大阪
伊万里は言われた通りスマホの通話をスピーカーモードにした。一同は雪之丞の声を注意深く聞こうとした。
「雪ちゃん、電話していいの?大阪に修学旅行に行ってるんでしょ?」
伊万里は聞いたが、
「そんな事はどうでもいいんだよ!さっき大阪城の近くに行ったら鬼塚さんがいて声かけようと思って走って行ったら出川先生に見つかったから声かけらんなかったんだ」
雪之丞は早口で説明した。
雪之丞は、今日から大阪へ3泊4日の修学旅行へ行っていて教師の目を盗んで伊万里に電話をかけていた。
「雪ちゃん、本当?」
「本当だ!鬼塚さん失踪してるって聞いてたけど、まさか大阪にいるなんてねー。僕、三重にいるかと思ったよ。鬼塚さん、牛鬼だし」
「わかった!ありがとう!明日あたり大阪に行くわ!」
「うん!早く連れ戻したほうがいいよね」
すると、
「皇!早く戻れ!何やってんだ!」
スマホから雪之丞の担任教師の出川の声が聞こえた。
「げっ!先生だ!じゃあ、また」
そう言って雪之丞は電話を切った。
「大阪…」
八巻は呟いた。
「行きますか?」
伊万里は聞いたが、
「SNSがある。鬼塚さんが何でも屋宣伝のために作ったSNS」
本郷はスマホ画面を見せて言った。
本郷が言う何でも屋を宣伝するSNSとは、鬼塚が3ヶ月前に作ったもので宣伝以外に人材募集も目的としている。
「それだ!」
伊万里は手を叩いた。
「早速投稿しましょう!」
一華はそう言って投稿を始めた。
この投稿から2日後、鬼塚が三重県にいる事を何でも屋一行は知る事になった。
「三重…もしかして…」
一華は考えながら言った。
「牛鬼淵です!昔話の!」
伊万里は興奮して話すと
「あー!あれか!あのホラーなやつ!」
八巻は大声で言った。
「もしかしたら鬼塚さん、三重県に帰っちゃったんですかね…。兎に角、私三重県へ行きます!」
伊万里が手を挙げると
「皇ちゃん、大丈夫?」
一華は心配すると
「大丈夫です!本郷さんは鬼塚さんの代理で忙しいし、阿南さんはお子さんの事もありますし、八巻さんは山田さんのお婆ちゃん以外に依頼が来てるし…。だから私が行きます!」
伊万里はハキハキ意見を言った。
伊万里は仕事が終わった後、
伊万里は
「そんな訳で、上司を連れ戻すために三重県へ行ってきます」
伊万里はそう話すと
「伊万里ちゃん、大丈夫?」
「牛鬼淵って危険な所だろ?だから、俺女の子1人で行くのは心配なんだ」
「
「大丈夫だ。有給取るから」
「いいんですか?」
「大丈夫だよ!明日、三重行くんでしょ?伊万里ちゃん、一緒に行こう」
こうして伊万里は、
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