第13話 宇宙人の次は幽霊?

 新たな会社への入社が決まり、とりあえず、これで、定期収入が見込まれローンの返済もなんとかなると安心した。

 だが、泥舟会社のように、入ってみないとわからないことは大なり小なりどこの会社でもある。

 タイミングの関係で入社までに数週間ある。仕事が決まっていて毎日休みのこの期間は一番気が楽だ。ゆっくり準備しながら、業界の知り合いに、これから働く会社について、評判など情報があるかたずねてみた。

 泥舟会社入社の時も同じことをしたが、情報が全くなく、昔からあるよね〜とか、今もあるんだっけ?とかぐらいの情報のみだった。本当に悪い状況の会社は噂にもならないということだろうか。この界隈で、あそこだけはやめたほうが…と悪評が漂う会社に知り合いの誘いで入った時は、外からの評判とはかけ離れ、良かった点がたくさんあった。

 世間の評判とはそれぐらいのもの。自分の目で確かめるのが一番だ。

 それでも気になるのが人のサガ、以前その会社で働いたことがあるという人に聞いてみた。「経営者はいい人だが、昇給は言えば上がる感じ?昇給を望むほどの仕事かは疑問…?」とのこと。うーむ、大したことはやらされないということか?

 「数年前の情報だが、恐ろしく仕事をしない幽霊みたいな社員がいるが害はなかった」との一文も。どういうこっちゃ。働かない人を雇い続ける奇特な会社ってこと?

 そういえば、給料の交渉で、いくら以下では厳しいとの希望にOKの返答をもらったのに、契約時にその額のちょい下を提示された。エージェントさんに確認してもらったら、残業代が付けば超えるからいいと思ったとのことだが、結果その額の数百円上を提示された。幽霊を雇っているのに?

 なんだか嫌な予感がする…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る