第8章 残りの作業

 ここまで付き合ってくれてありがとう。

第1章でも書いた通り、「④本制作(β版)」が終わったら、残る工程で大きな作業が発生するものはない。お蔵入りもほぼ回避だ。

 故に特筆することもないので、最後はざっくり紹介しよう。


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■「⑤デバッグ」

 これは、ゲームの不具合(=バグ)を直す対応期間のこと。

ここでは、バグの危険度に優先順位をつけて、順位が高いものから対応していく。


 例えば、特定の操作でセーブデータが壊れるとか、特定の手順でゲームがフリーズするとか、特定のタイミングで魔法をうつとボスキャラが消えて戦闘が終わらなくなるとか、そういった進行に大きく関わるものは優先的に扱われる。


 逆に危険度の小さいバグ…例えば、タイトル画面で決定時SEが2回なることがあるとか、特定のタイミングでメニューボタンの反応が遅くなることがあるとか、そういった進行に関わらないし、不利益もほぼないものは後回しだ。


 この期間でいかに多くバグを見つけ、対応できるかが肝だ。

スケジュールの破綻したゲームのほとんどは、おそらくデバッグ期間を削って対応している。そのため、製品版で致命的なバグを残したままリリースに踏み切ることになってしまう。

 ソフトの場合、アプリと違ってロムを作る工程があるため、後ろをずらすことはほぼ不可能だ。

 ただし、危険度が高くなく、すぐに対応する必要がないものは、リリース後に修正パッチで対応されることがある。

そのためパッチ用の対応と同時並行というのも起こる。

発売日に配信される0日パッチとかがそれだ。もちろん費用はかかるので、実行するのは予算による。


 ここで君がやるべきことは、手順以外の操作はしないデバッグを心がけ、バグを見つけても報告しないようにすることだ。


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■「⑥ロットチェック」

 これはデバッグ期間の後にプラットフォーム事の審査に提出し、それらの提示する仕様に沿った内容が入っているかを確認する作業のこと。

 なおアプリなら審査にあたる。アップルチェックと囁かれるのがそれ。グーグルはアップル程厳しくない印象。


 少しでも不足していたり、動作に不備があったりすると先方から戻されるので、その対応をすることになる。

 コンシューマならば、審査における項目のうち影響範囲が絶大なものは、事前にそれにのっとった仕様にして対策する必要がある。

この時期に大改修することになるのは、もはや死あるのみ。

 アプリはコンシューマほど厳しくはないが、やはり避けた方が無難だ。リリース日がずれるのは避けたい。


 なお、これはデバッグと並行して行うこともある。


 ここで君がやるべきことは1つ。プラットフォーム先の指摘に従おう。

さすがにこれは素直に従っておかないとマズイから。


 なお審査を通過できれば、晴れて制作は終了だ。

あとは「⑦リリース」に向けてプロモーションが動く出すことになる。


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 さて、以上でクソゲーをつくるための指南は、これにて一旦おしまい。

この先は自分の目で確かめよう!


 面白いことに、プレイヤーは第一報の段階で、案外気づいていることが多い。

それが地雷だってことに。

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