第2話 魚さん完全防御形態
賢者くん
何か「始まりの森」に隕石か何か衝突したような空間が突如できたらしい。
ななし
何ソレ、イベントか何かなのか?
通りすがり
あーー見てきたわ。マジでやばかった。
人じゃ無理だろって感じだった。辺りの木々完全に消失してるし
杖ぽん
ツングースカだな。
賢者くん
今、少しづつ注目されてる。新しいスキルとか手に入るのでは?てことでそこで戦闘してる人増えてきたみたい。オレもそこでイノシシ倒したけど何も手に入らず。
通りすがり
てか、賢者くんてランキングで見たことあるんだけど。
ガチ勢が始まりの森にいるのか。イノシシたまったもんじゃないな・・
ポテチさん
そういえば、始まりの森の奥の方で釣りしてる少女がいたわよ。
珍しかったから覚えてるわ。
杖ぽん
釣り?へーー珍しいな。あそこって初心者戦闘用フィールドだから何も釣れなかった用な・・・
ポテチさん
その少女見てただけで2匹は釣ってたから、たぶん釣れるんだと思う。
杖ぽん
2匹?釣りって生産性悪いから誰もやる人いなかったはずだよね。
運よくて5時間で1匹とかが普通じゃなかったっけ
まして始まりの森だよね?良い釣り竿だったとか?
ポテチさん
たぶん一番安い初心者釣り竿だったと思う。・・私の見間違いだったかもしれないけど
杖ぽん
完全に見間違いだな、初心者釣り竿とか一瞬で竿自体が折れるし。なんせ材料が木だからな
剣士
へーーそれにしても隕石なんてね。
イベントも近しこれから続々とアップデートされてくるのかもしれないわね
そんな掲示板のざわつきから数日後、
今日もコルリとコノハはログインしていた。
「見てみて、また沢山釣れたれたんだよ」
「マジカ。流石だな。これも始まりの森で釣ったのか?」
「そうだよ。この子鮎ににてるよね」
「あそこって魚がいなかったような・・・そういえばコルリ。釣り最中にモンスターに襲われなかった?初心者用でも結構数がいたと思うけど」
「始めはいっぱいいたんだけど、何かカジカ君召喚したらみんな来なくなって」
「ああ、そういや、そうだったな。あの化け物がいたもんな。MPとかは大丈夫なのか?あれだけ破壊力があったらごっっそり持ってかれそうだけど」
「MP?」
「魔法とかスキルとかを使う時に減るメーターみたいなもんだよ。ほらコルリの画面でいうとここ・・・え?」
そこで初めてコノハは気が付いた。
コルリのステータス画面に0が沢山並んでいることに
「コルリ・・・始めにステータスの割り振りとかやったよね?」
「んーーー何か面倒くさかったらやってない。」
「コルリHPとMP以外全部0だよSTRもVITも。うーーんやっぱり割り振りは始めしかできないみたいだね。ごめん、もうちょっと説明してからにすればよかった、私もテンションあがっててさ。」
コノハがステータスを割り振ろうとしても何も変わらなかった
「全然問題ないから良いよー。説明されてもわからないし。今楽しいし。」
「コルリが楽しければ何も問題ないんだけど・・・これだと1回攻撃食らっただけで瀕死になっちゃうよな。つーかDEX0で釣りしてたのか。」
「現実より難しかったよ」
「一言でかたづけられるのはコルリくらいなもんだからな。普通釣れないから。MPも減ってないからゴットフィッシュはMP使わないのか。反則だなこれは、あれを何発も使用できるのか・・・」
「私はそんなに戦闘はしないし釣りだけできればいいから。あ、でも大物がHITした時に攻撃を受けるのは痛いな。HPが0になると強制的に街に戻されちゃうんだよね?」
「セーブした街にな。私達だとこの始まりの街に戻される。それまでに獲得したお金と持ち物もなくなるよ」
「えーー。持ち物も?お魚を捕られるのはちょっとなーーどうしよう。そうだ!!ちょっと来てコノハちゃん」
二人はフィールド「始まりの湖」に移動する
ここも初心者用フィールドでそんなに強い敵はいない
始まりの森でもよかったのだが最近何故か人が増えてきたので、人がほとんど居ないこちらに来たのだ。
「本当に誰もいないな。で、どうしたんだ?」
「フッフッフーー。コノハさんや。縁側に座って、たーーんと見ててくださいよ」
「出たな。コルリお婆ちゃんめ。ここに縁側ないから」
「いくよー。ゴットフィッシュ召喚」
あの化け物が召喚される。
端からみたら絶対天変地異だと思っただろう。
それくらいこの初心者フィールドには似つかわしくなかった。
そのカジカに似た化け物がコルリの隣でムツゴロウのように口をパクパクさせている。
「このーーーカジカくんになんと!」
①もぞもぞとコルリがカジカくんの口の中に入る。
②そこからスポッとカジカくんの口から頭だけ出す。
完全に捕食されてしまった光景である。
「完成でーーす。搭乗してみました。どうどう?これでどこから敵が来てもだいじょうーぶ。」
「それ大丈夫なのか?こっちからみたら今にも助け出したいんだけど」
「全然問題ないよ。少し魚くさいけど。ここから手を出して竿を握れば。ジャーーーん。立派な釣り人の完成です。」
「立派に食われちゃった釣り人の完成だよコルリ・・・」
「じゃ。私ここでちょっと釣りしてから帰るね」
ただ防御力という一点においては大丈夫なようだ
近くにいたイノシシが体当たりしてもビクともしない。
むしろ自分の体当たりのダメージイノシシが倒れる始末である。
大丈夫そうだな。
巨大魚の口からほんのわずかしかコルリが外に出ていないので
まるで魚が湖で釣りをしているように見える
もの凄くシュールな光景である。
その魚に向かって声をかける
「・・・わかった。私も今日は早めにログアウトしなくちゃいけないから先に帰ってるね。危なくなったらすぐ街に帰るんだよ。そうだ。これも使うと良いよ。はい。」
「何これ?」
小さな2種類の小瓶を大量に渡される
「そっちの赤いビンは「魔物コイコイ」文字通り魔物をおびき寄せる効果があるんだ。もう一つの青色のビンは「魔物バイバイ」魔物を寄りつかなくする」
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