伊万里のクリスマス
何でも屋一行は、吉村のケーキ店で、クリスマスケーキの受け渡しをアルバイトとパートと一緒に作業していた。
お客の中には、何でも屋の関係者もいた。
「ママ〜!」
そう言ってやって来たのは、一華の長男の灯勇だった。
「灯勇〜!」
一華は優しい声を出した。
「こんにちは」
今度は一華の夫の亮平が、何でも屋一行に挨拶をした。
「こんにちは!あの〜妹さんあれから元気にやってますか?」
鬼塚は聞いた。
「鬼塚さん!」
伊万里は注意した。
鬼塚さんが言う『妹さん』とは、亮平の妹の凛で、以前付き合っていた男性の浮気調査をして欲しいと何でも屋に依頼した。結局凛は、男性が浮気をしている事がわかり破局したのだ。
「はい。最近だと婚活してるみたいで…」
「よかったですね」
鬼塚が亮平と談笑をしている
「あ…」
伊万里は
「あれ?彼は」
鬼塚は言った。
「鬼塚さん、どちら様?」
一華は聞いた。
「彼が例の皇さんが気になる人」
「あらぁ〜」
「鬼塚さん!阿南さん!からかわないでください!」
伊万里は怒った。
「伊万里ちゃん」
「は、はい!」
「仕事終わった後、予定は?」
「い、いいえ…」
「よかった〜。終わったら俺の家に来てくれる?」
「は、はい…」
「じゃあ、後で」
そう言って
「皇さ〜ん」
鬼塚は、ニヤニヤしながら言った。
「お家デートいいな〜」
「だから、からかわないでください!」
伊万里は顔を真っ赤にして怒った。
それからも何でも屋一行は、クリスマスケーキを配り続けた。
仕事が終わり、何でも屋一行は事務所に戻りクリスマス会をする事になったが、伊万里だけは
「皇さ〜ん、お家デート楽しんで行ってね」
鬼塚はウィンクをした。
「恥ずかしいから止めてください」
伊万里は、怒った。
「まあまあ、クリスマスらしくていいのでは?皇さん、よかったなー」
八巻はニヤニヤしながら言った。
「もう八巻さんまで」
「皇さん、行ってらっしゃい」
一華は笑顔で言った。
上司や同僚から数々の言葉をかけられた伊万里は、
伊万里は、
「
「いやいや、こちらこそ来てくれてありがとう」
そして、2人はクリスマスケーキを食べた。
「美味しいですね」
「そうだね」
そして、
「伊万里ちゃんは、何でも屋さん、長いの?」
「今年の4月から半年は過ぎましたね」
「そうかー。仕事楽しい?」
確かに最初は大変だったし、苦労する事もあった。それに、上司の鬼塚のマイペースな性格について行けるのもかなり時間がかかった。けど、今は何でも屋の仕事は自分には合っているし、鬼塚のマイペースな性格にはだいぶ慣れた。
「はい!楽しいです。ていうか、毎日充実している感じです」
伊万里は笑顔で答えた。
「よかったね!関係ないけど」
「何ですか?」
「伊万里ちゃん、笑った顔いいなーって」
「あ…ありがとうございます」
それから伊万里は、
伊万里は、クリスマスの後も時間を作って
そして、その度に鬼塚にからかわれるのだった。
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