これはもしかして

 女性を自分のマンションを入れたのが初めてだった桜太郎おうたろうは、自分でも大胆な事をしたと冷静に考えた。

 しかし、その後、桜太郎おうたろうは心の何処かに違和感を感じていた。


 伊万里は、何でも屋に戻り先程の事を鬼塚達に話した。

 1番早く反応を示したのは、鬼塚だった。

「ほら、やっぱり僕の言った通りだ!その男虎おのとらって人、皇さんが好きなんだ!」

 鬼塚はテンション高く言った。

「でも、あまり知らない女の子を部屋に入れるとか大胆だね〜。男虎おのとらさんって人」

 一華は考えながら言った。

「阿南さんの言う通りだ!大胆だ!」

 八幡は指を指して言った。

「私、パニックになっちゃいました。一応初対面なのにあんな展開になって」

 伊万里は顔を真っ赤にして言った。

「恋の始まり…」

 本郷がボソッと言った。

 一同は本郷を見た。

「そういえば、男虎おのとらさんと2人きりの時、ずっと胸に違和感ありました…。なんて言うか、心臓が異常にバクバクしている感じで…」

 伊万里は思い出しながら話した。

「それって…」

 一華は言った。

「皇さんは、男虎おのとらさんの事好きなんだよ!」

 鬼塚は大声で興奮して言った。

「え…」

 伊万里は顔を真っ赤にした。

「おめでとう!皇さん!」

「鬼塚さん!止めてください!恥ずかしいです」

「いやいやいや!いい事なんだよ!恋するのは!」

「もう〜」

 伊万里はそう言ったが、鬼塚達ははしゃいだりした。


 そして3週間後、何でも屋一行は、吉村の経営しているケーキ店に行き、お客に予約したクリスマスケーキの受け渡しをするのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る