第5話「端末と対話」
通路の先は
やがて声が大きくなり、実習生の私達にも内容がハッキリ聞こえだした。
先生はコンコンと指先で軽く隔壁を
「セブン、
「艦長、格納庫の準備は完了しています。隔壁の
コツンと
先生がチラッとこちらを振り返り、短い
「
先生は胸の辺りで何かしたようだが、私達からは
「ブッブー!認証失敗しました」
「コメツトサーン。 はーい!」
今度は、ハーイと言いながら顔の前で大きく手を振っているのが後ろからでもよく
「ピンポン!ピンポーン!成功です。格納庫を開きます」
乗りが軽くて調子のいい音がして、隔壁が動きだした。先生は・・・少々そっとしておこう。
私は例のポーズを思い出すと
向き直った先生は笑顔で元気に切り出した。
「ここは
艦載機などの機材は触れても問題ありません。トイレはそこと、向こう側の壁にもあります。
では、しばらく自習時間にします。
それぞれ思い思いの方に遊泳して行くのを見ていると、
まさか実体ではないと思う。立体映像で
人型兵器なんて何に使うのか聞いてみようと先生の姿を探すと、小さな通路に入って行くのが見えた。
☆
☆☆
☆☆☆
小通路での会話
「セブン、実習生の
「了解です・・・一名、近い将来に問題になる
「セブン!すぐ安全を確保なさい」
「艦長、対象は安全です。実習生は解放区画での自由行動を許可されています。設定を変更する場合は認証作業が必要です」
「もうっ!
「・・・艦長を追跡していると予測します」
やっと追いついたと思ったら、逆に
「どうしてこんな所まで来たの?他の皆さんは格納庫ですよ」
あれ?ご
「すいません。自習時間ですから先生に質問をしたいなと思って追いかけてきました」
思わず両腕を高く
「そうだったのですか、困りました。今は時間が取れません。
おっと情報ゲット、ここが
「気にしないでください。先生の思うようにした方がいいですよ(ちょっと残念だけど)。私は格納庫でみんなと宇宙遊泳の練習をします。ではこれで」
私は自分の
私は格納庫に戻ると個人端末に書き込みをする。
「先生が初期設定だった認証暗号を変更するってさ
ハーイのポーズは
「あれデフォルトだったのか
先生イジメられてんじゃね?」
「
「
この人です保安官さん」
「まあ初心者あるあるだな
毎回アレをするのも
ものが軍艦でもあるしな」
「新人の仕事みたいなもんだよ
失敗してコツを覚えるのも注目されるのも慣れていくのも」
「だね・・・・・・」
「・・・」
「
映像で
「やっぱ残念だよねー」
「・・・」
さっと情報交換をしてから、私も広い場所での遊泳を楽しむことにした。いや違った、練習をがんばったのだった。
☆
☆☆
☆☆☆
指揮室での会話
艦長は結果を確認した後に
「艦長、認証暗号の変更は確かに成功しています」
「司令が・・・、何か仕掛けていたりしなかった?」
「艦長、その様な事は司令にも不可能だと考えます」
「そう、その通りです。我の考えすぎでしたね。司令を疑うなんて、どうかしていました」
この件に
「艦長、暗号変更の件について情報が
「その件については必要はありませんよ。しばらくの間は我の指示に従って
そうしていれば、我がどうして軍事機密でないと判断したのか、そのうち理解できるようになりますよ。
「了解です。
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