦ったにせよ3級の魔物を倒したのと同じだと称賛してくれました。
因みにワイバーンは6級の魔物です、ガイルベアと同じ級の魔物だったのですね。
後冒険者ギルドについては、ヴァン国での評価は最悪でした。
商業同盟の実働員として必ずと言って良い程冒険者が関係していて、次が傭兵ギルドだそうです。
ただ、帝国は傭兵ギルドの方が使いかってが良いようで、ビチェンパスト国で襲おうとボートまで用意していたのは帝国の影に雇われた傭兵ギルド員でした。
しかし、ドッハー(ネーネルス)海峡で襲ってきた商業同盟の船には冒険者の魔術使いが乗っていただろうとの事です。
商業同盟の武装商船は乗組員の半分を冒険者か冒険者として経験がある者を雇うのが一般的で今回も乗っていたのは間違い無いそうです。
帝都最後の日、アルベルト皇子との一騎打ちは養母様に泣かれてしまいました。
「よし、彼奴は泣かす!」との不穏な言葉が出ていました。
後から考えると、奇跡的な出会いで起きた一騎打ちだったと思います。
実力も伯仲していて、お互いに必殺の一撃を繰り出しての死闘でした。
帝都から脱出してからの南方への逃走は政務宮では話さなかったのですが、ついみんなの前で墜落した件を話してしまい、伯父様方や養母様、ドワーフの長様達に心配されてしまいました。
養母様は私の体を触って服を引っ張って覗く有様で今は何処にも傷は無いと説明しても中々納得してくれませんでした。
何とか手や足の服を捲って、どこにも傷が無い事を見せて納得(渋々)してもらいました。
話題を変えたくて、ビチェンパスト国の話をエドワール王子について話すと、なぜか伯父様方が興味をひかれたようで、何か彼に感じたことが無いか聞いてきます?
不思議に思いましたが、彼についてコーヒーが好きだけど紅茶にも詳しくてお茶菓子も良く食べている事などを話すと、伯父様方が何やら二人でコソコソ話し始めてしまいました。
伯父様方は無視して養母様にビチェンパスト国に養母様の弟様の血筋が王族として残っている事を知らせると。
養母様がやっぱりと言う顔をして驚愕の事実を話してくれました。
「私の母のイスラーファはビチェンパスト国の初代王の側妃となってしばらくは抵抗していたわ、でも幼かった私の養育の為と気持ちを変えて王を受け入れたのよ」
「ところが王の人柄に惹かれて行き徐々気持ちが変わり、やがて息子のジョゼフィスを妊娠した時、母は自分が生む子が妖精族の因子が働いて人族なのに長命になる事を知ったと私に言ったの」
養母様はその時まだ3,4歳ぐらいの幼児だったはずなのに良く覚えているのね、さすが養母様。
ではやはりイスラーファ様はほだされてやがて好きになってしまったのね、運命を感じるわね。
でも、長命の因子?
「お養母(かあ)様、長命の因子と言う事はビチェンパスト国の王族は長命な人族なのですか?」
「そうよ、3人の王族は全員長命よ」
「イスラーファ母様はハイシルフの姪なのよ、聖樹を生む血はエルフに変異後も妖精族の因子を働かせる事が出来たのよ」
「あなたも気おつけなさい、ハイシルフに成ったのは前の妖精王の妹なのよ、妖精族の中でも貴方の家系はハイシルフの家系なのよ」
やっぱり、と思うけどなんだか悲しく成ってきました。
(どうしたカスミ、浮かない気分だな by大姉)
(妖精族って恋心まで誰かに狙われているのが分かって悲しくなったの by小姉)
(小姉、恋愛は此れからジャンジャンすればいいじゃない一つだけとかじゃなくていっぱいすれば狙うとか狙われるとか関係なくなっちゃうよ by妹)
(それはそれでエルフ女性的で、あの妖怪砂掛け婆達を思い出して嫌だな by小姉)
狙ってるのは帝国の皇帝だから恋愛なんて心の片隅にも引っかからないけどね。
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