第3話 人気者
Bちゃんがクラスで目立たなくなっていくのと逆に、Aちゃんはどんどん人気者になっていった。友達も沢山いて、Bちゃんがいなくても困らなかったから、AちゃんはBちゃんに全然話しかけなくなっていた。Aちゃんの周囲にはいつも人が集まっていて、ファンクラブのメンバーもますます増えていった。他のクラスの子も加わって、30人ほどになったとか。
Aちゃんは性格がよくて、天狗にならなかったから、こういうタイプの子には珍しく、同性からも好かれていた。
もちろん、男子にもモテモテ。クラスの男子の半分以上がAちゃんを好きだった。
多分、担任の先生もそうだったと思う。先生も独身だったから、よくAちゃんと喋っていたそうだ。Aちゃんは会話がうまくて、一緒にいて楽しいタイプだったんだろう。俺の人生を思い出しても、こういう子っていなかったから、珍しいタイプだ。
俺は昭和40年代生まれだから、中学の頃は男子と女子はほとんど喋らなかったし、一緒に遊んだりとかはなかった。
今はそうじゃないということだ。クラスの全員がスマホを持ってて、ラインをやってる。クラスLineがあって、陰キャ以外は全員Lineグループに入っているそうだ。陰キャでもいいじゃないかと思うけど、今の子の価値観ではダメらしい。
海外の記事で読んだけど、学校の人気者は卒業後はぱっとしない人生を歩んでいるパターンが多いそう。人生楽勝だと思ってるから、考えが足りない、あまり努力しないタイプの人になってしまうみたいだ。だから、別に陰キャでもいいと思う。俺は今の日本の学校はあまり好きじゃない。
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