本当の気持ち

 伊万里は桜太郎おうたろうと共に三重県へ鬼塚を連れ戻しに行く事になった。

 目的地の牛鬼淵はあまりにも遠いため、途中でホテルで休む事にした。

男虎おのとらさんありがとうございます」

 伊万里が頭を下げると

「いや、伊万里ちゃんまだ鬼塚さんが見つかってないよ」

 桜太郎おうたろうは慌てて言った。

 一瞬沈黙があったが、桜太郎おうたろうは思い出したかのように鞄から箱を出し、

「そうだ!さっき買った赤福食べる?」

「あ、はい!楽しみにしてたんですよ!私、赤福食べるの初めてなんです!」

 2人は赤福を食べながら

「鬼塚さん、大丈夫ですかねー」

「子供じゃないから大丈夫だよ!鬼塚さん、話聞く限りなんとかやっていそうな人…じゃなかった!妖怪だし」

「確かに」

 伊万里はクスクス笑った。

 桜太郎おうたろうは、安心したかのように

「よかった〜。伊万里ちゃん笑った」

「え?私だって笑いますよ〜」

「そうじゃなくて飛行機に乗ってる時から緊張してたからさ」

「あ…それは男性と2人きりで遠出したの初めてだから…」

 伊万里は顔を赤くして話すと

「だ、だよね。俺と出かけるの都内がほとんどだからね」

「は、はい」

「話を戻すと早く見つかるといいね!鬼塚さん」

「はい…」

 桜太郎おうたろうは、顔を赤くして照れてる伊万里が愛おしく思っていた。

 一方の伊万里は、桜太郎おうたろうと今まで一緒に外出したりする度に桜太郎おうたろうに惹かれていくのだった。

「伊万里ちゃん、突然なんだけど」

「ごめんなさい。男虎おのとらさん、私も話したい事があって」

「あ、いいよ。お先に」

「私…男虎おのとらさんの事が好きです」

 伊万里の顔は更に真っ赤になった。

「言われちゃった…。参ったなー。俺も伊万里ちゃんが好きだ!」

 2人はお互いの気持ちを言うと桜太郎おうたろうは伊万里を抱きしめた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る