プロジェクトの進め方
開発が始まってからの作業はずっと一人だった。スタイルは担当PMによってかなり異なるらしいが、私の担当PMは基本的に放置してくれる。とはいえ必要なら相談することもできるので、不必要に干渉されないのは開発だけに集中できてありがたい。
あとから聞いた話では、頻繁にミーティングを行って方向性を相談したり、細かく指導してもらうプロジェクトもあったらしい。一般論としてはそちらのほうが無難だろう。PMは優秀かつすでに実績がある人たちで、一方クリエイターはほとんどが経験の浅い学生なのだ。
だけど、私はきっとそれに耐えられない。PMがその方針を取るのであれば、最後まで続けることすら困難だろう。PMとの相性は大切だ。
役所のやることだから、事務処理は煩雑かと覚悟していたが、予想に反して手厚いサポートがある。堅苦しい書式に落とし込む必要もなく、自分でやることは最低限に抑えられていて、事務局側で処理してもらえる。
コミュニティ形成や動機との交流を推奨している節はあったが、特に強制されるわけでもないのであまり交流していない。最初のうちはそれでも多少は交流しようとしてみたが、結局途中からはそれもしなくなった。盛り上がって熱くなっている雰囲気の同期の中でうまくやっていける気はしなかった。なんとなく、根本的な部分での価値観の違いも感じた。
同期のプロジェクトは、順調なものもあればそうでないものもある。私の目から見る限り、高度な物も稚拙な物もあって、総じて見れば案外普通だなと思った。未踏ともなればずば抜けて優秀な人が突飛で高度なものを作るのかと思っていたので、やや期待外れだったのは否めない。
自分の実力に自身はなかったから、心が折れそうになることも覚悟していたが、この程度であれば自分でもそれなりの成果はだせるだろう。
特に何事もなく、開発期間は続いていく。一人プロジェクトは孤独だと言う人もいたけれど、私にとってはこれまでの個人開発と殆ど同じで、日常だ。もちろん他のプロジェクトでは色々起こっているのだろうけど、大切なのは自分のプロジェクトを進めることだから、他人の心配をしている暇はない。
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