第119話 サードステージ3

◆惑星イオ京都駅??

カーナ視点


わなわなわな。


な、何という事でしょう!?

惑星イオ京都駅ターミナルを降り観光モードに変換した(カーナだけ)私達を待っていたのは、延々と続くバスとタクシーを待つゴーストゾンビの長蛇の列。

バス停やタクシー乗り場は遥か遠く、何時間掛かるか分かりません。



「カーナ様?何を震えているんです?」

「気にする事ないのじゃオルデアン。さっきもナゴヤ▪バクハツって雄叫びを上げておったぞ」

『ふむ、最近のあるじは情緒不安定だ。オバチャン雪ウサギが言っていたコーネンキ?かも知れん』


「誰が更年期?!せめて思春期にって一歳でどうして更年期じゃい!」

「おおカーナたん、まだ一歳だったのじゃ?ダッコするのじゃ」


ニヤリと笑って手を出す和服幼女。

えっ私今赤ちゃん扱いされたんでしょうか?六歳幼女に赤ちゃん扱いされるって誰得?!


「あ、あら、お嬢ちゃん、誰が一歳っていいました?私は実は21歳。アナタからしたらずっとお姉さんなのよ」

「21歳?なら、おばさん?じゃ?」


「はい??」

「誰かが言っとったぞえ。20過ぎたらおばさん、30過ぎたらアラサー?三十路?」



what!?誰です?六歳和服幼女にそんな事吹き込んだの?!



ピロン

◉アラサーは アラウンドサーティaround 30の略で、30歳前後の年代を指します。 一種の外来語として定着してます。



ナビちゃん要らんわ、そんなウンチク?!




((そーなのよ、ウチの娘が未だにご縁がなくてね、ずっと家に籠りがちだから))



んん?タクシーを待つゴーストゾンビの中、オバチャン達の会話が聞こえます?



((それは大変ねぇ))


((そーなのよ。(実家暮らしアラサー)って一番ヤバいっていうでしょう?このままいったらすぐアラフォーだし結婚しなさいって追い立てるとヘソ曲げるし困っちゃって))




いや、アンタラかい!?

情報源はあのオバチャンゾンビ達でした。

うあー、前世親から耳タコ出来るくらい聞いたかも知れない世間話。

止めなさ━━━━━━━━━━い!



『 それであるじ、これからどうするのだ?』

「ヒューリュリ様でもダンジョン出口が分からないのでしょう?なら、前に進むしかありません、よね?」

「カーナ様、別の乗り物に乗るのですか?」

わらわはタクシーとかいうのが乗りたいのじゃ!」


「タクシープールにタクシーはありません。はぁ、タクシーは諦めです」

「では、バスっていう乗り物に向かいます?ゾンビの皆さんが三列で長い行列を作ってますけど……」


あらあらあら、すっかり乗り物に慣れたオルデアンちゃん。宇宙新幹線での経験でもう未来の乗り物に驚く事はないようね。

何か純心幼女が現代社会に毒されていくのを見てる様で悲しいわ。


「大丈夫よ、オルデアンちゃん。長い行列でもバスダイヤが過密ならすぐに解消されるから。先ずは時刻表を確認よ」

「じこくひょう?」


「バスの発着時間を前もって確認できる表があるのよ。ちょっと見てくるから」

あるじ、楽しそうだな?』


「そりゃそーでしょ。せっかく観光地ダンジョンに来たんだから楽しまないと損だわ。時間は有限、人生は楽しくないとね」

わらわもついて行くのじゃ!」



と、いう事で、織姫おりひめちゃんとゾンビ行列五百メートル先頭に来た私達。

真っ青な顔で時刻表を眺めてました。



「一日、二便??!」

「にびん?とは何じゃ?」




惑星イオ京都駅→惑星イオ清水寺行9時30分発。

惑星イオ清水寺→惑星イオ京都駅着18時。




いや、これ往復一便って事だよね?!

駄目じゃん!


「うわぁ時刻表がえげつないわ。これじゃあ徒歩で行った方がマシよ!」

「とほ?バスに乗らないのじゃ?」


!仕方ないから歩きで行きます。先ずはせっかくだから惑星イオ京都タワーね」

「惑星イオ京都タワー?そこにある高い塔なのじゃ?」


「そうよ。高い所から町並みを見るの。観光の基本よ」

「行きたいのじゃ!」



スタッスタッスタッ

バタバタバタバタバタバタッ


あるじ、何処に行くのだ?』

「はぁはぁはぁっカーナ様!」



お、丁度いい所にヒューリュリ様、オルデアンちゃんが息切らして駆けてきます。

このまま皆でスタート切れますね。



「ヒューリュリ様、オルデアンちゃん、来ましたね。私は観光計画を定めました。この際近場の観光名所からレッツゴーです。さあ行きますよ!」

『だから何処に行くのだ?!』

「其処のタワーに登るのじゃ。行くのじゃ、オルデアン」

「あ、待って織姫おりひめちゃん!」



観光の定番?惑星イオ京都タワー展望台。

高さ131メートルだけど周りに高い建物がありません。

なので広く見渡せる事請け合いです。


先ずは惑星イオの全体像からチェックです。

観光案内所にも向かいましょう。



ゴーゴーレッツゴー、ヤッホー!



















チャキッ

『…………浮カレテンジャネーゾ、オ前ラ』

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