第31話 レベル11(お茶 )

◆ヒューリュリ視点


カミカミ、カミカミ、カミカミ、カミカミ

あるじーーーーーっ!


あああ、我は今、この上ない至高の幸福感の中にいる。

早く、早く、早く、この幸せをあるじと共に分かち合いたいのだ。

急げ、急げ、急げ、あるじの元に。

あるじ、ああ、僅かな花の匂いがする。

もうすぐだ。

もうすぐ、あるじに会えるのだ。

会ったら、直ぐに一緒にするのだ。

あのカミカミを。

カミカミをカミカミしてカミカミしながらカミカミするとカミカミがカミカミでカミカミなのだ。

そしてさらに、カミカミをカミカミしてカミカミしてみたらカミカミなカミカミがカミカミでカミカミにカミカミだとカミカミになるのだ。

ああんーーーーっ、あるじの匂いをかぎながらするカミカミはカミカミをカミカミしてカミカミしながらカミカミするとカミカミがカミカミでカミカミなのだ。

以下同文。


はあ、はあ、はあ、はあ、もうすぐ、もうすぐだ。

もうすぐ、あるじとカミカミ出来る場所に着く。

すっかり日も暮れたが、我の鼻は此方で間違いないと言っているのだ。

もうすぐだ!

あの先の雪の広場だ。

間違いない。

このまま進めば良いのだ。

?!

おおお、視界がいつものように変わった!

現れたのは、当たり一面の花畑だ。

前より随分と広くなっている!?

あるじ御力おちからによるものか。

流石さすがあるじだな。

しかし、あるじは何処にいるのだ?

お姿が見当たらない。


あるじーーーーーーーーーーーっ!どこであるかーーーーーーっ!」


い、いない!?

まさかそんな……あの人間の仕業か!

は!?

なんだ、あの家は??

花畑の向こうに、木を組んだ家が見える。

しかもあるじの匂いは、あの家から匂うではないか。

おお、あの家も、あるじ御力おちからに違いない。

あるじーーーーーーっ!

今、参りますぞ。

直ぐに我は、手前の花壇をジャンプすると、その木の家の入り口のドアにたどり着いた。

我は、すぐさまドアのノブを回す。

開かない、そ、そんな!?

そ、そうだ。

あるじあるじを呼べばいいのだ。

え、ええと、まずはドアを叩くのだ。


ドンドンドンッ、ドンドンドンッ

「あ、あるじーーーっ!我なのだ。ヒューリュリなのだ。今、戻ったのだ。開けて欲しいのだ」


早く、早く、あるじの顔が見たいのだ。

一緒にカミカミするのだ。

カミカミ、カミカミ、カミカミ、するのだ!

カミカミ、カミカミ、カミカミ、カミカミ、

カミカミ……………?


まだ、ドアが開かないのだ。

あるじ、聞こえないのだろうか。

なら、もう一度、叩くのだ。


ドンドンドンッ、ドンドンドンッ

「あ、あるじっ!我なのだ。ヒューリュリなのだ。今、戻ったのだ。開けて欲しいのだ。お願いなのだ!!」


『勧誘お断りよ、一昨日おととい来やがれです!!』


「あ、ある…じ、一昨日おととい?!」

一昨日おととい…どうやったら一昨日おとといにドアを???

な、なんで一昨日おとといに来る事が出来るのだ?

わ、我の知る魔法で一昨日おとといに戻る魔法なぞ無いぞ。

し、しかし、我があるじが我に嘘なぞつきようはない。

し、しかも、従魔ティムされている我には、あるじの命令をこばめない。

あああああ、あるじあるじあるじ!!

我にどうしろと?!


ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああるじーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!?



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



◆カーナ▪アイーハ視点


う~ん。


私は両手を上げて背伸びをします。

朝日が清々しいです。

昨日は本当にぐっすりと寝れました。

やっぱり羽毛は違います。

アヒルさん達、感謝です。

それにしても、拡大版【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】はいいですね。

窓をあければ、お花畑。

最高の環境です。

こんな気持ちのいい朝は、モーニングティーを用意したいですね。

あ、お茶がなかったんでした。

どうしましょ。

ああ、お茶の苗木があるんでしたね。

けれど、お茶の苗木からお茶になるまでの時間って、どのくらいかかるんですかね。

少なくとも、今朝けさのお茶の時間には、間に合いそうにありません。

でも、ここでお茶の苗木を植えなければ、いつまでも、お茶が飲めない事になります。

オーケーです。

朝の運動がてら、やっておきましょう。


まずは、お茶の、苗木を地面に植えてと、それでは始めますか。

私の目の前にあるのは、お茶の苗木。

ええっと、お茶の育て方は?

教えて、教えて、私のナビちゃん。


▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩

日当たり▶置き場所は 日のよく当たる場所~半日陰で育ちます。

温度▪▪▶寒さには強い方ですが、霜に当たると枯れてしまうことがあるので、冬は株元を腐葉土やワラで覆うと安心です。 でも夏の方がつらいようです。日当たりが良い場所に置いていると、葉焼けしてしまって、焼けた部分が枯れてしまいます。暑い時期は日陰に置いた方が良いでしょう。

土▪▪▪▶土は、市販の野草花用培養土を使い、鉢底石を敷きます。根に付いた土は崩さず、苗を容器の中心に置き、苗の周りに土を入れ、株を安定させます。水は、たっぷりと水やりをし、土の表面にワラを敷き、乾燥を防ぎます。

(※種類はチャノキになります)

▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩


よし、よし、これを、お茶の、【成育空間システム化】。

「いいかな?いいよね?それじゃあね、今から、今から始めるよ」


私は、ふわっと飛んで、お茶の苗木の上、何もない空間からタンバリンを取り出します。


「はいよ、踊るよ、大地の息吹き。あなたが咲くとみんな幸せ。私の声が聞こえたら、どうか応えて下さいな。あなたの幸せが、みんなの幸せ、みんなで、みんなで幸せになろう。タン、タン、タ、タ、タン、タン、タン、タン。タン、タン、タ、タ、タン、タン、タン、タン」


私がタンバリンを叩くと、私の背中のチョウの羽から、銅色鱗粉舞い落ちて、みるみる、お茶を包みます。

ほら、ほら、ほら、ぐんぐん芽が出る、葉が伸びる。

あっという間に、お茶の、綺麗なお花が開花する。

これが私、花妖精、私だけの力です。


ほら、白い小さいお花が、お茶の花です。

お茶はツバキ科の植物で、白ツバキにそっくりな花をつけるんです。

大きさは直径3から5cmぐらい。 一般的なツバキよりはやや小ぶりですね。


お茶の花は食べることができ、天ぷらにして食べたり、煮詰めてお茶漬けの具にしたり、という地方もあるそうです。

さらに茶の葉と同じく、煎じて飲むこともあるそうですよ。


お茶の花は10月~11月の下旬に咲くのですが、咲いたままにしておくと、茶葉に栄養分が十分にまわらなくなってしまうため人為的に取られてしまいます。

そのため、目にすることがなかなかないんです。


さて、これでレベルが上がったかしら?


ピロンッ

『レベルが11になりました。【銀色の羽根】が解放されました。スキル【言語理解】を獲得しました。スキル【花召喚】が解放されました。スキル【バスタブ温泉セット】がお煎餅せんべいの家に統合されました』


▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩

名前▪▪▶カーナ▪アイーハ(異世界転生者)

レベル▪▶11(?)

種族▪▪▶花妖精(新種族)

羽根▪▪▶銀色

容姿▪▪▶金髪▪碧眼▪白い肌▪長耳

衣服▪▪▶春のワンピース(淡ピンク)

性別▪▪▶女

年齢▪▪▶1歳(寿命未設定)

身長▪▪▶10cm

体重▪▪▶秘密

バスト▪▶絶壁(成長次第)

ウエスト▶これから(さあ?)

ヒップ▪▶まだまだ(ガンバ)

特技▪▪▶タンバリン応援(?)

スキル▪▶亜空間収納

スキル▪▶言語理解

スキル▪▶銀鱗粉【回復】

スキル▪▶【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】直径50m

スキル▪▶お煎餅せんべいの家(毎日【お煎餅せんべい】が出るお茶請け皿付きの家)(バスタブ温泉セット)

スキル▪▶ご褒美セット

スキル▪▶テイマー

従魔▪▪▶聖獣フェンリル(個体名ヒューリュリ)

スキル▪▶花召喚

召喚可能▶ガーベラ◇チューリップ◇オオイヌノフグリ◇フリージア◇エーデルワイス◇菜の花◇ヒヤシンス◇大根の花◇大根(根)(ぬか漬けセット付)◇向日葵ひまわりの種◇お茶の木

▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る