第73話 私もお兄ちゃんに屈服快楽堕ち宣言させられたい!

「〜〜♪」

「お、彩夏ちゃん。ご機嫌だね」

「はい! えっとその、実はですね……」


 手早くご飯を食べ終え、少し部屋でくつろいでいると。彩夏が先程の事を話し始めた。


 ……いや、話すなとは言わないが。少々恥ずかしいものがある。


 まあ、良いか。


 着替えの準備をしながら耳をシャットダウンする。


「えー! 良いなー! 私も高校で男子と事務的な会話してたらみーちゃんにお仕置き尊厳破壊寸止め絶頂管理セッ○スされたい!」

「情報量」

「私もお兄ちゃんに屈服快楽堕ち宣言させられたい! 中からとろっと溢れてくる液体を拭かないまま告白してきた男の子振りたい!」

「何度も言うが。妹にそんな事言われる兄の気持ちを考えた事あるのか?」

「……ムラムラする?」

「せんわ。頼むからそろそろ落ち着かない? 将来黒歴史になるよ?」

「でもそんな思い出もみーちゃんと振り返れば良い思い出だよね」

「良い風に言うな。嫌だよ。お爺さんになってから妹とそんな思い出振り返るの」

「ふふ。大丈夫だよ。えっちな事しながら振り返るから。性欲のスパイスになるんだよ、お兄ちゃん」

「なんでお前らは年老いてもエロい事しようとしてんの? 意地でも俺を腹上死させたいの?」


 ため息を吐き。俺は着替えを持つ。


「それじゃ、俺は風呂に入ってくるからな」

「なんか最近これが新婚さんの夜のサインみたいになってるよね」

「やかましい」

 俺は零へとそう返しながら。浴場へと向かった。


 ◆◆◆


 昨日は彩夏と咲。一昨日は零と静。……という事は今日は。


「お兄ちゃん! 孕みに来たよ!」

「やほ、未来君。お風呂入りに来たよ」


 ……新と星である。


 新は……紺のスクール水着。星は星柄のビキニである。



 ……あれ? 普通? とか思ってはいけない。


 新はスクール水着。恐らく学校でも使っているもの。……しかし。


 とある部分すっっっごい強調されてる。あと隠れてるからこその……やめろ! 妹だぞ!


 そして。星。星は黒のビキニに黄色い星が散りばめられている。……なんだろう。こう、今までの四人はどこか官能的であったが。二人は……こう。健康的なエロスというかなんというか。


 やめろ! 妹を性的な目で見るな!

「あ、ほんとだ。零ちゃんの言ってた通りお兄ちゃんが葛藤してる」

「ふふ。どうかな、未来君。似合ってる?」

「……ああ。めちゃくちゃ似合ってる」

 よく見れば……ビキニの下の方は紐であった。見なかったことにしよう。うん。


「昨日一昨日と違って私と星ちゃんの水着は私物なんだよね」

「そう……だったのか」

「うん、零ちゃんのもオススメされたんだけどね。ちょっと過激っていうか。そろそろ未来君も普通の水着が見たいかなって」

「気遣いのできる星さんまじパネェっす。でも片方はタピオカミルクティーかってぐらい見た目に反してカロリーが高いんだけども」

「そんな、お兄ちゃん。私の事がとんこつラーメンくらい好きだなんて」

「言っとらん。というかお前はそれでいいのか」


 ため息を吐きながら新を見る。


「あ、そうだ。お兄ちゃん。あれやって」

「あれ?」

「おっきくしてから星ちゃんの目隠すやつ。星ちゃんは笑顔で学生証持ってね。そしたら『海外に留学したメンヘラ幼馴染がアメリカのホームステイ先の巨根絶倫に調教されてたんだが』ってAVの再現が出来るから!」

「やんねえよ。そんな地獄みたいな事。俺がNTRとBSSが嫌いなの知ってるだろうが」

「大丈夫だよ。私がオカズにするだけだから」

「なんも大丈夫じゃねえ」

「だって! 今完全にあの状況なんだもん!『信じて送り出したお兄ちゃんがアイドルのマネージャーになってライブの制服を着させられて逆レ4Pさせられている件について』になってるんだもん!」

「なってねえ。つかサラッと実の兄を女装させるな。あと体洗わせろ。風邪ひく」

「じゃあお兄ちゃんのお兄ちゃんは私のスク水もおっぱいの間で洗って「はい、そんぐらいにしといて。ほんとに風邪ひいちゃうから」」


 新の暴走は星が止める。……これ、結構相性が良いのでは無いだろうか。


 そうして頭を洗い……


「お兄ちゃん! 体洗って! 嫌だったらおっぱいと下だけでも良いよ!」

「なんで軽率にフグの肝だけ食べさせるような所業をしてくるの? 食わねえよ?」

「むー。お兄ちゃんのケチ! 一日の最高連続記録六回!」

「最高連続記録ってなん……の……おい。まさか。違うよな」

「お兄ちゃんが中学三年生の時の十二月二十六日」

「やめろ! 具体的な時間を言うな!」


 ……その年のクリスマス。零に本気で襲われかけたのだ。高校が違う所にしようとなってからの事だ。


 いやもう、やばかった。高校生になってからも含めて過去一で。どうにか耐えきったのだが、童貞の童ぐらいは奪われてしまった。


 ……まあ、それは置いといて。どうにか耐えたのだが、俺は色々と治まらず。次の日の……朝。色々と溜め込んだものを放出したのだ。ナニがとは言わないが。


「なんで? なんで分かったの?」

「え? 匂い」

「俺ビニール三重重ねにしてきっちり結んだ後にゴミ袋に入れてゴミ捨て場まで捨てに行ったんだが」

「残り香で分かるよ」

「犬か」

「わんちゃんプレイ!? したい!」

「やらん」


 長くなったので割愛。


 とりあえず、俺は新の背中を流す事にした……のだが。


「どうどう? お兄ちゃん。背中えっち?」

「……ノーコメントで」

「言ってよ! 穴開けてぶち込みたいって!」

「俺はリョナに興味ねえんだよ」

 なんで俺は妹からクレイジーサイコリョナだと思われてんの?


「未来君の持ってたえっちな本って見た感じ女の子が可哀想な目に遭うのは嫌いそうだったもんね」

「当たり前のように俺の嗜好を知ってるのやめてください!」


 とか何とかやりながら、新の細い背中に触れる。


「……んぁ」

「妙な声を上げないで欲しいんだが」

「だって私背中が性感帯だし……んひっ。もっとぉ」

「星」

「いえっさー」


 ここで交代して星にやってもらう。新は新しいものに目覚めかけていた。


「お、お兄ちゃん……ハーレム中のレズプレイはセーフ……?」

知るか嫌いじゃないです

「良かった、セーフなんだね」

「待って待って。今未来君の声に合わせて零ちゃんの声が聞こえたんだけど」

「多分寄生されてるぞ。塩まいとけ。それかお札でも貼っとけ」

「扱いが完全に悪霊じゃん……」

「ははっ。多分悪霊が可愛く思えるぞ」

(もう、言いたい放題言って。夢の中でも全裸で追いかけ回してあげよっか?)

 調子乗ってましたすみませんでした許してください。というか脅し方が同人エロゲなんだよ。しかも捕まったら逆レされるM男向けの。

「……お兄ちゃんってえっちな本とかゲームに詳しいよね」

「べべべべべべべ別に? くく詳しくなんか無いが? あとナチュラルに人の心読まないでくれる?」

「もー、お兄ちゃんならえっちな本のシチュとか全部経験出来るのに。一度離れ離れになった女の子がギャルになって帰ってきて空き教室で「数ある選択肢の中から何故それを選んだ???」」


 もう誰を意識したのか丸わかりではないか。星を見ると……分かりやすくデレデレしていた。


「え、えへへ……そっか。未来君。そうだったんだ」

「帰っていいかな。顔から火が出そう」

「ここもう家だよ。私達の愛の巣だよ」

「愛の巣ではねえだろ。母さん達の存在を忘れたのか」

「ここに私達が居る視点でそこが愛の巣になるんだよ。例え野外プレイをしたとしてもそこが愛の巣になるんだから逮捕もされないんだよ」

「ごめんね。お兄ちゃんちょっと頭痛くなってきた」

「大丈夫? おっぱい揉む?」

「星までおかしくならないで」


 そして。色々な事があった。新に無理やりおっぱいとスク水の隙間に手を挟まれたり星の水着の紐が解けてポロリしてしまい俺の愚息が起立して新に襲われかけたりなど。多分これを語ろうとしたら原稿用紙二十五枚分はかかるだろう。

 その後湯船に浸かっていたのだが。


「……言おうか迷ってたんだけどさ」

「ん? なんだ?」

「未来君って結構シスコンだよね」

 いきなり星にそんな事を言われたのだ。


「失敬な。俺のどこをどう見ればシスコンに見えるんだ」

「や、だって。当たり前かのように新ちゃん抱きしめてるじゃん。後ろから」


 俺は星に言われてハッとなった。……星の言う通り。俺は新の腰からお腹にかけて手を回していた。


「……ッ、つい昔の癖で」

「やってくれないかなーって手誘導したらちゃんと抱きしめてくれたもんね」


 ……昔から。新は俺が座っている上に座りたがっていた。新が落ちないようちゃんと俺は抱きしめていたのだ。


「ぐっ……油断してた」

「柔らかいお兄ちゃんのお兄ちゃんの感触が役得でした」

 完全に不注意だった……。


 俺は新を下ろし。ため息を吐く。すると……星が俺をじっと見ていた。


「ね、未来君。私も……ううん。ごめん、なんでもない」


 その意味深な言葉を聞いて。俺も星を見返した。


「言う分はタダだぞ。嫌われるかも、とかそんな考えがあるなら零と新を見てみろと言いたい」

「えへへ……」

「褒めとらん」


 そこまで言うと。星は俺の手をそっと包んだ。


「わ、私も……新ちゃんみたいに。未来君に抱きしめられたいなって」


 星の言葉に。俺は頷いた。


「……ああ、良いぞ」


 ここで断るほど俺は鬼でもない。……着実に、クズ男への道を歩んでいる気はするが。


「もー、お兄ちゃん。クズ男って言うのは甲斐性も無い上に他の女の子に黙って浮気しまくる人の事だよ。お兄ちゃんの場合はみんな知ってるし承知の上だから良いの!」

「……そういう問題では。いや、今は考えるのはやめておこう。ほら」


 手を広げると。星がぎこちない様子で……俺の膝の上に来た。そして、俺はそのお腹の方へと手を回す。


「お兄ちゃん。思ったけどこれって背面「言うな」」


 後ろからの言葉を無視しながら。星の女の子らしい柔らかさを気にしないようにする。


「……じ、自分で言っておいてなんだけど。恥ずかしいな。私、あんまり運動とかもしてないから」

「……いや。完全に俺の好みになるが、細すぎるよりは良いと思うぞ。それに、星も全然太ってるわけじゃ無いだろ。あと新は俺の水着を引っ張って中を覗こうとするな」

「もう、未来君は……そういう所が好きなんだけど」


 星の言葉に頭の中が真っ白になる。


 ……やはり慣れない。直球の好意は。あと新。俺の尻を触るな。


 その後も、新に色々なセクハラを受けながらではあるが。ゆったりとした時間を過ごしたのだった。


 ◆◆◆


 俺は寝るのが好き……だと今まで何度も話した気がする。この朝の微睡む時間が好きだと。


 しかし今日は……実に刺激的な目覚めであった。

「ふぃくるくん、起ふぃて」


 ぬるりと。指が暖かいものに包まれている。そして、ぴちゃぴちゃとやけに官能的な水音みずおとがして……目が覚めた。


「な、な……!?」

「……んぁ。やっと起きてくれた。おはよ、未来君」

 俺の目の前には……静が居た。俺の手を掴み……その指はてらてらと光っていた。


「何してるんだ!?」

「んー? 美味しそうだったからつい」

 そう言って……また静は俺の指を口の中に入れた。


「ん、おいふぃ」

 指の腹から爪先まで。小さく、しかしその小さな舌で舐られ、瑞々しい唇で吸われ。


 思わず……反応してしまう。


「……ここから出てくるんだよね。未来君のすっごく美味しいエキスが」

「へいへーい! ヤンデレサイコカニバリズム文学少女をヤンデレサイコカニバリズムドスケベ文学少女にしたのはどこの誰だい!」

「呼んだ?」

「やっぱりお前か!」

 上から零が降ってきた。……いや、今更驚いたりはしないが。


「この世で女の子が上から降ってくるのが日常と化してるのは俺ぐらいだろうな。天空に住んでるのかお前は」

「まあまあ。ちなみに静ちゃんには一気にみーちゃんを食べるよりそこから出てくる体液を一生しゃぶってた方が良くない? って話したら納得された」

「俺の扱いが家畜なんだよ」

「私はオナ「言わせねえ」扱いして良いんだよ……その方が興奮する」

「お前の性癖は聞いとらん」


 そんな二人を見てため息を吐く。


「……そういえば。最近静ってやけに大人しかったよな」

「私が調教してた」

「何してんの? 同級生相手に」

「調教……は知らないけど、未来君の今までかっこよかったシーンをいっぱい聞いてたんだよ!」

「調教というか洗脳だなおい」

「お陰でもっと未来君の子供孕みたくなっちゃった♡」

「やべえ。食欲が性欲に上乗せされていってる」


 しかしまあ、何であれ。二人はちゃんと服を着てるので良いとしよう。


「ぴらっ」

「ぶふぉっ」

 唐突に零が俺に乗っている静のスカートを捲った。静は……履いていなかった。


「ななななんで履いてないんですか!?」

「ついでにえいっ」

「ふんぬぐむぅっ」

 かと思えば零の胸が顔面に迫っていた。……非常に柔らかい。まるで制服の下は何も着けてないかのように。いやこれ着けてねえな。


「……私のも」

 そして。俺のしゃぶられていた指にふにゅんと柔らかいものが触れた。


 そして……その中心にこりこりと。主張の激しいものが――


「だああああ! 終わり! 消されるから!」

「んぅ……本番はこれからなのに」

「不純異性交遊反対!」

「大丈夫だよ。遊びじゃないから。本気で孕むから」

「余計ダメだわ。……というか、早く準備しなければ」


 俺がそう言うと。静がピクリと耳を動かした。


「……どうかしたのか?」

「えっとね。未来君が向こうでもご飯作ってるって聞いたから。今日の朝ご飯は私が作ってみたんだ」


 静の言葉に思わず目を丸くした。


「静ちゃんね。お母さんからご飯の作り方習ってたらしいんだ。花嫁修業って」

「……そう、だったのか」

「うん。……いつ私が子供を作っても良いように叩き込まれたんだ」

「素直に喜べねえなその話。親が逆レ公認なのかよ。いや今更か……」


 静の家計母親が父親を逆レして既成事実を作るというやべえ所なのだ。……まあ、零が居る限り大丈夫なんだろうが。


 それは置いといて。


「ありがとな。喜んでいただこう」


 作ってくれたのなら。断る理由もない。というか素直に嬉しい。


 俺がそう言うと。静はとても嬉しそうに頷いた。


「うん! すっごく美味しくなるよう頑張ったからね!」

「あ、ちゃんとみーちゃんが朝はご飯派って伝えておいたからね。それと私達の体液も入れたから」

「待て待て待て待て。今聞き捨てならない事が」

「早く行こっ、未来君」

「なんでお前らは一上げると十は下げるような事するの? え?」


 そんな俺の声も虚しく、俺はリビングへと連れていかれる。


 ちなみに体液というのは二人の冗談らしく、美味しいお味噌汁が出てきたのだった。いや、いつものメンバーの中でもこの二人が言うと冗談に聞こえなかったのだが。

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