●あるある話 その5 いわかんをかんじる
業界あるある話。テーマは違和感。
意見をいうときに誰もが体験しているという恐怖。
悲しいけど、言っている人によって通りやすさって変わるんだよね…。
以下、プランナーをPL、ディレクターをD、パブリッシャーのディレクターをPDとして進みます。
タイトルは意図的です。「違和感を覚える」や、「違和感を抱く」と書くのが望ましいです。
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PL「この古城ダンジョン、ギミックのヒントになる石碑の内容を覚えてないと迷子になるな…。いちいち確認にマップを行き来するのも面倒だし…」
PL「やっぱり、いつでも見られるように石碑の内容を確認できるボタン表示を置いた方がいいな。仕様に追加しておこう」
PL「よし、書き終わったぞ。さっそく仕様の提出や!」
D「確認したよ。修正よろしく」
PL「あれ? 石碑の内容を確認できるボタンを消すよう指示があるな…。少し抗議してみるか…」
PL「古城ダンジョンの仕様から、石碑の内容を確認できるボタンを消した件について確認させてください」
D「あー、それね。いらないって書いたよね?」
PL「そうなんですが、ちょっと懸念がありまして…。このダンジョンのテーマは”石碑に書かれた謎を解いて進む”わけじゃないですか」
D「うん」
PL「だから、そもそも石碑の内容を覚えていないと攻略ができませんよね。でもその石碑があるのが古城の入口なわけで、そこでしか確認できないというのはキツイと思うんですよ」
PL「例えば、第一関門の古城の中庭にある岩の配列が石碑の文字列とリンクしている奴は、3マップを往復することになります。時間にすると往復で10秒くらいですかね。石碑の内容を覚えてないと、ひたすら行き来することになるんですよ」
PL「そんな状態が続くのって苦じゃないですか。このゲーム、ワープがないし。たとえショートカットの通路を作ったとしても、やっぱり移動して確認する行為が面倒くさいです」
PL「かといって、わざわざリアルで画面スクショを撮らないといけないってのも変な話ですよね。だから、石碑の内容を確認できるボタンは必要です。仕様を残させてください」
D「えー、いらないよ! 分かるでしょ。そこまで複雑なギミックじゃないし」
PL「…例えば、渋谷駅のフロアガイドがハチ公改札の横にしかない状態って感じなんですが、マジでいらないです? 半蔵門線の位置を記憶してなければ、そこに戻るしかないのですぜ? 渋谷マークシティいける?」
D「またごちゃごちゃ屁理屈を…。戻ればいい話だろ? このダンジョンには入らないよ」
PL「あー、えー、うーん…。それならせめてショートカッ…もういいや。これ以上抗議しても意味ないですか?」
D「うん!」
PL「わかりました。じゃあ消しますね!」
~実装後~
PL「分かってたことだけど、石碑の場所に戻るのが面倒くさい…。今はまだデバッグメニューからショートカットできるからいいけどさぁ…」
PL「というわけで復活しませんか? 石碑の内容を確認できるボタン。それか、せめてショートカット通路」
D「みんなプレイできてるし、やっぱりいらないよ!」
PL「わかりました。俺の杞憂でしたね!」
~ユーザーテスト後~
PL「やっぱり石碑の指摘きたか。まあ、そりゃそうやろな」
PL「でもDは突き通すんやろなぁ…。事あるごとに促したけど無駄だったしなぁ…。諦めるしかない。
じゃないと、こんなのっておかしいよ…」
PL「俺がスピルバーグかアリ・アスターだったらなぁ…」
~ブラッシュアップ期間~
PD「石碑の内容確認ボタンをいれようか。分からないと思っていた」
D「仰せの通りに! そこに気づくとは、やはり天才か…!?」
PL「マジかwwwwあんだけ頑なやったやんけwwwwwwwまた賭けに負けちゃったwwww」
PD「じゃあ仕様は月曜にだしてね。そんなにかからないでしょ? ちゃちゃっと書いていいから」
D「仰せの通りに! イエスマイロード!」
PL「今日金曜18時wwww方針の定義もナッシングwwwwwwこやつめ、はははwwwwwww」
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