【五章開始!】俺の事が大好きな幼馴染と釣り合うよう努力していたら、あの時助けたアイドルが転校してきて学校が修羅場と化しています
第9話 ああ! お兄ちゃんがお薬おせっせのエロ同人誌の最後のページみたいになってる!
第9話 ああ! お兄ちゃんがお薬おせっせのエロ同人誌の最後のページみたいになってる!
「って感じだ」
そうして、彩夏と初めて会った時の事を話し終えた。
星が頷き……彩夏を見た。
「へぇ……ごめんね。彩夏ちゃん。一つ言っていいかな? チョロくない?」
「!?」
「俺も思った。一時流行ってたラノベの『陰キャの僕が街で困ってる女の子を助けたら実はその子が学園のアイドルで〜〜』的なアレと一緒だ。いきなり好感度八十ぐらいから始まるやつ」
「しかも、学園どころか本物のトップアイドルだもんね」
俺の言葉に零が続いた。それを聞いた彩夏が……ぷるぷると震えている。
「皆さん酷いですよ! ぼ、ボクは……これでもずっと、その。未来さんの事を慕ってたんです!」
これが普通の女の子の言葉なら俺は一蹴しただろう。
だが、目の前のこの子はめちゃくちゃ可愛いアイドルなのだ。正直心が揺れる。
他にも理由はあるが……まあ、言わなくて良いだろう。
「みーちゃんが動揺してるのには彩夏ちゃんが可愛い以外にも理由があって、みーちゃんは実は切長彩夏の隠れファンだから無碍に出来なかったりする」
「分かりやすく俺を解説した上で秘密をバラさないでくれませんか!?」
「えっ……?」
ほらもう……彩夏が驚いてる。言うつもりは無かったんだが。
「ほら、実はこの本棚の奥にDVDとかあったりする」
「なんで分かるんだ!? 隠してたよな!?」
「ふふふ。みーちゃんの部屋なら、本棚の中から二重底になってる机の引き出しまで分かってるよ」
「なんで? おい、嘘だろ? 引き出しの方は鍵まで掛けてたんだぞ?」
「……? 小学生の頃教えてくれたじゃない? 鍵はペン立ての奥底に入れるって」
「あの頃の俺えぇぇぇぇ! 馬鹿正直にも程があるだろうがあああぁ!」
言われてみればそんな事を言った気がする。
『……零だけに特別に教えるよ』
とか言ってた気がする! クソが! やり直させろ!
そんな事を考えていれば……くい、と袖を引かれた。
「あ、あの……本当なんですかね? ぼ、ボクのファンって」
「……先に言っておくが、言うつもりは無かった。……事実だ。その、テレビや……ライブなんかは行ってはいなかったが、DVDなんかである程度見ていた」
「CDも持ってたよね。確か」
「………………そうだ」
何故知っているんだと言う言葉を飲み込んでそう言った次の瞬間……俺は抱きつかれていた。
「うぴぇっ!?」
「……みーちゃんから聞いた事の無い声が出てる」
「ボク……すっごく嬉しい……! 多分、アイドルをしていた中で一番……!」
……余談だが、切長彩夏はテレビの中では基本的に敬語だ。業界人は歳上が多いのだろうし、同い歳や歳下でも立場が上の者も居るだろうから。
そんな彼女は……否。彼女達のグループ【
目の前で、その口調を使われて……更に、今までで見た事が無い程に嬉しそうな顔をされて……
ファンとして嬉しくない訳が無いだろうが!
「ア……ア……ヨカッタデス」
「オタクが推しに会えた時の反応してるじゃん……」
「……本当に、ファンだったんだ……!」
良くない。非常に良くない。今までは軽口で誤魔化していたが。この距離感は良くない。
「もー! 零ちゃん、なんで言っちゃうのさ! お兄ちゃんが彩夏ちゃんのファンって知られなかったらこんな事も無かったのに!」
「ふふ。あーちゃんは分かってないよ。正々堂々とみーちゃんをうば……勝ち取ってこそ楽しく子供が作れるってもんだよ」
「あの!? 今不穏な言葉が聞こえたんですが!? 俺の自由意志は!?」
「……? もちろんあるよ? 私じゃない人を選ぼうとしたらねじ曲げるけど。世界を」
「規模でかくないか!? ループものの主人公かよ! ……そ、それと、彩夏。ちょーっと離れていただければなと思うんですが……ハイ」
そう言えば……彩夏はハッとして俺から離れた。
「ご、ごめんなさい……! え、えっと、その……ボク、興奮しちゃって」
「い、いや。大丈夫だ」
彩夏から思わず目を逸らしていると……零が星を見ていた。
「という事で次は星ちゃんの番だよ」
「え、いや。私はいーんだよ」
「……?」
ふと、何かひっかかるものがあった。
……星? そういえば昔、どこかで
「そんな事より未来君!」
「おお……?」
星がいきなり抱きついてきた。ぐにゅぅぅ、と胸が押し潰される。
「……」
しかし、星は何も言ってこない
「……? どうしたんだ?」
「いや、抱きついてから用事っぽい事考えようかなって思ってたんだよ。無かった」
「なんなんだよ! 意味の無い事をするんじゃねえ! 心臓に悪い!」
こっちだって思春期真っ只中の高校生だ。おっぱい星人だ。当てられたら心臓バックバクになるに決まってるだろうが。
「むー……! でも! なんかずるいよ! 私だけなんか除け者みたいで!」
「んな事知るか! 俺は割と平等に扱って」
「はい……おっぱいどん!!」
俺は乳に叩きつけられた。いや、だからなんだよこの言葉、人生で初めて使ったんだぞ。今日。
「むぐぐ……乳なんかに負け……」
「もいっちょドーン!」
「負け……」
「おまけにもいっちょ!」
「くっ……殺せ!」
「み、みーちゃんのくっ殺……考えて無かった……! くっ……みーちゃんのくっ殺処女奪われた!」
「おかしいな。零の言葉が何も理解出来ない。いや、いつも通……」
「追い討ちドーン!」
「あへぇ……」
「……! お兄ちゃんがレイプ目で情けない顔晒してる! 今日のオカズにしなきゃ」
「ぐ……みーちゃんがおっぱいに弱すぎる……」
男子高校生舐めんな。おっぱいに強い奴なんか居るわけないだろ。
「……ハッ! この凶器乳! ケダモノ!」
飛んでいた意識を取り戻したので星へとそう叫ぶが……星はニヤリと笑っていた。
「乳ドンって良いね。これまで動揺のどの字しか無かった未来君の顔がコロコロ変わるのは楽しいよ。これからも困ったら未来君にやろ」
「あ、あの……それは勘べ……」
四度目の乳に叩きつけられる。……うぅ。もう、お嫁に行けない……
「ああ! お兄ちゃんがお薬おせっせのエロ同人誌の最後のページみたいになってる!」
「あ、余りにも刺激が強すぎたみたい……後で特訓させないと」
「あ、第二弾のエロ同人誌の挿入シーンだ。なんだかんだ言いながら、結局お兄ちゃんがアヘ顔で気絶するまで搾り取られるやつだ……という事は三弾目は3Pになるやつだ。私知ってる」
「なんでそんなに詳しいんだよ! 十四歳!」
「あ、みーちゃん復活した」
思わず突っ込む為に復活してしまった。
「それと星! 乳ドン禁止!」
「えー!」
「えー! じゃない! とにかく禁止だ!」
「ちぇー。分かったよ。減るもんじゃないのに」
「減るよ! 俺のSAN値とか! 尊厳とか!」
口を尖らせて言う星へそう返す。くそ。その仕草でも可愛いと思えるのが男の性か。いや、これ乳に惑わされてるだけだなおい。
一人だけ黙っている彩夏を見れば……顔を真っ赤にしている。さすが清楚担当だ。
その時、彩夏が声を上げた。
「……あ、あの! 星ちゃん、そろそろ帰りませんか?」
「ん? また急だね。何か用事でもあるの?」
「いや、そういう訳では無いですけど……あんまり居たら未来さんの迷惑にならないかなって」
俺は別に迷惑だと思っていないが……普通にこれは帰りたいサインだろう。
「……乳ドンしてくる淫魔その三は帰った帰った」
「ちょ、ひど! ……というか淫魔その一とその二がよゆーで想像つくんだけど」
「その二人で合ってるぞ」
「ふふん。みーちゃんの初めてはもう譲らないもんね」
「なんで自慢げなんだ。こいつは……」
「もー。仕方ない。また今度来るからね」
「二度と来るんじゃねえよ」
もはや定番の返しだ。そのまま俺は玄関まで二人を見送り……
「てかなんでお前はまだ家に居るんだ」
「……? なんでって……私達結婚したでしょ?」
「ひょっとして別の世界線から来てる? 一パーセントの壁超えた?」
「ぐっ……あの世界線ではみーちゃんの童貞があーちゃんに……この世界線では……私が、絶対! みーちゃんを
「どっちにせよ結婚してねえじゃねえか。あと世界一恐ろしいルビ振ってんじゃねえ。あちらの世界線にお帰りください。早急に。今すぐに」
「ねえ! 零ちゃん! 向こうの私はどんなだったの!?」
「ん。あーちゃんはみーちゃんを快楽堕ちさせて性奴隷にしてた。それで私の目の前で犯してた。脳みそ壊れた」
「それなんてエロ漫画?」
「あっちの私凄い事してる……でも、大丈夫だよ? 零ちゃん。私がお兄ちゃんの童貞奪っても零ちゃんに処女はあげるから」
「おかしいなあ!? 男に処女は無いはずなんだけど!?」
「……? お尻だよ? アナ「言わせねえ!」だよ?」
「嫌だ! それだけは! 男としての尊厳が無くなる!」
「……? 例えあーちゃんに奪われたとしても、奪われなくてもどっちにしろ開発はするけど。何言ってるの?」
「え……? え……?」
「そんな事より」
「そんな事で済まされるほど俺のおしりは安いの!?」
「み、みーちゃん……ダメだよ。おしりが安いなんて。ヒモ女に貢ぐ為に体を売るのは脳が壊れ……あ、でもちょっとえっちかもって思ってる。揺れてる。私の中の天使と悪魔が戦ってる」
「頑張れ天使!」
「ちなみに天使が勝ったらみーちゃん甘々陵辱責めね」
「ちょっと魅力的だが前言撤回! 相打ち! 相殺! 共倒れしろ! 自分で言うのもなんだが俺が一番悪魔みたいな事言ってんな!?」
そうしたやり取りをしながら部屋へ戻ると……
俺は当然のようにベッドに押し倒された。
「薄々予想はしてたよ! 回避出来ねえのはなんでだ! 強制イベントか!」
「強制負けイベだよ?」
「運営! このゲームおかしい! 毎日強制負けイベントはプレイヤー居なくなるって!」
「ふふ。私達でまたプレイヤー増やそうね。未零ちゃんも待ってるよ?」
「やめろ! イマジナリーをリアルにしようとするな!」
そのまま零が服を脱ぎ始める。わざとらしく胸を持ち上げ……ばるんっ♡と。いやなんだよこの効果音。エロラノベかよ。♡多めの。
「それと……みーちゃん、星ちゃんに良いようにされてたよね?」
「あれは! 男子高校生ならば! 仕方ないと思います! あと新! こっそりズボンを脱がせようとするんじゃねえ!」
「チッ。バレた」
「あーちゃん! 諦めないで! 腕は押えとくから!」
「おいこら! 強姦魔その一その二! やめろ!」
足で新の腕を止める。割と強めに。
「あ、お兄ちゃんに足蹴にされてる。やん、えっちな気分になっちゃう」
「零! 新を救う世界線は無いのか!」
「無い」
「即答!?」
「という訳でみーちゃんの特訓をします」
「どういう訳で!?」
「みーちゃんが星ちゃんのおっぱいに負けないようにする特訓」
「だから、男子高校生には無理だよ!」
「無理なら何度もやる。私が得するだk…………みーちゃんの精神が鍛えられるし」
「待って? 今欲望ダダ漏れだったよね?」
「……うん。そうだけど? 文句ある?」
「開き直んな! 文句しかねえわ!」
「うるさい! いいから次の三択から選んで!」
「理不尽!?」
そして、零が指を一本立てた。
「一つ目! 犯されながらおっぱいビンタの刑!」
「特訓じゃなくて刑罰じゃねえか!」
「二ツ目! 犯されながら乳ドンの刑! 別名ぱふぱふ!」
「怒られる! 怒られちゃうから! 乳ドンで終わって! いやそもそも犯さないで!」
「三つ目! 甘々授乳射精禁止プレイ!」
「もう欲望全部漏れちゃってるよ。お寺行く? 一回世の中の俗から離れない?」
「一回行ったけど追い出されちゃった……『煩悩が強すぎるので無理です』って」
「まさかの経験済み!? 坊さんが匙を投げるの!? 世界一投げなさそうな人達だよ!?」
「ふふ。みーちゃん。お坊さんが使うのは匙じゃなくて箸だよ」
「やかましいわ! あとこっそり乳を近づけてくるんじゃねえ! 圧が凄いからバレバレだよ!」
「なら仕方ない」
「むぐっっ!?」
零のおっぱいに埋もれる。柔らかさと甘い匂いが脳内を駆け巡る。
「……わ、わ……! お兄ちゃんのがどんどん大きく」
「むぐー!(離せ!)」
「え? もっと? ……ふふ。みーちゃんったらえっちなんだから」
「むぐぐ!(特訓っていう建前すら消えてんじゃねえか!)」
「やん、もう。そっちはえっちな所だよ?」
「ぐむむ(お前が押し当ててるからだろうが!)」
くそ、このまま欲に負けて揉みしだいてやろうか、とも思わない訳でも無いが。それは零の思うつぼだろう。
「わ……ズボンの上からでも分かるぐらいおっきくなって」
「むぐ!(解説するんじゃねえ!)」
新の方もどうにかしなければ。もう無いにも等しい兄の尊厳がマイナスになってしまう。
一度落ち着こう。今やるべき事は?
「私とあーちゃんを襲う?」
「がう!(心を読むな! それと正反対だわ!)」
「ぎ、逆!? じゃ、じゃあ……私と零ちゃんでお兄ちゃんを襲う……!? 許可出たよ! 零ちゃん!」
「よしきた」
「来るな! 出してねえ! それと当たり前のように心を読むな!」
どうにか一瞬の隙をついて零から脱出した。
このあと四時間かけて説教した。
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