第3話

「今日は巨人負けたのかぁ」


テレビのスポーツニュースを見ながら、餃子を食べる。

少し加熱しすぎた餃子を、ビールで一気に流し込む。この瞬間がたまらなく幸せだ。


飲んでも飲んでも喉が渇いている気がして、

お酒を飲むペースが止まらない。

夏で暑くなっているからだろうか。

窓を開けると涼しい夜風と共に、駅前にいた若者たちの声が聞こえる。


本当はそういう生活をしたかったのになぁ。

なんて、哀愁をただよわせながら瓶からウイスキーを飲む。


気づいたら寝てしまっていたみたいだ。

慌てて携帯を見る。

時間はまだ1時ごろ。

唯愛から連絡が入っている。

「やっぱり、今日行くね」

なんだよ、いまさら。

でも、姿が見えない。

飲みすぎたからかトイレがしたい。

窓を開けていたから、冷えたのかもしれない。

ふらふらと窓に向かって歩を進める。

窓の外は雨が降っているようだった。

部屋に視点を戻すと、


赤い???


ひらひらと滲んだような


目の前が少し湿っぽい


魚、、?


遠くで大きな音がする。

激しい色彩が目の前にくる。


脳に直接音がくる感じがする。


何をしようとしていたんだっけ。

あぁ、トイレだ。


用を足して、目を凝らすと、

やっぱり赤い魚が目の前にいた。


魚と言っても足が生えてる。

辺りが暗い。

あぁ、これは悪い夢なんだ。

いつも見ている悪夢。

赤い魚、それだけが鮮やかで、

やっぱり外はうるさかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る