第8話 え? フ〇ラの極意を愛娘に教える所だけど
「まあまあ。とりあえず話させて」
「……くそ。続きを聞いてみたい俺が居るのが今世紀最大の恥だ」
ニヤニヤしてくる零を見てそわそわしてしまう。ちょっとでも零が話す過去の話が気になってしまう……くそ。何故だ! 鎮まれ! 俺の全身! 震えを止めろ!
「ふふ。みーちゃんは私なしじゃ居られない身体になってるんだよ」
「う、うああああ! いやだあああ!」
「ほらほら。素直になろ言ってみよ?『俺は将来零と結婚します』って」
「お、俺は……って何言わせようとしてんだよ!」
「チッ。あと少しだったのに」
零がポケットからスマホを取り出して録音を切った。
「……いつもこんな感じなの?」
「いや? 今日は星達も居るから控えめだぞ。いつもなら半裸か全裸でベッドに押し倒されたり新が押しかけてきたりしている」
「えぇ……?」
本格的に星と彩夏が引いているが……正直俺はそっち側に居るはずなんだが。そんな目で見ないでくれ。こうふn……
待て。今俺は何を……?
「あ、みーちゃんがドン引かれて喜んでる」
「よ、喜んでねえよ!?」
「え? でも興奮してる匂い出てるよ?」
「ひょっとして犬ですか??? いや、でも無いか。年中発情期だし」
「ふふ。私は四六時中みーちゃんを受け入れる準備は整ってるよ。出会ったと思ったらセッ〇スとかも出来るよ」
「時間飛ばしてるじゃん……世界一嫌なキ〇グ・クリ〇ゾンの使い方だよ。というかお前の準備が出来てても俺が無理だわ」
「……? 出来るよ?」
「怖ぇよ。真顔で言うんじゃねえ……って話が! 進まねえんだわ!」
思わず肩で息をする。
「ふふ。私は好きだよ? このやり取り」
「くそ。言いたくねえ。俺も嫌じゃないとか」
「相思相愛だね。一緒の墓入ろ。てか入れるよ?」
「言い方が殺人鬼のそれ!」
「ふふ。夜道には気をつけるんだよ?」
「え? 俺死ぬの? 殺されるの?」
「
「いやだ! 腹上死だけはいやだ! 豪に葬式で笑われる!」
「……話の続きは?」
星に言われてハッとなる。
「よし、零。続きだ。俺はもうツッコまん。嘘だ。ツッコミはする」
「分かった」
「結局零ちゃんが話すんですね……」
――――――
あれは、私達がラブホ一ヶ月耐久孕むまで帰れま10(毎日10発はするの意)の帰りだった。
(なんか増えたなぁ!? 中学生で恐ろしい企画やってんじゃねえよ!)
「ふふ。楽しかったね」
「……ああ。とは言っても、最初の頃はやられっぱなしだったが」
「でもおとーさんもおかーさんもすごいきもちよさそーだった」
「ちょっと待てぃ!!」
――――――
「もー、何? みーちゃん。止めないって言ったじゃない」
「あのな? 零。何事にも限度って物があるんだよ。知ってるか?」
「愛は限界を超えるんだよ、みーちゃん」
「こんな事で限界超えてんじゃねえ! てか誰だよ! 最後の!」
「……? 私達の娘の未零だよ?」
「なに当たり前のように言ってんだよ! てかラブホに娘連れて行くんじゃねえ!」
「だって……まだ五歳だし。愛する娘と一ヶ月会えないのは……」
「待って? それだと零が小学校五年生とかで産んでる事になるよね?」
「そうだよ?」
「そうだよ? じゃねえよ! 性の目覚め早すぎるだろうが! というかイマジナリー子供作ってんじゃねえ!」
「なら現実で子供作る?」
「生意気言ってすんませんしたぁ!」
……と、俺が言うと、零がやれやれと首を振った。やっぱり殴ろうかな。
そして、零はこほんと咳払いをした。続きを話すらしい。
俺は振り上げた拳をおろし、ピクピクとしたこめかみを押さえるのだった。
――――――
「みれいもこんどはおとーさんとおかーさんきもちよくしたい!」
「ふふ。なら今度は三人でやりましょうね」
(倫理くん仕事して! おまわりさんこっちです!)
(どうも。おさわりまんです)
(誰だよ!? てか零かよ、ボケんな! 話に戻れ!)
(さすさす)
(やめろ! 触るな!)
そうしてみーちゃんの体におっぱいを擦り付けながら帰り道を歩いてたら、みーちゃんのみーちゃんがおっきくなったので路地裏に入り込んだ。
「未零、折角だから男の人の気持ちいいところ教えてあげる」
(おい……? 嘘だよな? 嘘だと言ってくれ)
「わーい!(わーい! じゃねえよ!? どんな五歳児だよ!)」
私は未零の頭を撫でて、みーちゃんのズボンのチャックを開ける。
ボロン、と音を立ててその逸物が出てきた。私はその根元の方から舌を這わせ「カーーーーット!」
――――――
「何話そうとしてんの!?」
「え? フ〇ラの極意を愛娘に教える所だけど」
「本当に何をしてくれてんの!? 存在しない娘にした事ないフ〇ラを教えるって何なんだよ! もう意味わかんねえよ!」
「ふふ……本当にした事ないと思う?」
「……え?」
零が薄目でニヤニヤと笑う。
……そういえば、今日の朝。俺を起こさなかったら普通にされてたよな。
「お、おま……まさか」
「まあ、した事ないんだけど」
「意味深な言い方をするな! いや、無くて良かったんだが」
視界の中に居た星達もホッとした顔を見せていた……無視だ。気づかないフリをしよう。
「襲うのは簡単だけど、どうせならみーちゃんに『俺の事を……襲ってください』って言わせたい気分だったし」
「歪んでんな!? というか零の気分次第で俺の貞操は危なかったのかよ!」
「ふふ。今日もみーちゃんが起きなかったら今頃は……」
「朝の俺ナイス! 天才! 神! この調子で明日からも起きるぞ!」
無視だ。奥で「私も朝来れば……イタズラ出来るんだよね」とか、「朝……ですが、えっちなのは……ボク、でも!」とか、「お兄ちゃんの初めて……じゅるり」とか聞こえてるが! 無視だ! 現実見たくない!
「それじゃ続き話すね」
「ああいうシーンはカットな? 消されるから」
「もう……しょうがないな。……ん? もしかして、消えれば私達の物語って永遠に終わらなくなるの……?」
「死より怖い概念を持ち出してくるんじゃねえよ!」
「まあ、それは置いといて」
また、こほんと零が咳払いをした。……続きを話すのだろう。
俺は長く、深く息を吐いた。
――――――
そうしてみーちゃんから三発ほど絞り取った頃合に、みーちゃんに頭を掴まれた。
「……零。今、奥に人影が見えた」
「……! もしかして見られてた?」
「そういうのでは無い。……男が……俺達と同じ歳ぐらいの女の子を奥に連れ込んでたように見えたが……」
不穏な雰囲気だ。私はみーちゃんのみーちゃんを仕舞って立ち上がった。
……みーちゃんのはおっきいからちょっと苦労したけど。
(ちょっとリアルなのやめてくれない!?)
「行くんだよね」
「ああ……とりあえず行ってみる。何の問題も無ければ戻ってくるから、零はここで待っててくれ」
「やだ。行く」
「……だが。もし危ない事があれば……零も、未零だって」
「じゃあ未零にはドロンしてもらう」
(!?)
未零を見て微笑むと、笑顔で頷いた。
「じゃーね! おかーさん、おとーさん」
そして、未零はドロンと煙と共に消えた。
(何が!? 何があったんだ今!?)
(だって……あの子居たら私が行けなくて事実と変わっちゃうし)
(最初っから事実と違ったけどな!? というかそれなら最初から出すなよ!)
「それじゃみーちゃん。行こっか」
(おいこら! 逃げんな!)
「あ、ああ」
(想像の中の俺ですら引いてんじゃねえかよ)
それで、みーちゃんが先に路地の奥へ向かった。それに続いて歩いてると……
「やだっ! やめてください!」
「おお。やっぱり本物の切長彩夏じゃねえか。ツイてるわ。初レイプの相手があのアイドルなんてよ。やっぱ枕とかやってんのか?」
路地の奥からそんな声が聞こえた。思わず体が固くなる。
「……零。ここで待っててくれ」
「でも」
「周りを見張っておいて欲しい。おかしい男が来たら叫んで知らせてくれ」
「……分かった」
私は渋々その言葉に頷いて……でも、みーちゃんが心配で。
「みーちゃん」
「……なんだ?」
「もし傷一つでも付けてきたら、(自主規制)して(自主規制)した後に(自主規制)するからね」
私の言葉にみーちゃんがずっこけそうになった。
「お、お前な……」
「暗い雰囲気はみーちゃんには似合わないから。サクッと助けてきて」
そう言えば、みーちゃんが何かに気づいたような顔をして……笑った。
「ああ。分かったよ。行ってくる」
そう言って、みーちゃんは声の方へ向かった。
――――――
「という事で私はどうやって助けたのか分からないから。続きはみーちゃんお願い」
「おお……後半……本当に最後の方は普通に話してくれたんだな。自主規制は入れないといけなかったが、実際言われた事だし」
思わずそう言ってしまったが……零は俺を、そして…………彩夏を見て、微笑んだ。
「ん。彩夏ちゃんの大切な思い出だもん。あんまりふざけられないよ」
「……零ちゃん」
そうだ。零はこういい所があるのだ。
思わず、昔のように頭を撫でてしまった。零は嬉しそうに目を細め……
「惚れた? 惚れ直した? 結婚する? 」
「上がった株が大暴落だよ。会社潰れるよ」
一度ため息を吐き……俺は零から手を離した。
「零ちゃんばっかりずるい! 私も頭撫でて! お兄ちゃん!」
「よしよし。来世でやってあげような」
「わーい! 来世でもお兄ちゃんと一緒だ!」
「我が妹ながらどんなメンタルしてんだよ……」
喜んでる新はさて置いて、話を続けよう。
「それじゃ、残りを話しきるぞ」
――――――
路地の奥には、横へ抜けると袋小路となっている場所があった。
そして……周りから隠れるように、薄汚い格好をした男が、一人の少女へ迫っていた。俺には気づいていないらしい。
「ぐへへ。良いか? 声出すんじゃねえぞ?そん時ゃこの細い首へし折るからな」
「……ッ」
……どうやらかなりピンチらしい。俺は気づかれないよう、ゆっくりと近づく。
……あと少し。その時、その少女と目が合った。
とても綺麗な目をしていた。
俺はハッとして唇に指を一本立てた。少女は……俺を見て、しかし無視をした。
よしよし。
「どぅぶぐへへ。今俺のでけえモノを見せてやんよ」
どんな笑い方してんだよ。ヘドロのモンスターかよ。……この例えあまりピンと来なかったな。口に出さなくて良かった。
男がズボンに手をかけたその瞬間、俺は一歩を踏み出し……
「はうんっっっっ!」
その股間を思い切り蹴りあげた。やってる俺が言うのもなんだがクソ痛そうだ。
「お……おぉ」
「アンタ、行くぞ! 走れ!」
「え……? あ、は、はい!」
しばらく動けないだろうが、周りに仲間とかも居るかもしれない。
俺は彼女の手を取って走り出した。
「零! 大通りまで出るぞ!」
「え!? 出すの!? 大通りで!?」
「ふざけてる時間は……いや、あるのかないのか分からんが! とりあえず行くぞ!」
「分かった……! 私もイクね……!」
「なんか微妙に噛み合ってねえなぁ!」
零はそう言いながらも周りは見てるし、俺よりも足が速いのでこれ以上は何も言えない。
そして、そのまま路地を抜けて大通りへと出る。
「……とりあえず、これだけ人が居れば大丈夫だろう」
周りは若い人から歳をとっている人まで様々で。……恐らく問題ないはずだ。
少女を見ると、顔を赤くしていた。走って疲れたのだろうか。
「あ……あの」
「みーちゃん。手」
零に言われて気づく。俺はまだ手を繋いでしまっていたのだ。
「ああ、悪い」
「い、いえ! その、大丈夫ですよ」
パッと手を離すと……少女は顔を赤くしながらも首を振った。
「……とりあえず、怪我とかは大丈夫か?病院なんかは……」
「い、いえ! 大丈夫です! それより、助けてくれて――」
「こんな所に居たんですか! 彩夏さん!」
その時、一台の車が止まり、眼鏡を掛けた……いかにも秘書っぽい人が出てきた。
「……北川さん!」
「もう、いきなり居なくなったかと思えば…… !ほら、次のスケジュールが入ってるんです! 早く行きますよ!」
「で、でも……この二人に「一般人になど構っている暇はありません!」」
その秘書っぽいひとはそう言ってその少女の腕を取って……連れ去って行った。
少女は、申し訳なさそうな顔をずっと俺達に向けていた。
「……なんだったんだ? 今の」
「あれ? みーちゃん知らないの? 最近有名になってきた。切長彩夏って子」
「アイドルか何かなのか?」
「ん。そうだよ」
そういえば、あのおっさんがアイドルがどうのこうのって言ってたな。
「まあ、俺に関係ある話でもないか」
「みーちゃんは私だけ見てれば良いからね。……ん? もしかして、みーちゃんが私を見ている間に目をくり抜けば、みーちゃんは最後に見た私の記憶を脳に焼き付けるんじゃ……?」
「おいヤンデレ。その時は逃げるからな」
「ふふ。本当に逃げられると思ってる?」
「怖いって! 今心の奥底にあった本能的な何かがゾワッて逆立ったから!」
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