第13話 王宮での打ち合わせ
レタには、もし王宮で会う様な話が出たら出来るだけ断るように伝えて、王宮へ向かわせます。
とは言え、エドワール皇太子に帝国の大砲の件だけでも知らせて置きたいです。
その日はエドワール皇太子の返事が気に為って楽しいはずの艤装作業が疎かになってしまい、作業を外されてしまいました。
仕方が無いので、既に寝れるように整えられた寝室へ籠りふて寝でもします。
昼7前に(午前中)王宮へ向かったレタですが、昼9時を過ぎても帰って来ません、脳内会話では『王宮の部屋で返事をまだ待っている所です』と言っているので、大分待たされているようです。
昼10時(午後3時)を過ぎてレタに帰る様に伝え様と思っていると、レタから『今呼び出しが来ました』と言って来た。
やっと場所が決まったのかな。
時間が掛かったのはやはり王宮にしようと誰かが主張していたのだと思います。
さて結論はどうなったのでしょうか。
しばらく待っているとレタから脳内会話で『お嬢様、王宮で無いと都合が付かないと言っていますです』と言って来たのです。
私は『伝えてきたのはエドワール皇太子様ですか?』と聞いて見ます。
レタが直ぐに『いいえ、エドワール皇太子様の秘書のリリエビッチ子爵と名乗る男でありますです』と答えます。
『では、私に伝えると彼に言って下さい』伝えるだけですけどね。
リリエビッチ子爵には、私からの返事が来るのを待ちぼうけしてもらいましょう、レタを待たせた仕返しです。
『お嬢様、わかりましたです、後は船でご報告いたしますです』とレタから言ってきました。
後は、レタが帰ってきたら詳しい内容がわかるでしょう。
上甲板へ出て艤装の進捗具合を確かめます、既に艤装は終って今は予備の装備を作っている所です、それも今日には終わるでしょう。
昼12時(午後5時)に船大工達が作業を終わらせて、持ち込んだ道具を小舟に乗せて帰ります。
彼等を見送った後、ナミにレタを迎えにこの”カモメ”に装備されている小舟で迎えに行かせます。
レタが帰ってきました、アイとナミとで小舟を船尾に在る専用架台へ滑車で引き上げて固定します。
レタからの報告は、船室の上の上甲板で聞きます。
「お嬢様王宮へ行ってきました」と報告の前に挨拶ですね。
私も「お疲れさま、レタも待ちくたびれたでしょう」と労います。
「ありがとうございます、王宮の対応が今一つハッキリしません、果たしてエドワール皇太子様へ面会の話が通じているのか分からないのでございますです」
「貴方が会って話をしたリリエビッチ子爵はどのようなお方でした?」と聞くと。
「はい、此方の話は右から左へと聞き捨てて、ご自分の主張のみ言ってこられました、交渉のこの字も知らない男でございますです」とレタが切って捨ててます。
「では、レタは私に彼の伝言を伝えたと言う事で、此れで終わりにしましょう」とは私も意地悪になったものですね。
これで、義理は果たしたと考えて直ぐにでも船で逃げましょうか。
でも火球砲の話があります、最悪手紙を書いて渡しましょう。
「レタ悪いけど、ナミーゴ氏に明日の一番に支払いの残りを払って欲しいの、特に時間は早い方が良いと思うの」
「実はね、明日の朝、私はちょっとしたお散歩に出かける予定が今出来たのよ」
「はい、お嬢様明日の昼3時(午前8時)にステイスル商店に行くであります」
「そして、ナミーゴ氏に残り金貨300枚を支払い、売買契約を完了させるのであります」とレタが張り切って言います。
『姉ね明日少し手助けして下さらない、船に乗っているだけで良いのです』と姉ねに助力をお願いする。
『おう、いいさね船に乗ってさえいれば良いだけってあれをするのかい』と姉ねも乗り気です。
最悪に備えて、転移もどきを行えるように準備だけでもして置きます。
『私も何か手伝いたい』と妹まで言ってきます。
『カスミちゃんは家(神域の部屋)に居てくれるともしもの時の助けになるから』と万が一が発生しても大丈夫なように妹に家で待機してもらいます。
『最悪私が拘束されても、カスミちゃんが助けに来れる様にですよ』
『それか、姉ねの時間切れでの交代とかですね』
後は、「ナミ、明日私に付いてきてくれますか、最悪王宮からナミだけで逃走することになりますからね」とアイでは無く、ナミを選んだ理由を言います。
「畏まりて候、明日の付き添いお任せ有れ」とナミが張り切っています。
「アイはレタの付き添いで、レタが最悪王宮の誰かに攫われないように護衛してね、ステイスル商店から帰る時に妨害があるかもしれませんの、今日の王宮の対応は何処かおかしい気がするの」常に最悪を考えて行動しましょう。
ひょっとして、船を狙っているとは考えられないかしら。
少し評判になり過ぎました、この船も狙うだけの価値があると考えて動いた人が居たのかも。
船は私達が既に沖へ停泊させているから、襲うにしても今夜とかあるかしら。
いえ、明日でも遅くないはず、レタが残りのお金を支払えば、受け取り証だけで売買契約は完了するわ。
今の時点で私が王宮へ出向くなら、何か仕掛けてくるにしても私を拘束してからになるはず、でなければ何か先に仕掛けてくれば逃げてしまえばいいのですから。
世界最高のスピードが出る船ですから、追いつくことは不可能ですわ。
待ち伏せするなら火球砲改の餌食にして差し上げますわ。
(ねぇまた脳筋な思考になってるよ by妹)
あらまぁ、明日次第ですね、今日は御終いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます