結婚式編

本仮屋すずの憂鬱

 本仮屋すずは、伯母の本木千夏が嫌いだ。

 幼少期の時は、本木千夏はすずを大変可愛がった。しかし、すずが中学生になり、悩み事があったり学校でいじめに合うと保健室に行き、養護教諭に相談していた。養護教諭は、頼りになっていてすずはよく相談に行っている。また、他所で親切にされたりもするが、それを本木千夏に話すと

「責任ないから優しくしてる」

 本木千夏はよくこの言葉を言う。

 それだけでなく、何かとすずの事に口出ししたりしてそれがすずにとってストレスとなった。

 ストレスの原因である伯母の本木千夏は12月に結婚し、結婚式は、1月に行われる予定になった。

 そんなすずは、SNSで何でも屋に関する投稿を見つけた。しかも牛鬼が経営してる何でも屋だった。


「つまり伯母さんの結婚式をブチ壊せと…」

 鬼塚は考えながら話した。

「鬼塚さん、ブチ壊せって…」

 伊万里はツッコミを入れた。

「はい、鬼塚さんの仰る通りです。伯母の本性を結婚式で、伝えるんです。結婚相手の岩田さんに向けて」

「いいんですか?親戚でしょ?」

 八巻は聞いた。

「いいのです。もう堪忍袋の緒が切れそうなんで」

 すずは淡々と話した。

「鬼塚さんどうですか?」

 一華は聞いた。

「うーん…。リスキーだけど、やってみます!」

「ありがとうございます」

「鬼塚さん、大丈夫ですか?」

 伊万里は心配そうに聞いた。

「皇さん!今まで僕らは大変難しい仕事もこなしてきた時があったじゃないか!その度に、素敵なチームワークでなんとか乗り越えてきたじゃん!今度も頑張ろう」

 鬼塚はウィンクをした。

「は、はい」

「とりあえず、本仮屋さん具体的なお話は、また後日にしましょう」

「ありがとうございます」

 すずはお辞儀した。


 その日の夜、伊万里はクリスマスケーキの受け渡しの依頼で、知り合った男虎おのとら桜太郎おうたろうと居酒屋で食事をしていた。

「それで、鬼塚さん、結婚式を台無しにする依頼受けちゃったんですよ!あり得ない」

 伊万里はお酒を飲みながら話した。

「仕事だから仕方ないよ。伊万里ちゃんの気持ちはわかるけど、我慢しよう」

 桜太郎おうたろうは慰めた。

「はーい…」

「けど」

「何ですか?」

「俺の友達にもいたなー。そういうウザい親戚が嫌でその親戚の結婚式ブチ壊したの。しかもちょうど、その依頼人の女の子と同じぐらいの歳だったよ」

男虎おのとらさんのご友人は、どうやって結婚式めちゃくちゃにしたんですか?」

「そうだなー。予め親戚と揉めた時に録音したボイスレコーダーに録音して流してたよ」

「それだ!男虎おのとらさん、ありがとうございます!」

 伊万里は急に立ち上がった。

「伊万里ちゃん…酔っ払ってる?」

「大丈夫です!」

「いや、酔っ払ってるから俺最寄り駅まで送るよ」

「キャー!男虎おのとらさん優しい!」

「やっぱり酔っ払ってんじゃん」

 そう言って桜太郎おうたろうは、居酒屋を出て伊万里を最寄り駅まで送ったのだ。

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