恨みの原因

 ホテルに向かった鬼塚は当日まですずとホテルの従業員と打ち合わせした事を実行しようとした。


 いよいよ新郎新婦の入場。

 鬼塚はホテルの従業員に紛れて立って見ていた。

 新郎新婦が入場して20分後、映像が流れ始めた。

 本木千夏の番になり、映像が流れた。映像は、すずの相談機関のカウンセラーが書いたノートの中身の写真が流れ、会場がざわつき始めた。その後、すずが個人的にボイスレコーダーに録音した本木千夏と喧嘩した時の声が流れ、更に招待客は困惑した。

 鬼塚は新郎新婦の前に行き、

「皆さん!これは真実なんです!」

 マイクを持って話し出した。

 招待客の1人から

「貴方一体誰なんですか?これ加工じゃないんですよね?」

 そう聞かれ、

「申し遅れました。私何でも屋も鬼塚と申します」

 鬼塚は牛鬼の姿になると、会場にいた招待客達は驚きのあまり腰を抜かしていた。

「この映像に流れていた事は事実です!全て!」

 これを見た岩田は、

「千夏さん、本当なの?」

 本木千夏は

「違うの!宗雄さん!姪があの牛鬼に頼んで加工したやつなの!」

 そう言ってすずを指を指した。

 すずは本木千夏を睨み

「千夏ちゃん、もう遅いよ」

 と冷たく言い放った。

「そんな身内の人間関係に口出しして追い詰める人と結婚したなんてショックだ。千夏さん!見損なった!」

 岩田は語気を強めて言った。

「そんな!宗雄さん!」

 このやりとりを見た招待客はドン引きしていてどうする事も出来ず、ただただ困惑するばかりだった。


 結婚式は結局最後まで執り行われたが、次の日、本木千夏は岩田と離婚した。

 すずは、両親にきつく叱られ、相談機関に行く事を禁じられた。


 それから1週間が経ち、本木千夏は結婚式を台無しにした鬼塚を恨み始め、鬼塚をストーカーし始めた。仕事の時だけではなく、鬼塚が自宅にいる時もストーカーをしていたのだった。

 鬼塚はそれからビクビクしながら毎日を過ごす事となった。

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