第3話 美術教師 悠木先生

先生にとって私は大切な存在。そうに決まってる。私が初めて先生のとこに行った時から、

先生は私に夢中だ。先生が嫌いだと指差した絵の人の眼はすごく私に似て空っぽだった。だからなんか悔しくて見る目ないねなんて言っちゃった。私もあの絵大嫌いだよ。先生。

そのあと先生に理由を聞かれたけど先生の中の私はあんな風じゃないからとてもじゃないけど「似てるから」とは言えなかった。

毎日通うようになってからと言うもの先生はすごく優しくなって何でも話してくれて私を心から笑顔にしてくれた。こんなに素で笑顔になれたのは初めてに近い。毎日が楽しくて、昼休みのために学校に通っているようなものだった。

美術の授業での先生とは違う顔の昼休みの先生はとっても魅力的で素敵だった。

先生のおかげで私は生きるのが楽しくなった。

でも苦しくもなった。

私は好きな人なんて作っちゃいけない人間なの。人を愛したら愛されない事がもっと辛くなってもっと空っぽになってしまう。

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