第7話「慣性と惰性」
私たち実習生は格納庫での自習を切り上げて通路を移動している。目的地は
つまりこれから宇宙戦艦の指揮室で
「艦長、
「予算に
「了解です。ですが、せめて指揮室に艦長専用の座席を設置してはどうでしょうか」
「専用席など必要ありません。指揮は立ったままで出来ます。これは戦艦乗りとしての
「・・・艦長。現在ではその様な
「え?よもや宇宙軍が、そんな
先生は軍の
気を取り直した先生が通路を移動しながら説明を始める。
「我々が向かっている指揮室とは宇宙戦艦の
そして、指揮室には戦艦用の
指揮室も見学予定に入っているが、戦艦は止まっている
これから戦艦が動き出すかもしれないと思うと・・・。まずい想像しただけで心臓がドキドキしてきたぞ。
端末が出しゃばって
「セブンの
また格納庫で機材と同様に人体を固定した場合は、骨や内臓などが
ビックリした私は思わず大声で
「いい加減にしなさい!それ普通に死んでるからー」
端末が発した無神経な内容にツッコミを入れてしまったよ。まあ機械に神経は無いだろうけど、ひど過ぎない?
「驚きました。セブンが我々艦隊の関係者以外と会話するなんて・・・。これからも仲良くしてくれると
会話になってませんからー。ぜんぜん仲良くもありませんし。何を見てたらそんな話になるんだろう不思議だ。
やれやれ困った先生だ、やっぱり私がしっかりサポートせねばと思う。
そう言えば私は何をしてたんだっけか?そうだ急いで指揮室に行かなくちゃ、宇宙戦艦が動き出してしまう。
「先生、今は急ぎましょう。早く
「それは
先生が壁を
通路が次々ドンドン流れていく速すぎー。見てるだけの私が言うのも恥ずかしいけども、かなり恐ろしい。
「そろそろ減速を始めなさい!急には止まれませんよ」
まだ指揮室は見えないが先生もスピードを落とし始めた。靴は床に、手袋を壁に
指揮室らしい
「手を離しますよ。
先生は私を残して通路を戻って行く。他の実習生を手助けするためだろう。
私は壁に手を伸ばしたが、姿勢を
靴と手袋で床を吸着して
だいぶん床やら壁に
「宇宙戦艦の中って
立ち上がりながら体を見回して感心していたら、実習生の集団を押し止めようとしている先生が見えてきた。
思わずダッシュで助けに向かう。しかし直ぐ失敗に気づいて
ヤバイぶつかる
ボフンと集団に
絶対ごまかす!いやいやそうじゃなくて止めてみせるぞー、がんばれ私。
皆で力を合わせた結果だろう、何とか指揮室にぶつかる前に止まれた。めでたし、めでたしだ。
遅れてきた実習生も到着して全員集合した。誰も気にしてないと思うけど、隔壁にめり込んだのが私だけだった件については
「無理をした
この通路の様に直線部分が長い所を遊泳する場合は・・・」
せっかく先生が説明してくれているのに、もう私の関心は目の前に見える隔壁の向こうに移っていた。
(
ただし
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