6月9日

6時間目の授業が終わり、僕はバックを持って帰ろうとした。するとクラスの1人がみんなを呼び止めた。

「なぁ、明日体育祭だからみんなで練習しないか?」

そう言うとクラスのみんなは賛同して、バックをおろしグラウンドへ走っていった。正直、僕は早く帰りたかったが、空気を壊す訳にもいかず練習に参加した。午後4時に始まった練習は夜の7時まで続いた。終わる頃には僕は歩くのがやっとになっていた。

やっとの思いで家に着くと、力尽きたかのように勢いよくベットに座り込んだ。しかしさすがに汗臭かったので風呂に入り、ご飯を食べていつでも寝れるようにした。やることは全てやった。あとは寝るだけだ。そう思い布団に入った。強い眠気が僕を襲った。その時だった。ピコンと携帯がなった。

「誰だこんな時に」

僕はイライラしながら携帯を見た。その瞬間まぶたが上にあがり眠気などどこかへ消えてしまった。彼女からのLINEだった。

(こんばんわ、夜にごめんなさい。練習お疲れ様でした。怪我などは大丈夫ですか?明日頑張りましょう!)

丁寧な言葉使いで書かれたメッセージを見ると、僕の頭の中から疲れたという文字が消えてしまったような気がした。僕はなんと返信しようか迷った。

(こんばんは、そっちこそお疲れ様でした。今日の感じを見ると明日は優勝も夢ではなさそうですね。怪我に気をつけながら明日、頑張りましょう!)

慣れない言葉使いで打ったメッセージは少しぎこちなく、読み返してみると少し恥ずかしくなった。あまりにも変な気持ちになり僕は急いで、

(明日のためにお互い早く寝た方が良さそうですね。今日はお疲れ様でした。おやすみなさい。)

と打って布団に潜り込んだ。既読はすぐに着き、彼女から

(そうですね。おやすみなさい)

と返ってくると僕はますます恥ずかしくなった。

僕は布団を出ると大きく深呼吸をして前を真っ直ぐと見た。そしてあることを決意した。僕はものすごい緊張と共に明日が待ち遠しくなった。夜明けまでまだ時間はある。僕は布団に潜り目を瞑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る