第6話

 任務の説明は、あっさりしていた。

 ひとの夢に潜り込んで、悪い夢を殺すこと。彼がやっていたことと、同じ。

 彼に夢を殺してもらったことで、わたしにも同じ力があるらしい。そして、その証拠に、私は夢の中の彼を覚えている。最後の一度の、彼を。

 わたしが殺す夢の先は、教えてもらえなかった。どうでもいい。わたしは。彼と同じように生きて。彼と同じように死ぬ。そうすれば、彼の近くにいられるような、そんな気がするから。

 夢を見る。

 彼の夢を。

 彼の隣にいられたら。そういう、夢を。それだけが、わたしのなかで、唯一どうでもよくないことだった。

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