第8話 再就職の壁
何か収入になるモノはないかと、色々考えてみる。店はあるので、そこで何か展開できないかと、ハーブだとか、石けんだとか、お菓子だとか、少しチャレンジしてみた。すぐに、休養しながら数ヶ月やそこらで収入になるまでにはできないと悟った。
なので、ナマケモノは、また外に働きに出なければ、もう貯蓄も尽きてしまう。
仕事を辞めて少しして、だいぶ痛みが良くなっていた。ここで、また、色んなことへの不安による新たな沼に落ちないように、しょうがない、再就職に向けて動き出さなければ。
ありがたいことに就職で苦労をしたことがなかったナマケモノは、この再就職活動で、初めて苦難を経験した。国家資格があったためか、たまたま巡り合わせだったのか、今まで、なんど職を辞めても、どこからか声がかかったり、探せばいくつかお誘いがあったり、本当にありがたいことに、再就職で困ることがなかった。
しかし、それが、今回、年齢が上がり、必要なお給料も上がり、家から近くがいいなど希望条件も上がり、業界の景気は下がり…未だかつてない苦しい就活となった。自然には声がかからず、エージェント会社にお願いすることになった。
転職エージェントは、以前に一度使ったことがあって、その時にとても嫌な思いをしたので、二度と使うものかと思っていたが、貯蓄が尽きる前に職につかねばと、嫌な思いをした会社は避けて、他のエージェント何社かに登録した。
その中の1つの会社の担当の方が、本当に良い方で、なかなか難しい条件の中、頑張っていただいて、面接にまで漕ぎ着けた。今まで、お会いして断られたことがなかったので、すっかり呑気に構えていたら、何やら人気で同時期に4人も面接する方がいるらしい。
エージェントさんの指導のもと職務経歴書やら履歴書やらを作り込み、いつもに増して緊張して面接に向かった。
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